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LINEミニアプリ

LINEミニアプリ利用を促進させ、顧客流失を防ぐ美容室のLINE活用

株式会社エファッセ

2021.10.27

埼玉県鴻巣市を中心に出店する美容室effaceは、理美容サロン特化型のPOSシステムと、POSに連携している標準アプリを利用していました。しかし、標準アプリのアクティブ率に課題を感じて、2021年6月よりLINEミニアプリを導入。同サロン代表の相原佑企氏(以下、相原氏)、LINEミニアプリの開発パートナーであるエクシードシステム株式会社(以下、エクシードシステム)の坂田剛氏(以下、坂田氏)、LINEミニアプリの提案・導入を担当したLINE株式会社(以下、LINE) ミニアプリ事業企画室Growth企画チームの橋本純一(以下、橋本)に、取り組みの内容や得られた成果について話を聞きました。

目的
  • 既存のアプリよりさらに身近で、ユーザーとのコミュニケーションを図れるツールを導入してデジタル接点を強化したい
施策
  • POSシステムのオプションメニューとして利用していた標準アプリから、LINEミニアプリに移行してもらえるよう、ユーザーに案内
  • LINEミニアプリを使ってデジタル会員証の提示やサロン予約できる仕組みを整備
  • LINE公式アカウントから予約リマインドや来店のお礼メッセージを自動配信
効果
  • 2021年6月以降、旧アプリを使っていた3割強のユーザーがLINEミニアプリに移行。以降も案内を継続する予定
  • メッセージの自動配信で予約リマインドを行ったユーザーの実際の来店率と、来店のお礼メッセージを送ったユーザーの次回来店率がそれぞれ90%以上を記録
プロフィール

efface 代表 相原佑企氏

プロフィール

エクシードシステム株式会社 サロンソリューション営業部 取締役課長 坂田剛氏

プロフィール

LINE株式会社 ミニアプリ事業企画室Growth企画チーム 橋本純一

付加価値のあるサービス提供を目指して、LINEミニアプリを導入

effaceは地域密着型のサロンとして、埼玉県内で美容室やアイラッシュサロンなど現在6店舗を展開しています。ターゲットは年齢層を問わず幅広く、客単価は平均1万円前後。「地元エリアでは比較的高めの単価ですが、満足いただける質の高い施術と空間を提供している」と、同サロンのオーナースタイリストである相原氏は話します。

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付加価値のあるサロンづくりを目指して、ゆったりとした施術スペースや個室のシャンプースペースのほか、上質な空気感の照明などインテリアにもこだわっているそうです。また、ユーザーの利便性を高めるために、デジタルツールの導入にも積極的に取り組んできました。

 

創業時より、会計時にはタブレット型端末を使ったPOSレジアプリを採用。ユーザーとスタッフ双方にとって使い勝手の良いサービスを探し、2019年11月には理美容サロンに特化したPOSシステム「Salon Answer」を導入しました。Salon Answerは、理美容サロンに求められる予約状況や顧客情報の管理、売上やデータの分析などを一貫して行うことができるクラウドサービスです。Salon Answerを開発・提供するエクシードシステムの坂田氏は、同システムの特徴を次のように解説します。

 

「インストール不要のクラウドサービスなので、どんな場所からでもシステム内のすべての機能を利用いただけます。特に、effaceさまのように複数店舗を展開している場合の情報管理に便利で、タブレット端末を使ったスマートな会計も可能になります。また、理美容サロンには欠かせない電子カルテ機能を搭載しているのも特徴です」(坂田氏)

 

effaceでは当初、Salon Answerのシステムと、POSに連携している標準アプリを使用していましたが、導入から約1年半が経ったころ、標準アプリのアクティブ率に課題を感じるようになりました。そこで、ユーザーにとってさらに身近なツールでコミュニケーションや情報発信を強化できないかと考え、2021年6月にSalon AnswerのLINEミニアプリを導入しました。

ユーザーが求めるアプリは、“特別感”より“日常的”なもの

Salon AnswerのLINEミニアプリでは、LINE経由でサロン予約ができるほか、デジタル会員証の提示でポイント付与されるなど、ユーザーメリットのある機能を多数備えています。相原氏はLINEミニアプリを導入した経緯について振り返ります。

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「パートナーさまからはよく、『自社アプリを作りませんか』とお声がけいただきます。確かに、自社アプリはサロンにとっては特別なものですが、お客さまにとってはそこまで重要ではないように感じるのです。どんなにリッチな機能を備えたアプリでもお客さまに利用いただけないと意味がありませんし、そのためには特別感よりも日常で使うツールの延長にアプリがあったほうが良い。そこで、利用ユーザーが圧倒的に多く、1日に何度も起動するLINE上でアプリを呼び出せるLINEミニアプリを導入しました。

 

また、LINEミニアプリはさまざまな業界の企業に導入されています。LINEのホーム画面で名だたる有名ブランドやサービスのロゴに並び、effaceのサロンロゴが一緒に表示されれば、ブランド価値の向上につながると思いました」(相原氏)

 

LINEの橋本は、「LINEミニアプリの導入で、サロンさまはより快適なサービス体験を実現できる」と自信を見せます。

 

「LINEミニアプリには、大きく3つの特徴があります。1つ目はLINE内でサービスを起動できるため、煩雑な情報入力を省いて数タップで利用を開始できる点。2つ目はLINE内のさまざまな導線からアクセスできる他、WebサイトやSNSなどに掲載したURLリンクやQRコードからもクイックに起動できる点。3つ目は、LINEミニアプリからサービス予約やクーポン取得ができるほか、LINEのトークを使ってユーザーにリマインドや各種情報の通知が可能になる点です。

 

特に、追加でアプリをダウンロードいただく必要がないのは、案内する店舗側の負担軽減につながると確信しています。また、スマホの機種変更をする時に通常のアプリは移行の手間がかかりますが、LINEミニアプリであればそうしたこともありません。LINEをプラットフォームとするLINEミニアプリは、ユーザー・事業主双方にさまざまなメリットがあると考えています」(橋本)

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LINEミニアプリの導入から約4カ月が経過し、effaceでは引き続きSalon Answerの標準アプリからLINEミニアプリへの移行を進めています。「QRコードを読み込むだけで利用スタートできるので、案内したお客さまのほとんどに登録いただいている」と語る相原氏。現在の移行率は全体の3割強ですが、今後はLINEミニアプリへの一本化を目指す予定です(実績はefface調べ)。

LINE公式アカウントから来店のお礼メッセージを送信して、リピート率90%超

Salon AnswerのLINEミニアプリは、利用開始時にユーザーがeffaceのLINE公式アカウントにスムーズに友だち追加される仕組みを導入しています*。

  • LINE公式アカウントの友だち追加にはユーザーの許諾が必要になります

「LINE公式アカウントの活用については模索中ですが、LINEミニアプリの利用浸透に伴い、ターゲットリーチを増やしていくことが重要だと考えています。現在、約400人のターゲットリーチがいるのですが、1,000人を目指してLINEミニアプリのご案内を続けています」(相原氏)

 

また、LINEミニアプリはPOSシステムと連動しているため、LINE経由でサロン予約したユーザーにeffaceのLINE公式アカウントから予約のリマインドメッセージや、来店後にお礼のメッセージを自動配信しています。予約のリマインドをして実際に来店するユーザーと、来店後にお礼のメッセージを送って次回リピートするユーザーは、いずれも90%を超えています(実績はefface調べ)。

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「現在は、お客さまから送られる個別のチャットには返信していません。それでも、来店後にお送りするお礼の自動配信メッセージに対して、毎日のように『今日のヘアスタイル、とても気に入っています!』といった喜びの声が届きます。メッセージを直接お届けする大切さを再認識しています」(相原氏)

 

Salon AnswerのLINEミニアプリはユーザーのサロンでの支払金額に応じてインターフェースを変えるなど、アプリそのものの使い勝手や魅力を高めることにも注力するとともに、美容室で必要とされる機能拡充を行っていくそうです。

 

また、LINEミニアプリの今後の展望について、「プラットフォームとしてのさらなる機能向上を目指す」とLINEの橋本は語ります。

 

「会員証やサロン予約などの機能をフックに、美容業界でLINEミニアプリの活用は広がっています。今後、より便利に使っていただけるようプラットフォームとしての機能を向上させるほか、LINEミニアプリとLINE公式アカウントを連動させて、LINEのサービス全体の価値を底上げしたいです」(橋本)

 

effaceの相原氏は「LINE公式アカウントのメッセージ配信やクーポン配布にも力を入れ、お客さまとの関係性をより強化したい」と話します。

 

「今後は店舗ごとにLINE公式アカウントを開設して、スタイリストとお客さまが直接コミュニケーションを取れる体制をつくりたいと考えています。また、将来的にはLINE上で決済まで行えるようなシステムが構築できれば、利便性が大きく向上するはずです。コロナ禍において、お客さまの来店頻度や店内オペレーションに変化があったとしても、美容サロンが人と人との結びつきによって成り立っていることは変わりません。その結びつきを新しい時代に合わせながら、LINEで強めていきたいと思います」(相原氏)

 

(公開:2021年10月/取材・文:高柳圭)
 

※本記事内の数値や画像、役職などの情報はすべて取材時点のものです