タイムライン投稿の拡散で「友だち」が急増!FiNCのディスカバー活用法
株式会社FiNC Technologies

株式会社FiNC Technologies
マーケティング本部 マーケティング部 部長 藤原逸聖氏
マーケティング本部 マーケティング部 プロモーショングループ 鈴木 妙氏
ヘルスケア/フィットネスアプリ「FiNC」を運営する株式会社FiNC Technologies(以下、FiNC Technologies)は、新規ユーザーの獲得にタイムラインの新機能「ディスカバー」を利用しています。LINE公式アカウントの友だち以外のユーザーに対しても情報が発信できるディスカバーの活用方法について、同社の藤原逸聖氏(以下、藤原氏)と鈴木 妙氏(以下、鈴木氏)に話を聞きました。
- 目的
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- LINE公式アカウントの友だち数を増やしたい
- 施策
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- ディスカバーの特性に合わせたコンテンツを投稿
- 効果
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- 投稿したコンテンツのインプレッションはおよそ1,000倍に
- ディスカバーのリリース後、現時点で友だちが約20万人増加
- 従来のタイムライン投稿よりもユーザー間による拡散が増加
「ディスカバー」なら、友だち以外のユーザーにも投稿が届く
FiNC TechnologiesはAI(人工知能)を活用し、ヘルスケア領域を軸としたさまざまなサービスを展開しています。同社が2017年にリリースしたヘルスケア/フィットネスアプリ「FiNC」は、20~40代の女性を中心に幅広いユーザー層から人気を集め、2020年4月末時点で950万ダウンロードを突破しています。
「FiNCは『カラダのすべてを、ひとつのアプリで。』をコンセプトにしており、歩数や食事、体重、食事や睡眠時間などのライフログが簡単に記録できます。そのライフログをAIが分析し、美容や健康についてのアドバイスをチャット形式でスマートフォンに表示します。AIは個人に最適化した情報やメニューを提供するため、いわば24時間ユーザーに寄り添うパーソナルトレーナーのような存在です。さらに、健康行動によって貯めた『FiNCポイント』を利用してウェルネスセレクトショップ『FiNC MALL』でお買い物ができます。また、アプリ内でアスリートやプロトレーナーが監修するフィットネス、管理栄養士や料理研究家が考案したヘルシーレシピなどのコンテンツも配信しています」(藤原氏)

株式会社FiNC Technologies マーケティング本部 マーケティング部 部長 藤原逸聖氏
FiNCは2020年4月にHome画面の大幅リニューアルを行い、ユーザビリティーを向上させました。リニューアル後にディスカバーの活用を開始していますが、活用にあたりディスカバーへ期待していた点を藤原氏は次のように説明します。
「もともと、FacebookやTwitter、YouTubeなどのメディアと比べて、8,400万人(2020年3月末時点)という圧倒的なMAUを誇るLINEをうまく活用することが、新規ユーザー獲得において重要なポイントだと考えていました。6,800万人(2019年8月時点)が利用するタイムラインも以前からよく活用していましたが、従来のタイムラインは基本的にLINE公式アカウントの友だちにしか投稿が届かない仕様になっていて、正直なところ物足りなさを感じていました。しかし、ディスカバーはSNSのように友だち以外のユーザーにもリーチでき、コンテンツのシェア機能もあるので、拡散力にも期待できると思いました」(藤原氏)
ディスカバーのインプレッション数と拡散力に効果を実感
FiNC Technologiesは2020年4月下旬から、週3回ほどの頻度でタイムラインの投稿を行いました。ディスカバーの投稿方法は従来のタイムラインと変わらないため、負担も増えずに運用できたと鈴木氏は振り返ります。
「ディスカバーのサービスがリリースした際、どのようなコンテンツを投稿しようか悩みましたが、過去の投稿で反応率が良かった『お腹がへこむ』『二の腕を引き締める』などのフィットネス動画を中心にピックアップして投稿しました。動画は1本30秒から1分程度で制作し、ファーストビューで何の動画かが一目で分かるように、フィットネスの効果や消費時間の目安をサムネイルのテキストに入れるなどの工夫をしました」(鈴木氏)
実際に投稿したフィットネス動画の一例
新型コロナウイルスによる緊急事態宣言下で在宅時間が増加していたこともあり、自宅で簡単にできるフィットネス動画は、ユーザーから予想以上の好評を得たそうです。そのニーズに応えるように、5月上旬からはほぼ毎日、タイムラインへの投稿を行ったといいます。
「ディスカバーは新しいサービスなので、一旦KPIは設定せずにお試し感覚で投稿していたのですが、予想以上の効果があり驚きました。とくにインプレッションはおよそ1,000倍に増えるなど、露出の機会が増加し満足しています。また、友だち以外のユーザーにも投稿を表示できるようになったので、LINE公式アカウントの友だちが約20万人増えました」(鈴木氏)

株式会社FiNC Technologies マーケティング本部 マーケティング部 プロモーショングループ 鈴木 妙氏
投稿のシェア数についても、予想以上の成果が出たそうです。
「LINEはクローズドなコミュニケーションツールというイメージが強かったのですが、今回、ディスカバーの実装によって、拡散性が強化されました。うまく使いこなせばユーザー起点の広がりに期待できるので、より魅力的なコミュニケーションツールに進化したと思います」(鈴木氏)
また、「今後はフィットネスに限らず、レシピ動画なども投稿していきたい」と鈴木氏は展望を述べます。
「InstagramやTwitterなどの既存のSNSはすでにレッドオーシャンなので、細かいタグ付けなどをしないと、インプレッション数が伸びません。一方、ディスカバーはリリースしたばかりで競合する企業が少ないためか、動画を活用した投稿でかなりの反響が得られました。既存のSNSとクリエイティブの使い分けを行うなど、ほかのメディアと連動させながらディスカバーを利用していくのが効果的だと感じました」(鈴木氏)
LINEを通じてユーザーとの関係を深めたい
藤原氏は今後の展望として、LINEを通じたユーザーとのコミュニケーションについて次のように語ります。
「今後、いかにユーザーを離脱させずに継続的に利用していただけるか が、ブランドを成長させるための重要な指標になると考えています。そのためには、企業からの一方的な配信だけでなく、ユーザーとのインタラクティブなコミュニケーションが欠かせません。アプリとLINEの連携を高めて、ユーザーとより親密な関係を築く方法を考えていきます」(藤原氏)
藤原氏の話を受けて、鈴木氏はこう言葉を続けます。
「LINEを活用して、潜在的な見込み客とのタッチポイントを増やしていきたいですね。タイムラインやディスカバー、LINE公式アカウントのメッセージと、無関心層からファン(友だち)層まで、一貫してコミュニケーションをとれるのがLINEの魅力だと思います。より効果的なLINEの活用を探っていきます」(鈴木氏)
(公開:2020年7月/取材・文:相澤良晃、写真:小田光二)
※本記事内の数値や画像、役職などの情報はすべて取材時点のものです