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「LINEで予約」の活用で予約数が3倍に増加!地域に根付く飲食店「赤から」のメディア戦略

ホリイフードサービス株式会社

ホリイフードサービス株式会社 販売促進部長 飯田将伍氏

ホリイフードサービス株式会社(以下、ホリイフードサービス)は、宮城・山形から神奈川に至る東北・関東地方の1都9県で居酒屋や焼肉、しゃぶしゃぶなど多様なジャンルの飲食店を展開しています。同社ではユーザーとのコミュニケーションや来店を促すツールとしてLINE公式アカウントを活用してきました。

 

LINE公式アカウントの活用を進める中で、2021年4月にはLINE上で予約が完結する機能「LINEで予約」を「忍家」や「赤から」など複数のブランドでトライアル導入しています。今回は「赤から」で「LINEで予約」を活用した取り組みや得られた成果について、販売促進部長の飯田将伍氏(以下、飯田氏)に話を聞きました。

目的
  • 配信したメッセージを起点に来店予約を促したい
  • LINE公式アカウント活用の成果を分析するために、メッセージ配信経由の予約数を可視化したい
施策
  • LINE公式アカウントを店舗ごとに開設し、店舗への集客やCRMとして活用
  • 一部の対象店舗で「LINEで予約」のトライアルを実施し、予約フォームを使ったメッセージ配信やリッチメニューに「LINEで予約」への導線を設置
効果
  • 「LINEで予約」によって、これまで把握できなかったLINE経由の予約数の可視化に成功
  • トライアル開始時と比較し、LINE経由の予約数が3倍まで増加
     

地方の飲食店だからこそ、地域商圏内での情報発信を重視

1983年に茨城県で創業したホリイフードサービスは、「忍家」や「赤から」をはじめ12ブランド・約90店舗を1都9県で展開しています。地域のユーザーに長らく愛される店舗をつくってきた同社は、集客やブランディングなどマーケティング全般を行う販売促進部を2017年に設立しました。

 

同部の部長を務めつつ「赤から」のFCマーケティングを担当する飯田氏は、「マーケティング戦略において重視しているのは、お客さまとの接点になるメディア戦略です」と説明します。

 

「永続的に店舗を運営していくうえで、お客さまとのつながりはとても重要です。そのつながりを維持するには、昨今の時代背景やビジネス環境を鑑みてもSNSやコミュニケーションツールの活用が欠かせません。ただ、当社の店舗はいわゆる地方都市に展開していることから、東京などの大都市圏におけるメディア戦略が通用しないことも多々あります。そのため、お客さま一人ひとりの生活圏内で情報を発信し、つながりを生み出すことを重視しています」

ホリイフードサービス株式会社 販売促進部長 飯田 将伍氏

販売促進部の立ち上げ以前は、地域のユーザーに情報を届けるために地元のローカル誌などに広告を出稿していましたが、2017年以降は成果が可視化できるデジタルマーケティングにシフトしました。そこで急務となったのが、デジタル施策によってユーザーが来店するきっかけをつくり、リピーターになってもらうための導線設計です。

 

その設計を担うツールとして、同社では2018年にLINE公式アカウントを導入しました。飯田氏は数あるツールの中からLINE公式アカウントを選んだ理由として「LINEの月間アクティブユーザー数が8,900万人(2021年9月末時点)と日本人口の70%以上をカバーし、幅広い年齢層が利用していること」「日常的に利用されるコミュニケーションアプリの特性から、ユーザーの生活の中に確実に情報を届けられること」の2点を挙げます。

※1 LINEの国内月間アクティブユーザー 8,900万人(2021年9月末時点)÷日本の総人口1億2541万人(令和3年4月1日現在(確定値) 総務省統計局)

導入に当たり、ブランドごとに業態やターゲット層が異なること、また同一ブランドでも店舗によってイベントやおすすめメニューに特徴があることから、ブランドごとにLINE公式アカウントを統一するのではなく、各店舗でLINE公式アカウントを開設しました。運用におけるKPIは、各店舗の友だち数と配信経由の予約率を設定しています。

「赤から福島笹谷店」のLINE公式アカウントから配信している「予約フォーム」(左)と「LINEで予約」への導線を設置したリッチメニュー

なお、LINE公式アカウントの運用は社内で勉強会を設け、研修を受けて初めて店舗アカウントからメッセージ配信などの運用ができるという体制を整えました。

 

「勉強会の内容は、配信時間の考え方からユーザーが読みたくなるようなテキストの書き方、業態やターゲット層に合わせた表現の方法まで多岐にわたります。実際に来店したくなるようなメッセージを全社的に研究し、その後の予約率や来店成果などを分析してPDCAを回しています」

LINE経由の正確な予約数の把握に向け、「LINEで予約」をトライアル導入

「赤から」のLINE公式アカウントでは、メッセージ配信を行う際に予約用のランディングページ(LP)への遷移を促していました。しかし、LINEから外部のLPに遷移させるため、実際にLINE経由でどれだけの人が予約・来店したのか可視化できないという課題を抱えていました。

 

この課題を解決したのが、LINE上で店舗の予約が完結する機能「LINEで予約」です。「LINEで予約」は、店舗のLINE公式アカウントやLINEが持つ店舗情報ページから直接予約が行える機能で、メッセージ配信経由の正確な予約数を計測することができます。

 

「SNSはUGC(ユーザー生成コンテンツ)の側面が強く、拡散やシェアを生み出すには適していますが、LINE公式アカウントはCRM(顧客関係管理)としても利用できる点が強みだと考えています。さらに『LINEで予約』によってお客さまと継続して接点を持ちながら、実際にどれだけ予約数に貢献できているかを可視化できるようになれば、飲食店にとっては大きな意味があると感じました」

 

「LINEで予約」は2021年4~5月の期間でトライアルとして実施し、対象となる「赤から」店舗のLINE公式アカウントでは、メッセージ配信やリッチメニューを活用してユーザーに利用を促しました。

 

「メッセージで訴求を行う際は予約フォームと一緒にクーポンを配信しています。たとえば『ドリンクの一杯無料』や『他クーポンとの併用可』などの特典をつけることで、メッセージを受け取ったユーザーが予約するきっかけになればと考えています」

「LINEで予約」の利用を促すメッセージやリッチメニュー

「LINEで予約」の導入によって、予約数もユーザーの利便性も向上

配信するクーポンの内容をはじめ、メッセージを配信する曜日や時間帯まで細かい検証を重ねた結果、「赤から」対象店舗におけるLINE経由の予約数はトライアル開始時と比べ、3倍に増加しました。社内からも「施策ごとのコンバージョンが可視化でき、分析しやすくなった」と好評を博しています。

 

「実は、『LINEで予約』のトライアル開始時は、新型コロナウイルスの影響で飲食店に時短要請などの制限が設けられていました。それでも体感として、トライアル前と比較して予約数は明らかに増加しました。店頭でお客さまと接していてもLINE上で予約ができるという認識を持っている方が増えてきていることから、着実に『LINEで予約』の認知も高まっていると思います」

 

トライアルを経て、2021年8月からは本社でLINE公式アカウントの運用をしている「赤から」全店で「LINEで予約」の導入を開始しました。

 

「最終的にはブランドのロイヤルカスタマーを育成することが、マーケティング活動としての一つのゴールだと考えています。『LINEで予約』をはじめ、LINE公式アカウントを活用することでお客さまとの継続的なコミュニケーションやCRMなど、ほかのSNSではできないことをLINE公式アカウントで行い、ブランドのファンを育成していきます」

 

また、今後のLINE活用の展望についても次のように述べます。

 

「LINEはいまや日本の社会インフラとなりつつあり、さまざまな生活商圏での活用が期待されています。当社としても、LINE公式アカウント上で提供できるWebアプリケーション『LINEミニアプリ』などの機能も今後は活用しながら、しっかりと地域のお客さまとつながっていきたいと考えています。LINEの活用を通じて、さらによい顧客体験を提供していきたいです」

 

 

(公開:2021年11月、取材・文:岩崎史絵)

 

※本記事内の数値や画像、役職などの情報はすべて取材時点のものです