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九州の「学べるホームセンター」が目指す、LINEを活用した顧客コミュニケーション

嘉穂無線ホールディングス株式会社

嘉穂無線ホールディングス株式会社
マーケティング部 デジタルマネージャー 古江 滋 氏

嘉穂無線ホールディングス株式会社が北部九州を中心に運営するホームセンター「グッデイ」は、「学べるホームセンター」として地域に根ざしたユニークな店舗経営を行っています。

 

同店はこれまで折り込みチラシを中心に情報配信を行ってきましたが、近年はデジタルマーケティングの必要性を感じ、LINE公式アカウントを導入しました。その目的や運用する中で得られた効果について、同社マーケティング部デジタルマネージャーの古江滋氏(以下、古江氏)に話を伺いました。

目的
  • ロイヤルカスタマーの獲得・育成を目指す中、折り込みチラシが中心だったマーケティング手法をデジタルで最適化したい
施策
  • 先行して5店舗でLINE公式アカウントを試験導入
  • 2019年10月からLINE公式アカウントを1つに集約し、全店舗を対象に運用を開始
効果
  • メッセージ配信を行った日は、Webページのトラフィックが倍以上に増加
  • クーポンキャンペーンを行った際には、売り上げの28%がLINE経由で、店舗のLINE公式アカウントの友だちの30%以上がレジを通過した

ワークショップ参加回数に応じてLTVが増加

グッデイ概要

嘉穂無線ホールディングス株式会社は、創業者が開業したラジオパーツ・アマチュア無線専門の小売店を起源としています。創業からおよそ60年を迎える現在は、ホームセンター「グッデイ」の運営、サイエンスキット「エレキット」の開発・販売、データ活用サービスの3つを事業の柱に据えています。

 

中でも、ホームセンター「グッデイ」はライフスタイル提案型の店舗で、家族での来店を中心に据えた店舗づくり・運営を行ってきました。近年は新たに30~40代女性を取り込むための新型店舗も展開しています。

 

「店舗運営におけるコンセプトは“学べるホームセンター”の具現化です。ホームセンター内にレーザーカッターなどのデジタル工作機器を備え、DIYワークショップを定期開催しています。地域の学童保育、子ども会、自治体等などからの依頼を受けて出張型イベントを行うこともあり、2018年度には約1万8,000回のワークショップを開催しました」

嘉穂無線ホールディングス株式会社 マーケティング部 デジタルマネージャー 古江 滋 氏

嘉穂無線ホールディングス株式会社 マーケティング部 デジタルマネージャー 古江 滋 氏

ワークショップには、“つくる”という体験を通して消費者と店舗のつながりを強める狙いがあります。

 

「ワークショップ参加者の(グッデイでの)購買傾向を分析したところ、ワークショップへの参加回数と比例してLTV(Life Time Value)が増加する傾向にあることが分かりました。 ワークショップはロイヤルカスタマーを獲得・育成するためのプログラムとしての一面もあります。」(古江氏)

LINE公式アカウントのメッセージ配信で、Webページのトラフィックが倍増

これまで、グッデイは集客やイベント告知などの方法として新聞の折り込みチラシを中心としたマーケティング活動を展開してきました。しかし、数値化が難しく効果測定が曖昧で、コストも増加してきたという課題を抱えていました。

 

「私自身、過去にダイレクトECの経験もありましたので、実店舗型の小売業でデジタルマーケティングを行うことへ伸びしろを感じていました。そんな中マーケティングのプラットフォームとして着目したのが圧倒的な国内ユーザー数を誇り、友だちになるまでのハードルが低い『LINE公式アカウント』でした」

 

同社では、2017年8月に基幹店および新店の5店舗でLINE公式アカウントを試験的に導入しました。全店共通のチラシ(PDF)配信のほか、セール情報や商品実演会、イベント告知など、店舗独自の取り組み・旬の情報もアカウントごとに配信しました。特に新規オープンで多くの来店者が見込まれる新店では、友だち登録を促す声掛けを積極的に実施し、5店舗合計で約1万6,000人の友だちを獲得したといいます。

グッデイLINE公式アカウント

「LINE公式アカウントからメッセージを配信したタイミングで、Webサイトのトラフィックも倍以上に増加しました。また、クーポンキャンペーン期間中には、売り上げの約28%をLINE公式アカウントの友だちが占めたうえ、友だちの約34%がレジを通過したという結果も出ました。情報配信による反応率の高さと、店舗集客率の高さを改めて実感しました」

対話できるLINE公式アカウント設計を意識した

グッデイでは、これまで店舗ごとに運営していた LINE公式アカウントを2019年10月から1つに集約。全店舗を対象に、ホームセンターグッデイとして本格運用を開始しました。

グッデイのアカウントを一つに集約

「デジタルマーケティングに力を入れるにあたっては、先に申し上げたWEBサイトのトラフィックなど、実証で顕著な成果を残したことが大きく後押ししてくれたと思います」

 

現在の「ホームセンターグッデイ」のLINE公式アカウントでは、エボラニ株式会社が提供するASPサービスとの連携によって、リッチメニューで店舗検索・サービス検索・商品在庫検索・チラシ閲覧・買い物リスト作成・マイクーポン・アンケートなどのメニューを表示しています。

 

「お客さまのほうから能動的に情報を取得でき、Webサイトをブラウジングするのではなく、トーク画面上でコミュニケーションが完結される対話型の機能実装を意識した」と古江氏。

anybotで実現した事

さらに今後の取り組みについて、次のように話します。

 

「例えば、セグメンテーション配信の機能を使えば、その友だちの目的に合った情報を届け、利便性を向上させることができます。不必要な情報は極力届けないように配慮すれば、ブロック率も低減できます。さらに、アンケート機能で友だちの年齢・性別などの詳細情報を収集できるようになったことで、マーケティング施策の質も向上できるはずです。今後はLINE公式アカウント上で起動するミニアプリも活用するなどしながら、地域の方と親密なコミュニケーションをとっていきたいと考えています」

 

(公開:2019年12月 /取材・文:安田博勇、写真:国松あずさ)