• ホーム
  • 事例
  • 良質な広告がメディアを成長させる!DELISH KITCHENのアドネットワーク戦略

良質な広告がメディアを成長させる!DELISH KITCHENのアドネットワーク戦略

株式会社エブリー

株式会社エブリー 代表取締役 吉田大成氏

2019年8月より、LINEはアドネットワーク事業「LINE Ads Platform for Publishers(以下、LAP for Publishers)」を開始します。スマートフォン向けの動画広告プラットフォームの開発・販売・運用を行ってきたファイブ株式会社(以下、ファイブ)とLINEは2017年12月、相互の広告プラットフォーム強化を図るために資本業務提供を結び、互いのリソースやノウハウを結集してLAP for Publishersを立ち上げました。

 

本記事では、レシピ動画メディア「DELISH KITCHEN」を開発・運営し、ファイブのアドネットワークサービスを通じてアプリのマネタイズを推進してきた株式会社エブリー(以下、エブリー)の代表取締役である吉田大成氏に、自社の広告事業やLAP for Publishersに寄せる期待について話を聞きました。

ダウンロード数1,600万以上。国内最大級のレシピ動画メディア

エブリーが開発・運営する「DELISH KITCHEN」は、「だれでもおいしく簡単に作れるレシピ」をコンセプトに掲げ、管理栄養士が監修するレシピ動画を毎日配信しています。アプリのダウンロード数は1,600万以上、月間の動画再生回数は6.1億回を超える、国内最大級のレシピ動画メディアです。「DELISH KITCHEN」は2015年9月にローンチされ、当初から広告収益を軸にしたビジネスモデルを展開してきました。

 

「安定的に収益を上げ、コンテンツへの投資やユーザー獲得のためのプロモーションを行って、はじめてメディアは成長します。限られた社内リソースを最適化させるためにも、創業時からアドネットワークを活用したマネタイズに取り組んできました」

吉田氏の写真

株式会社エブリー 代表取締役 吉田大成氏

現在、「DELISH KITCHEN」では2種類の広告を運用しています。アプリの起動時に全画面で自動再生される「タイアップ広告」と、インフィードに表示される「ディスプレイ広告」です。アドネットワークを通じた広告が配信されるのは後者のディスプレイ広告で、「DELISH KITCHEN」が参加する複数のアドネットワークの中でも、ファイブ経由での広告配信が占める割合が高いそうです。

 

「ファイブさんとは、『DELISH KITCHEN』のローンチ当初からお付き合いがあります。目先の収益ではなく、中長期スパンでのメディア成長を目指して広告戦略に関するディスカッションをさせていただけるのが、ファイブさんと組んでいる大きな理由です」

メディアと親和性の高い広告クリエイティブだけを掲載

「メディアの成長と不可分」と吉田氏が語る広告戦略において、「DELISH KITCHEN」では先述した広告の出面で“ユーザーと広告の自然な出会い”をつくり出しています。さらに、料理と相性の良くない商材や、食欲を損なわせる恐れのあるビジュアルは一切掲載しないなど、広告内容やクリエイティブにも気を配っています。

 

「ファイブさんとはローンチ当初から継続的に掲載基準についてディスカッションをしてきているので、ユーザーを不快にさせるような広告が配信される心配はありません。『DELISH KITCHEN』で流れるタイアップ広告に関しては、昨年アプリ内で実施したアンケートで、91%以上のユーザーが“好意的に受け止めている”と回答しています。引き続きユーザーに受け入れられる広告を厳選することで、ネットワーク広告においても高い好感度を求めていきたいです」

 

エブリーの広告に対する細やかな思想は、事業成長にもつながっています。ファイブのアドネットワークからは、ナショナルクライアントのブランド案件も多数配信されており、そうした収益性の高いブランド案件を「DELISH KITCHEN」により多く配信するため、エブリーとファイブで掲載基準の調整や、広告枠の位置の最適化などを繰り返し行ってきました。その結果、直近の約1年半でファイブのアドネットワークを通じた広告収益は約45倍に成長し、70を超えるブランド案件の配信実績を残しています。「DELISH KITCHEN」の現在のフィルレートは100%に近く、最近ではクライアントから広告出稿に関する相談を直接受けるケースも増えているといいます。

 

「収益性を考えると、フィルレートはもちろん、CPM、インプレッション、視聴完了率などの指標も大切です。しかし、中長期でメディアの成長を考えた場合は、ナショナルクライアントをはじめ、『メディアの価値を高めてくれる広告主』が安定的に出稿してくれているかどうかも、重要な評価指標として考えています」

 

さらに、エブリーの取り組みはオンラインにとどまりません。2018年10月、大手スーパーマーケットの「ライフ」を経営する株式会社ライフコーポレーションと協業し、スーパーマーケット内に設置するデジタルサイネージを全国269店舗に導入。買い物客向けに「DELISH KITCHEN」のレシピ動画配信を行うなど、オフラインにおける取り組みも進めています。

ライフの店頭に設置されたデジタルサイネージ(写真提供:エブリー)

「将来的には、店舗に来たユーザーにおすすめのレシピをプッシュ通知したり、『DELISH KITCHEN』とスーパーの購買データとの連携を強化するなど、オンラインとオフラインを横断したさまざまな施策に注力したいと考えています。そのためにもアドネットワークを活用することで、足元の広告事業をより強化し、さまざまな事業投資につなげていきたいです」

LINEが持つユーザー規模や、データの活用に期待

広告事業の拡大を目指すエブリーの吉田氏は、LAP for Publishersについて次のような期待を寄せています。

 

「広告戦略において同じ価値観を共有できるファイブさんのノウハウが生かされる事業ということで、LAP for Publishersには多くのことを期待しています。LINEさんが保有する圧倒的なユーザー規模がアドネットワークにどう影響するかも楽しみですし、ユーザーデータの活用など、他のアドネットワークにはない強みが生きてくるのではないかと考えています」

 

一方で、新たなアドネットワークのスタートに際しても、「クリエイティブの選別だけは厳しくやっていただきたい」と、ユーザー視点に立ったこれまでの路線踏襲を要請した上で、今後の展望を語ってくれました。

「メディアの価値を高めてくれる広告主への広告営業をアドネットワークにも頼り、確実に収益を上げていくという経営方針は、これからのメディア運営にとってスタンダードになると考えています。LINEさんとの連携ができるようになることで、取り組みの幅も広がるのではないでしょうか。『GROW WITH LINE』をスローガンに掲げているLAP for Publishersと一緒に、エブリーも成長していきたいですね」

 

(取材・文:相澤良晃、写真:高橋枝里)