開封率30%!LINE公式アカウントのクーポンを使ったカラオケ店の集客術
株式会社鉄人化計画
関東地方に数十店舗を展開する「カラオケの鉄人」は、独自の集中管理システムで全ルームに50万曲以上を提供し、人気を集めています。今回は、カラオケの鉄人を運営する株式会社鉄人化計画の担当者に、LINE公式アカウント(旧LINE@)を開設した狙いや、同アカウント上で配信するクーポンの活用方法について話を伺いました。
ポイント
――LINE公式アカウント導入までの経緯を教えてください
当社には鎧のキャラクターがいるので、最初は企業スタンプに興味がありました。結局、予算が見合わず実現しなかったのですが、その後、LINE公式アカウントの存在を知り、うまく運用すれば集客や売上をアップできると考え、導入を検討し始めました。2013年の秋頃に全店に導入し、それ以降は試行錯誤をしながら運用してきました。現在は、平日の昼間などお客さまが少なくなる時間帯を埋めるためにLINE公式アカウントを活用しています。
――LINE公式アカウントの運用体制について教えてください
基本的には、本社と店舗で役割を分担しながら運用をしています。本社では、全店舗対象のクーポン配信をしたり、現場の声を集約して配信内容を決めたり、リッチメッセージで使うビジュアルを作成したりしています。LINE公式アカウントに詳しい本社のスタッフが、LINE公式アカウントの使い方や価値について各店舗に教えるバックアップ体制も整っています。
店舗側には裁量が与えられているため、店舗独自のクーポンや情報がそれぞれのアカウント上で配信されています。LINE公式アカウントをうまく運用できている店舗には、あえて本社からの一括配信はせず、その運用を任せているケースもあります。

ユーザーアンケートで選ばれたクーポンの開封率は30%
――これまで行った施策で、反応が良かったものを教えてください
ある店舗の独自施策で、お客さまに「欲しい」と思うクーポンを選んでいただくアンケートを配信したことがあります。通常のクーポン開封率は約10%でしたが、このアンケートで選ばれたクーポンの開封率は約30%あり、使用率も高かったです。お客さま自身に選んでいただいたクーポンだったため、反応が良かったのだと思います。
また、天気が良くない日には、24時間限定で「室料3時間」+「ソフトドリンク飲み放題」が500円になるゲリラクーポンを配信しました。その時は、クーポンの利用開始時間の前から並ぶお客さまもいらっしゃったほどです。今では店舗スタッフが翌日の天気予報を見て、「明日はゲリラクーポンが出るかもしれない」と自発的に準備をしているようです。
LINE公式アカウントの友だちには特別感を
――友だち集めはどのようにされていますか?
友だち追加していただいた際のメリットをきちんと準備して告知しています。例えば、LINE公式アカウントの友だちには、年会費330円の会員カードを無料発行したり、定期的にキャンペーンを行ったりしています。通常のキャンペーンで室料30分無料のものが、LINE公式アカウントの友だちであれば1時間無料になったり、割引率が30%OFFから50%OFFになったりと、友だちになっていただいた方がよりお得にご利用いただけるようになっています。
クーポンには印象に残る言葉を書く
――運用面で工夫していることや気をつけていることを教えてください
クーポンには印象に残りやすい言葉を書くように心がけています。例えば、タイトル部分に「室料半額」や「室料500円」などと訴求し、お客さまに一目でクーポンの内容を理解してもらうことが大切です。また、配信する側の人物像を設定してメッセージを配信しています。テキストをただ送るだけでなく、キャラクターがお客さまに語りかけるような文章にすると、読んでもらいやすくなると思います。

――今後、LINE公式アカウントをどのように活用していきたいですか?
今後もLINE公式アカウントに加わる新しい機能は積極的に使っていきたいです。新しい機能を利用することで、お客さまからの見え方が変わり、その効果も違ってくると思います。
また、別会社とのコラボ企画として、株式会社富士達が運営する焼肉店「安安」が当社の店舗と近くにあることが多いため、お互いの店舗で利用できるクーポンを双方のアカウントから配信するなどしました。その取り組みでは、合計24万人の友だち(実施当時)にアプローチできました。

――これからLINE公式アカウントをはじめる方へアドバイスをお願いします
自分たちも正解があってやってきたわけではないのですが、トライ&エラーを繰り返しながら、可能性を探り、先入観なく利用していけば、とても役立つツールになるはずです。友だち集めが肝となるため、まずは恥ずかしがらずに、お客さまにLINE公式アカウントの友だちになってもらえるよう声がけをしていくのが大切です。
当社のように、数十店舗アカウントがある場合は、各店舗の担当者にLINE公式アカウントの魅力や、使い方を伝えることのできるキーパーソンが必要だと思います。また、店舗へ裁量を与えるだけでなく、本部からのバックアップも必要です。あとは、キャラクターを設定して語りかけるようなメッセージを配信することができれば、お客さまもファンになってくれるはずです。
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