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LINEミニアプリ

1人あたり2.45人の新規顧客とともに顧客が再来!LINEミニアプリが起点になる炎丸酒場のリピーター超育成術

株式会社PrunZ(炎丸酒場)

2022.10.20

株式会社PrunZ 代表取締役 深見浩一氏
深見氏の経営論などをまとめた動画チャンネルはこちら

飲食事業を手がける株式会社PrunZ(以下、PrunZ)は、2021年10月にモバイルオーダー(店内注文)機能をそなえた「ダイニー」のLINEミニアプリを導入しました。それにより業務効率が改善されただけでなく、モバイルオーダーで取得したお客さまの属性や注文データを活用して、再来店を促す効果的なメッセージをLINE公式アカウントから配信するなどして、着実にリピート率がアップしています。具体的な取り組みや得られた成果について、PrunZ 代表取締役の深見浩一氏に話を聞きました。

目的
  • CX(顧客体験)を向上し、リピート率をアップさせることで、コロナ禍以降の安定的な飲食店経営を実現させたい
施策
  • 2021年10月にモバイルオーダー機能をそなえたLINEミニアプリを「炎丸酒場 五反田店」に導入
  • メニュー画面では、メディアの掲載情報や誕生日を迎えるスタッフの写真などタイムリーな情報のほか、動画を用いてメニューを紹介
  • 来店したお客さまの属性や注文データなどを活用して、LINE公式アカウントから来店を促すメッセージをセグメント配信
効果
  • モバイルオーダーの導入により、スタッフの業務効率がアップ。また、10ヵ月で約4,600人の友だちを集客
  • 看板メニューの調理シーン動画をメニュー画面に掲載したところ、注文数が1.5倍に増加
  • LINE公式アカウントで来店を促すセグメント配信したところ、配信数の11.4%が再来店。その際、リピーター1人当たり2.45人の新規顧客を伴うなど、新たなお客さまの獲得につながった

メニュー画面に動画を掲載し、売り上げ1.5倍増

2006年に創業したPrunZ(プランズ)は、飲食、学習塾、介護、コンサルなど幅広い事業を手がけている会社です。なかでも主力の飲食事業は、東南アジアを中心に積極的な海外展開を進めるなど、創業以来、順調な成長を続けていました。しかし、「突然のコロナ禍によって国内外の全店舗が大打撃を受けた」と、同社代表取締役の深見氏は振り返ります。

 

「特に居酒屋業態の売り上げの落ち込みが激しく、デリバリーや持ち帰りメニューの充実を図るといった対策も“焼け石に水”という状況でした。来店客が激減したことで、売り上げ維持のためにどうしてもメニュー価格を上げざるをえないのですが、その上昇した価格以上の価値をお客さまに提供できなければ、これから飲食店は生き残っていけないと痛感しました」

インタビュイーの写真

株式会社PrunZ 代表取締役 深見浩一氏

今後、安定経営を実現するためにはCX(顧客体験)を向上させ、リピート率をアップすることが最重要だと考えた深見氏。その実現のためのツールとして導入したのがモバイルオーダー(店内注文)機能を持つ「ダイニー」のLINEミニアプリです。

 

「実はLINE公式アカウント自体は5年ほど前に開設していましたが、思うように友だちが集められず、メッセージの配信効果も不透明だったため、一度は運用を諦めていました。しかし今回、知人から『ダイニーであれば効率良く友だちも集められる』と聞いて、直営の『炎丸酒場 五反田店』で使ってみることにしました」

炎丸酒場五反田店

ダイニーのLINEミニアプリを利用する際、ユーザーはLINEの他にアプリをダウンロードする必要がありません。来店客が店内の各テーブルに設置されたQRコードをスマートフォンで読み込むと、数タップでモバイルオーダー画面が立ち上がるとともに、炎丸酒場 五反田店のLINE公式アカウントがスムーズに友だち追加できます(※)。ユーザーは自分のスマートフォンでメニューを選択して、テーブルごとに注文できる仕組みです。

  • 友だち追加には、ユーザーの許諾が必須となります。

図版

モバイルオーダーの導入によって、ユーザーは好きなタイミングで気兼ねなく注文ができるようになります。さらに、スタッフは注文のたびに席まで足を運ぶ必要がなくなるため、オペレーションコストが抑えられるという店舗側のメリットがあります。

 

「導入前、『オペレーションが複雑になるのではないか』『お客さまとコミュニケーションと取りづらくなるのはないか』など、店舗スタッフからは不安の声があがりました。しかし、結果としてスタッフの業務効率は上がり、これまでできなかった自由な接客や表現が実現しました」

 

たとえば、モバイルオーダーのメニュー画面にメディアの掲載情報や誕生日を迎えるスタッフの写真などタイムリーな情報を追加。モバイルオーダーをきっかけに、来店客との会話が自然と生まれるような、遊び心ある接客やコミュニケーションを実践しています。

図版

「特に効果的だと感じたのは、動画です。看板メニューのひとつである“鶏ももの唐揚げ”の調理シーンの動画をメニュー画面に掲載したところ、注文数が1.5倍に増加しました。スマートフォン上で紙メニューでは表現できない見せ方をすることで、顧客満足度だけでなく、実際の売り上げアップにもつながっています」

図版

リピーター1人が2.45人の新規顧客とともに再来店

LINEミニアプリはLINEの他の法人向けサービスと併用することで、お客さまのリピーター化を効率的に行えることも魅力です。前述のとおり、メニュー注文時にスムーズに炎丸酒場 五反田店のLINE公式アカウントを友だち追加できるため、その後、再来店を促すメッセージを配信することができます。

 

「炎丸酒場 五反田店では、LINEミニアプリの運用開始から10ヵ月で約4,600人の友だちを集客しました。それに伴い、来店したお客さまの属性や注文データも蓄積され、LINE公式アカウントで効果的にメッセージ配信ができるようになりました(※)」

  • データの取得・活用には、ユーザーの許諾が必須となります。

たとえば今年6月には、「過去に1回だけ来店したことのあるユーザー」に対して乾杯ドリンクのサイズアップクーポンを配信したところ、当該ユーザー2,206名のうち1.5%にあたる32名が再来店しました。

 

また、「過去に2回以上来店していて、かつハイボールまたはレモンサワーを注文したことのあるユーザー」176人に、メガハイボール・メガレモンサワーの割引クーポンを配信した際には、20名が来店。当該ユーザーの11.4%という驚異的な集客効果を記録しました。

図版

「ありがたいことに、その20名のリピーターは1人当たり2.45人の新規顧客を連れてきてくれました。つまり、49名の新規顧客と一緒に再来店してくれたわけです。その費用対効果を割り出してみたところ、メッセージ配信コスト約360円に対して18万円前後の売り上げ創出していることがわかりました」

インタビュイーの写真

LINE公式アカウントのメッセージ配信効果について力説する深見氏

LINEによるリピーター獲得効果を示しているのが下図です。モバイルオーダーのLINEミニアプリを導入してから来店した全客数を母数として、来店回数別のお客さま比率を表しています。

図版

各種データを活用したメッセージ配信を始める前の2月末と後の6月末を比較すると、
全ての来店回数においてリピーター率が上昇している。

「一般的に、飲食店が『行きつけ』となるには2〜3回目の来店が重要とされています。来店回数別にリピーター率の分析を行なったところ、わずか4ヵ月で効果が出始めたことに大変驚いています。

 

どんな人が何人で来店して、どのメニューを頼んで、どのくらいお金を使ったのか。それがデータとして明らかになったことで、リピーター獲得のための最善な施策を即座に打てるようになりました。これがモバイルオーダーのLINEミニアプリを導入した最大の効果だと感じています」

純粋に飲食を楽しむような気持ちで、LINEを使って

炎丸酒場 五反田店でモバイルオーダーのLINEミニアプリを利用開始してから約1年。着実にリピーターを獲得していることから、「順次、他の店舗でもモバイルオーダーのLINEミニアプリを導入したい」と深見氏は話します。

 

「LINEの活用により、グルメサイトに頼らない集客ができるようになりました。新規なのか、2回目来店のお客さまなのか、これまではその判断も正確にはつきませんでしたが、モバイルオーダーの導入によって、来店回数だけでなく、前回の注文したメニューなどがリアルタイムでわかるようになりました。

 

今後はそうした顧客情報をさらに蓄積して、より効果的なセグメント配信を行って再来店を訴求するとともに、One to Oneの接客をすることで顧客満足度を一層高められるよう努めていきます」

 

また、デジタルツールの導入や運用に抵抗を感じる飲食事業者に対して、深見氏は次のようにアドバイスを送ります。

インタビュイーの写真

「管理画面のUIなども快適で、予想以上に運用が楽だった」と
モバイルオーダーの使用感を語る深見氏

「飲食店を経営されている人の中には、“自分でデジタルツールを運用するのは難しい”と諦める方もいますが、LINEミニアプリやLINE公式アカウントは各種サポートコンテンツも手厚いので、効果的な運用がすぐにできるようになると思います。

 

リピーター獲得で悩まれている方は、純粋に飲食を楽しむような気持ちで、まずは気軽にLINEを使ってみるところから始めるといいかもしれませんね」

 

(公開:2022年10月、取材・文/相澤良晃、写真/中村宗徳)

 

※本記事内の数値や画像、役職などの情報はすべて取材時点のものです
※本記事内の実績は取材先調べによる数値です