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CPFを活用したファン獲得施策。ガソリンスタンドを地域に欠かせないコミュニティーへ

株式会社新出光

株式会社新出光 リテール販売部 リテール企画課 課長 早田 周平氏
株式会社新出光 リテール販売部 リテール企画課 名嶋 利紗氏
株式会社新出光 リテール販売部 リテール企画課 國分 吾樹氏

株式会社新出光(以下、新出光)は、1926(大正15)年3月に福岡県で創業し、2019年3月に93周年を迎えた老舗石油商社です。まもなく創業100周年を迎える同社は現在、「IDEX(イデックス)」として九州エリアを中心にサービスステーション(ガソリンスタンド)を展開しています。

 

2018年4月からLINE公式アカウントを開設し、2019年に同アカウントの友だちを増やすためにLINE Ads PlatformのCPF配信を利用した同社担当に、LINE活用の背景や狙いについて話を伺いました。

目的
  • ユーザーとつながるOne to Oneのコミュニケーションを実現することで、来店者数を増やしたい
  • ロイヤルカスタマーを増やしたい
  • 若年層を含めた幅広い世代へ訴求したい
施策
  • 公式アカウントを開設し、自社で保有している会員情報との連携を強化
  • 年、2回にわたってLINE Ads PlatformのCPF配信を実施。友だち追加し、応募すると野球観戦や花火大会のチケットが当選するキャンペーンを実施
効果
  • 会員情報連携をした友だちが1万5千人、友だち総数が2万人超え
  • 活用により、通常時よりも約10倍の友だち獲得数を記録した

課題は「若年層」への訴求

株式会社新出光は、「イデックス」のブランドで九州エリアを中心にサービスステーションを展開しています。その数は直営店・特約店を合わせて全国約330カ所に及び、給油のみならず車販売・車検・整備などにも対応。サービスステーション併設型のコンセプトショップは、老若男女問わずに好評を得ています。そんなサービスステーションの顧客サービス向上をミッションとしている同社リテール販売部リテール企画課では、昨今の若者の車離れや燃料油の需要低下に危機感を抱いていました。

株式会社新出光 リテール販売部 リテール企画課 課長 早田 周平氏

「特に若い世代で、自動車を持たない方が増えてきています。また、メーカーでも自動車の燃費を年々向上させていることが来店者数の減少に直結し、業界的にもダメージを受けています。事実、ガソリンスタンドの数は全国的に減少傾向にあり、我々としてはこれに対応したサービスや収益体制を構築しなければなりません。お客さまとつながるOne to Oneのコミュニケーションを具現化する施策が常に求められていたのです」(早田氏)

 

同社がその施策の1つとして取り組んだのが、2018年4月に開設したLINE公式アカウント「イデックス」でした。特に注力したのが、「イデックスのクラブカード会員」「過去にイデックスで車検を受けた人・イデックスで車両を購入した人」などの会員情報とLINE公式アカウントとの連携強化です。

 

「イデックスクラブカードは、Oki Dokiポイントというポイントが貯まる『イデックスクラブポイントカード』と、燃料代が安くなる『イデックスクラブカード』に分類されており、これらが当社におけるハウスカードの2枚看板です。また、直営店舗で車検対応、新車・中古車販売も行っており、それらのお客さまとLINE公式アカウント内でコミュニケーションを取ることで、ファン化を促進させたいという狙いがありました」(國分氏)

株式会社新出光  國分 吾樹氏

株式会社新出光 リテール販売部 リテール企画課 國分 吾樹氏

二軸の戦略によって友だち獲得数は2万人超に

LINEのアカウントと会員情報を連携させた友だちは、「イデ友」としてキャンペーン情報、クーポン配信などのサービス提供が受けられるようになります。LINE公式アカウント開設当初は、対象となる直営店舗ごとに「イデ友」の獲得目標を設定し、各店でポスターを貼り、会員一人ひとりに連携のメリットを訴求した案内をすることによって友だちを獲得していきました。

 

「『10リットル給油券』が当たるクイズキャンペーンなどを展開し、純粋に友だち獲得数を増やす試みも並行して開始しました。本部(リテール企画課)は全体の友だち獲得数を増やし、現場(店舗)はイデ友獲得数を増やすことに注力する。両軸の戦略により、LINE公式アカウントの友だち数は現在、2万人を超えるまでになりました」(早田氏)

 

LINE公式アカウント運用の舵を切ってきたリテール企画課・名嶋氏は、この戦略について以下のように語ります。

株式会社新出光 名嶋 利紗氏

株式会社新出光 リテール販売部 リテール企画課 名嶋 利紗氏

「LINE公式アカウントを通じ、友だちやイデ友を増やすことも重要ですが、それと同時に我々が意識しているのは、イデックスのサービスステーションに1人でも多く来店していただくことでした。クラブカード会員やイデ友は50代が中心で、年齢層がやや高い傾向にあります。会員情報を連携している友だちも必然的にそれと同様ですが、LINE公式アカウントを通じてさらに若い世代、女性の方にご来店していただく店舗にしたかったのです」(名嶋氏)

CPFにより友だち追加が通常時の“10倍”に

本部の戦略をさらに後押ししたのが、2018年2月にリリースされたCPF(Cost Per Friends)配信です。リテール企画課では、2019年の6月と7月に1回ずつ、それぞれ1週間の期間でLINE Ads Platform(LAP)を通じてLINE公式アカウントの友だちを獲得する広告商品「CPF配信」を行いました。

 

「1回目は、給油もしくは商品購入時のレシートを撮影した画像をLINE公式アカウント内で添付・送付すると、福岡ソフトバンクホークス主催試合の観戦チケットやレプリカユニフォームが抽選で当たるキャンペーンを行いました。さらに、イデ友の登録で『みずほプレミアムシート』が当たる特典も付与しました。2回目は、開催を控えていた『かごしま錦江湾サマーナイト花火大会』の有料観覧席チケットが当たる鹿児島エリア限定のキャンペーンを実施し、1回目と同様にイデ友登録で『当選確率が2倍になる』という特典を付けました」(名嶋氏)

IDEXのクリエイティブ例1 (IDEX / Softbank HAWKS)
IDEXのクリエイティブ例2(IDEX / かごしま錦江湾サマーナイト花火大会)

結果、CPFの実施により、通常時期と比べて約10倍もの友だち追加数を記録しました。

 

「ここで得た友だちが実際の来店行動につながるかどうか、今後の計測・検証が課題ですが、10倍という数値には驚いています。例えば、ソフトバンク観戦チケットはサービスステーションで直接お引き渡ししたのですが、実際に当選者はサービスステーションのスタッフと初めてコンタクトを取ったお客様もいらっしゃいました。現場でも新規顧客の拡大に喜んでいますし、本部としてもこれだけの友だち数を記録できたことに満足しています」(名嶋氏)

 

最後に早田氏は次のように話します。

 

「これまで来店者促進の施策といえば、チラシ配布のようなアナログな手法に頼らざるを得ませんでした。LINE公式アカウントにしてもCPFにしても、本当に来店者促進につながるのか不安な面がありましたが、成果を見て確かな手応えを感じています。

 

車利用者にとってガソリンスタンドは、正直『できれば行きたくない場所』なんだと思います。そんなマイナス要因から始まる顧客との接点を、いかにプラスに転換していくか。今後はガソリンスタンドを楽しみが提供できる場所、お客様一人ひとりに合った情報やサービスを提供できる場所——そんななくてはならない地域のコミュニティーになるべきときが来ているのかもしれません。その意味でも、LINEを用いた数々の取り組みは功を奏した施策だったと感じています」(早田氏)

 

(取材・文:安田博勇、写真:bonten)