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江崎グリコのLINEギフト広告活用。ペアギフトによる“シェアハピ”提案で、「ポッキー」をコミュニケーションのきっかけに

江崎グリコ株式会社

ポッキー企画グループ 妹川陽香さん

2021年にスタートした、LINEの新たな広告メニュー「ペアギフト」。「LINEギフト」を通じて友だちに商品を購入して贈る(Gift1)と、自分も同じ商品が無料でもらえる(Get1)広告キャンペーンです。この新たなコミュニケーション広告を活用して、バレンタインシーズンに、江崎グリコ「ポッキーチョコレート」のキャンペーンが実施されました。

 

「ペアギフト」の特徴は、ハロウィンやクリスマスなど「一緒に楽しさを感じられる」シーズナルイベントや、日々の生活の中で感じる「一緒に楽しみたい」という気持ちを商品に添えて伝えられるところです。キャンペーンを通じて同じ商品を共有し合うことで、離れている友だちと喜びをシェアしたり、相手をより身近に感じられたりするきっかけづくりに寄与します。このキャンペーンは「LINEギフト」の専用キャンペーンページに掲出され、キャンペーンページへは、2,200万人以上の友だち数(2021年4月時点)を擁する「LINEギフト」のLINE公式アカウントから遷移が可能です。

 

ペアギフトの概要

 

同じ商品を共有するという“体験のシェア”によって、ブランドリフトをはかるこのコミュニケーション広告。今回の事例では、ユーザー間で日頃の感謝や思いを伝えるとともに、ポッキーのブランドメッセージである「Share happiness!」を広く伝える狙いがありました。

 

仕掛け人である江崎グリコ株式会社・ポッキー企画グループの妹川陽香さんに話を聞きました。

目的

・コロナ禍においても「Share happiness!」を体験してほしい

・「コミュニケーションツールとしてのポッキー」の認知を拡大したい

施策

・LINEギフトのコミュニケーション広告「ペアギフト」

効果

・用意した在庫4万セット(Gift4万個+Get4万個)が完売した

・LINEリサーチの結果から、贈る相手に思いを馳せてポッキーがギフトされたことがわかった

・コロナ禍において、遠隔の「Share happiness!」コミュニケーションを生み出せた

ペアギフトで幸せや喜びをシェアする体験を

1966年発売という長い歴史を持ち、抜群の知名度を持っているポッキー。近年では11月11日を「ポッキー&プリッツの日」に設定してキャンペーンを実施したり、「Share happiness!」のキャッチフレーズでインパクトのある訴求を行ったりしたことは、多くの人の知るところでしょう。

 

「ポッキーはShare happiness!というメッセージのもと、お客様同士の会話の単位になりたいとの思いを持ち続けています。具体的には、“ポッキー何本分(話そうかな)”というコミュニケーションメッセージを3年前から発信してきましたが、折しもコロナ禍で会って話せる機会が減っている今だからこそ、あらためてペアギフトの仕組みを通して、幸せや喜びをシェアする体験を提供できればと考えました」(妹川さん)

ポッキー企画グループ 妹川陽香さん

もともとポッキーは、手を汚すことなく片手で食べられ、分け合えるところが特徴のお菓子。ポッキーを囲む友だち間で自然と会話や一体感が生まれるので、まさしくコミュニケーションのお供にうってつけです。今回のペアギフトは、コロナ禍の世相の中でも会話のきっかけを作るべく、消費者間でのコミュニケーションニーズが高まるバレンタイン期に実施されました。

 

また、今回のプロモーションでは、ポッキーの箱を組み合わせてハートマークを作る「#ハートポッキー」のアイデアを取り入れました。離れた場所にいる相手とも、LINEのビデオ通話などで画面越しにハートを作ることで、一体感を感じてもらうための仕掛けです。

ビデオ通話での画面越しに、ポッキーの箱でハートを作れる#ハートポッキー

「ハートポッキーについてはバレンタインに限らず、卒業に際した思い出作りなど、大切な人とのつながりを楽しめる体験に昇華させたいと考えていました。今回の施策によって、コロナ禍においてポッキーが心と心をつなぐコミュニケーションツールであることを、認識・体験していただけたのではないかと思います」

 

ギフトされた商品は、全国のファミリーマートで受け取ることができる仕組みです。実際、離れていても大切な人と同じものをシェアすることができる、「半分デジタルで半分アナログにつながれる」メリットが、ペアギフト実施の決め手になったと妹川さんは語ります。

ポッキーの箱で作った「ハートポッキー」をキービジュアルに、リモートでハートを作る楽しさを訴求したクリエイティブ

幅広い層にアプローチできるLINEギフト

今年の1月19日からキャンペーンがスタートすると、4万セット(Gift4万個+Get4万個)がものの1~2日で完売。大きな反響を呼びました。

 

「単なる無料のサンプリングと違い、贈る側は商品を購入する必要がありますし、キャンペーンが始まる前はこのペアギフトでポッキーがどの程度受け入れられるのか、不安もありました。しかし、蓋を開けてみればこのスピード感にはただただ驚くばかりです」

 

ペアギフトの効果は、LINEリサーチによる詳細な分析が行われ、レポートにまとめられています(2021年2月実施/全国の15-69歳男女を対象/サンプル数3,123)。友だち同士やカップル間でのやり取りもさることながら、同居している家族の間でギフトが贈られているケースが多く見られたのは、意外な結果と言えるでしょう。

 

「また、アンケート結果をひもとけば、贈り手側のモチベーションとして『相手が喜ぶと思った』、『一緒に楽しみたかった』といった声が上位を占めているのを見て、我々が狙った通りに、贈る相手に思いを馳せながら利用してもらえたことがわかります。その反面、同居家族に対して一定数のギフトが贈られていたのは想定外ではありましたが、近年はバレンタインそのものが多様化し、必ずしも女性から男性へ贈るものとは限らなくなっています。今回の結果は、ギフトが日常の中のカジュアルコミュニケーションとして活用された証しと言えるのではないでしょうか」

「相手が喜ぶと思ったから」「一緒に楽しめると思ったから」などが上位に。ポッキーが相手を想うギフトとして活用されたこと、「ハートポッキー」の企画がギフトを贈る後押しになったことが推察される

「ハートポッキー」の認知度もキャンペーンの非参加者と比較して約4倍にリフトし、これほど国民的な知名度を持つ商品であっても、着眼点次第で様々な効果を狙えることがあらためて証明されました。

贈る相手とペアになれることの楽しさ

実際、今回のキャンペーンを終えて、妹川さんは広告ツールとしてのLINEについて、「幅広い層にアプローチできるメディアである」という印象を持ったと語ります。

 

「たとえばポッキーのLINE公式アカウントを見ても、各種SNSとは比較にならない登録数をマークしていて、これがユーザーにとって最も身近なコミュニケーションツールであることをあらためて実感させられています。我々としてもお客様との重要な接点として引き続き大切にしていきたいですし、対面形式で人と会える機会が減っている今であれば、これはなおさら大きな意味を持つのではないでしょうか」

 

今後のマーケティングにおいて、物理的な距離に関係なく人とつながれるコミュニケーション体験がいっそう重要視されることは間違いありません。その意味で「ペアギフト」のネーミングには見逃せないニュアンスが込められています。

 

「ギフトとは本来、他人に対して一方的にお贈りするものであるはずですが、ペアギフトという名称は、贈る相手とペアになれることを感じさせ、一緒に楽しめるツールであることを率直に伝えています。これは会話の単位でありたいというポッキーのコンセプトと、非常に相性がいいですよね」

 

商品の背景や世界観を伝える場合は、インスタグラムなどのSNSが効果的なケースもあるでしょう。しかし、そんなSNSに消費者を誘導する入口として、まず商品のファンになってもらうことは重要な課題です。

 

その点、ポッキーのようにすでに十分な知名度を持つ商品であっても、これが「分け合える」商品であるとあらためて世に発信することには大切な意味があったはず。新しい「Share happiness!」の形を体現した今回のキャンペーンで、ポッキーをコミュニケーションのきっかけにしたいとの狙いは、およそ理想的に実現できたのではないでしょうか。

 

否応なしに遠隔的なコミュニケーションが増えたコロナ禍。同じ体験を分かち合うことの価値が再発見されたこの時勢に、「ペアギフト」はそうしたモーメントを作り出せる広告として活用できると言えるでしょう。

 

(公開:2021年4月/取材・文:友清 哲)

 

※本記事内の数値や画像、役職などの情報はすべて取材時点のものです

※撮影時のみ一時的にマスクを外して撮影しております