意識したのは「お客さま参加型」!新聞折り込み費を大幅削減したスーパーのLINE活用方法とは
カブセンター 神田店
青森県弘前市神田3丁目2-8
青森県を中心にスーパーマーケットとドラッグストアの複合店舗である「カブセンター」、スーパーマーケット「ベニーマート」やドラッグストア「メガ」を展開している紅屋商事株式会社のLINE公式アカウント(旧LINE@)活用法について、SM事業部販促課マネージャーの佐々木さん、カブセンター神田店のスタッフの方々に話を伺いました。
ポイント
新聞折り込み費用の削減と売上アップを実現
――LINE公式アカウント導入までの経緯を教えてください
2017年の春、他業種の販促の取り組みについて調べていた時にLINE公式アカウントを知りました。弊社では、新聞折込などの多大な経費が課題でした。チラシ1回につき200~300万円の費用がかかるのに対し、新聞折込の来店効果は部数に対して0.2~0.3%程度といわれています。
今後、新聞の定期購読者数が減ることが想像でき、その費用対効果に疑問を感じて「新たなアプローチが必須」だと考えていました。そんな中、タイミングよく代理店さんからLINE公式アカウントを提案いただき、導入するに至りました。結果的にLINEの導入で新聞折込費を4~5%削減することができ、売上高も昨年同月比で102%を達成することができました。
「お客さま参加型」の情報拡散で友だち数が増加
――友だち集めはどのようにされていますか?
店舗入口から売場、レジの列、袋詰め台、サービスカウンター特設ブースなど、店舗スタッフの工夫により、「足が止まる場所・目線の高さ」にこだわり、友だち募集のPOPを設置して登録を促しています。さらに、タイムライン投稿を「いいね」や「シェア」、Twitterで拡散してもらうことにより、友だち数を増やす取り組みも行っています。お客さま同士の口コミもあって全体的な友だち数増加とともに、年配のお客さまの友だち登録にもつながっています。
――LINE公式アカウントではどの機能を使って配信をしていますか?
リッチメッセージでチラシのページへのリンク誘導、参加型企画をタイムラインで月に1~2回実施しています。また、ショップカード機能の特典に寿司商品のクーポンを設定して購入を促進したり、リサーチページで青森県民の方々の嗜好や慣習を調査して広告販促や売場作りに生かしたりもしています。


「消費者目線」を徹底した企画で、クーポン使用数が約6.7倍に!
――これまでに反応が良かった施策を教えてください
「タイムライン投稿の『いいね』を押してくれたお客さまが777名を突破したら、5%OFFクーポンを配信します」という企画を実施したところ、838名の『いいね』をいただきました。その後、配信したクーポンは782回も使用されました。企画実施前に同じ5%OFFクーポンを配信した時は117回の使用だったので、約6.7倍の伸びを記録しました。また、企画実施時は平日でしたが、通常の平日の友だち登録数の約2.5倍の登録があり、これはタイムライン投稿の『いいね』や『シェア』によって、まだ友だち登録をされていないお客さまを巻き込むことができた成果と考えています。

――LINE公式アカウントに対するお客さまの反応を教えてください
実際にレジやサービスカウンターで、お客さまからクーポンの使用や配信したチラシのお問い合わせなどを受けることがあります。お客さまの対応をさせていただく中で、若年層から年輩の方まで幅広い年代のお客さまに当店のLINE企画にご参加いただけていることを実感しました。また、お客さまから配信内容のリクエストをいただくこともあります。
――運用面で工夫していることや気をつけていることはありますか?
お客さまにブロックされないよう気をつけています。具体的には、アンケート企画や、先述の「『いいね』777回突破でクーポン配信」のような、「お客さま参加型」の企画を月に2回ほど行うことで、お客さまに継続的に関心を持っていただくようにしています。また、月に10回以上のメッセージを送っているため、マンネリ化を防ぐ目的でチラシの内容にはバリエーションを持たせています。さらに、「消費者目線」を第一に考え、客層の9割を占める女性に「刺さるワード」やインパクトのある画像のデザインなどを考えて配信素材を作成しています。テキストだけではなく、リッチメッセージで配信することで、よりお客さまに伝わりやすくなると思います。


――今後、どのようにLINE公式アカウントを活用していきたいですか?
当社は環境保全や社会貢献にも力を入れ、社会との調和を意識しています。青森県内の地域で活動している団体や個人の方々の告知・宣伝の場にしてもらう役割も含め、当社とコラボレーションした配信を行うことで、LINEを青森県全体の「コミュニケーションツール」にしていきたいと考えています。
――これからLINE公式アカウントをはじめる方へアドバイスをお願いします
「他業種の活用事例にヒントがある」ことを意識して参考にしながら、たとえうまくいかないことがあってもLINE公式アカウントの活用を諦めずにチャレンジし続けてほしいです。
※本記事内の数値や画像、役職などの情報はすべて取材時点のものです