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キャンペーン当選者の多くが来店!LINEでオンラインとオフラインをつなぐローソンの店頭販促

株式会社ローソン

(右)株式会社ローソン プロモーション部 石橋達朗氏
(中) LINE株式会社 インストアセールスプロモーション室 室長 江田達哉
(左) LINE株式会社SP事業企画室 渡邉祐貴

株式会社ローソン(以下、ローソン)は、全国に約15,000店舗をかまえる大手コンビニチェーンです。LINE公式アカウントをリリース当初から活用するローソンでは近年、オンラインとオフラインを融合させたマーケティングへとLINEの活用の幅を広げています。

 

そこで今回は、販促領域におけるLINEを活用した施策の目的や効果につき、同社 プロモーション本部 プロモーション部 シニアマネジャー 白井明子氏(以下、白井氏)と同プロモーション部 石橋達朗氏(以下、石橋氏)、施策を担当したLINE株式会社 インストアセールスプロモーション室 室長 江田達哉、SP事業企画室 渡邉祐貴に話を聞きました。

目的
  • 店舗への来店を促進したい
  • 店舗クルー(従業員)の業務に負荷をかけない形で店頭キャンペーンを実施したい
施策
  • 「LINEサンプリング」により、アイスカフェラテが抽選で当たるキャンペーンを実施
  • 「LINE Beacon」を活用し、来店客へリアルタイムな情報発信が可能な「LINEチェックイン」でプレゼントキャンペーンを実施
  • 「LINEウォレット」で商品の値引きを受けられるキャンペーンの実証実験を福岡市内のローソン全店舗で実施
効果
  • 商品引換の来店者による「ついで買い」で売上向上など需要喚起にも貢献(LINEサンプリング)
  • LINE公式アカウントのブロック率が大幅に改善(LINEチェックイン)
  • 店舗クルーの業務に負荷をかけない形での店頭キャンペーンを実現。「LINEウォレット」の実証実験も大きなトラブルなく完了し、今後の可能性を感じられる結果に

LINE活用で目指すのは「来店促進」と「店舗の省力化」

ローソンは約2,700万人の友だち数を擁するLINE公式アカウントを運営するほか、LINEサンプリング、LINEチェックイン、福岡におけるLINEウォレットの実証実験など、LINEを活用した店頭販促施策に取り組んでいます。ローソンが店頭販促施策にLINEを積極的に活用することの狙いについて、石橋氏は以下のように説明します。

 

「LINEは国内で8,000万人以上が利用しており、そのうち毎日使っているユーザーの割合が86%と、国内最大級のリーチメディアであり、コミュニケーションプラットフォームです。さらに、友人だけでなく家族間でのグループがあるなど、ほかのSNSと比較しよりリアルな人間関係をベースにしており、それにより反応率が高いこともLINEの強みであると感じています。ユーザーの反応率が高く、マスへのリーチが可能なLINEを活用することで、店舗への来店促進をより強化できると考えました」(石橋氏)

 

また、白井氏は、以下のように付け加えます。

 

「ローソンでは、店舗のオペレーションの省力化を大きなテーマとして掲げています。そのため、店頭施策を実施する上では、店舗クルーの対応の工数を最小限に抑えることを重視しています。LINEを活用した販促施策では、全てがLINEというプラットフォーム上で完結するため、店舗において新たに発生するオペレーションが少ないことも魅力です」(白井氏)

「マチカフェ」プレゼントキャンペーン

2018年8月、ローソンはLINEサンプリングで「マチカフェ」のアイスカフェラテ120万杯を抽選でプレゼントするキャンペーンを実施しました。商品の魅力に加え、120万杯という当選規模がユーザーの関心をつかみ、過去に実施されたLINEサンプリングのキャンペーンの中で、最多応募件数を記録*しました。

  • 2019年4月時点

このキャンペーンの実施にかかる目的、内容、結果などについて、石橋氏は次のように話してくれました。

 

「集客力アップが実施の目的です。結果的に多くの当選者の方にご来店いただきました。LINEのタイムラインでのシェアによって広く拡散したことにより、普段ローソンに足を運ばないお客様にもリーチできた結果だと考えています。また、来店した顧客の購買データを分析してみると、カフェラテを引き換えるタイミングで『ついで買い』も数多く発生しており、売り上げにも貢献する施策であることがわかりました」(石橋氏)

キャンペーン当選者の多くが来店!LINEでオンラインとオフラインをつなぐローソンの店頭販促

ローソンは自社商品でサンプリングを実施するだけでなく、流通企業としてメーカーが実施するサンプリングキャンペーンの受け取り先となることもあります。

 

「メーカーが実施するサンプリングキャンペーンの受け取り先となることは、普段ほかのコンビニを使うお客様にローソンに来店いただく機会になりますし、『ついで買い』の効果もあるので、非常にメリットを感じています。実際、近年のサンプリングキャンペーンはメーカー独自で行うものから、流通で引き換えられる形にシフトしてきています。ローソンでもその流れを受けて、これまではお客様ご自身がロッピー*を操作して引換券を発券しないといけなかったところを、LINEサンプリングではスマホの画面をレジで見せるだけで引き換えられる仕組みに変えました。現在、お客様により便利にキャンペーンに参加いただけるように受け入れ体制を整えています」(白井氏)

  • ロッピー:ローソンで設置されているマルチメディアキオスク端末

「LINE Beacon」を活用し、タイムリーなリーチが可能になった

2019年2月には「LINEチェックイン」を活用したキャンペーンを実施。これは、事前にお客様がご利用されているスマートフォンを設定のうえ、ローソン店内でLINEを開くと、店内に設置した「LINE Beacon」により、ローソンのLINE公式アカウントからキャンペーン参加のためのメッセージが届くというものです。ユーザーは、ローソンに来店し、LINEを開くことでお得なキャンペーンに参加でき、その場で景品を受け取ることが可能になりました。

キャンペーン当選者の多くが来店!LINEでオンラインとオフラインをつなぐローソンの店頭販促

ローソンの白井氏は、LINEチェックインを実施するためにLINE Beaconを全国約13,400店舗に導入した理由について、「お客様の来店時、タイムリーに告知できるデジタル販促の仕組みの導入を検討していた時に『LINEチェックイン』の提案を受け、LINEのユーザー規模の大きさに魅力を感じて採用を決めた」と言います。

 

続いて石橋氏は、「LINEチェックイン」を活用した施策の第1弾として実施した「ブラックサンダー」のプレゼントキャンペーンの結果について説明します。

 

「お客様が来店したタイミングでアプローチできる効果は大きく、第1弾の『ブラックサンダー』が当選するキャンペーンでは、非常に多くのお客様に参加いただきました。友だち追加数も約20万人と、お客様にキャンペーンのメリットを感じていただけたことが、友だち数の増加にも表れたと感じています。また、副次的な効果として、LINE Beaconへの接触を機に、多くのユーザーにLINE公式アカウントのブロックを解除していただいたことで、ブロック率が大幅に改善しました。

一方で、お客様よりスマートフォンの設定をちゃんとしたのに参加できない等といったお声をいただいています。そういったお客様を可能な限り無くすべく、逐次キャンペーンページ上での案内やビーコン設定等を見直していきます」(石橋氏)

 

LINEチェックインのキャンペーン設計について、江田は「お客様に邪魔と感じられないように配慮した」と述べます。

 

「お客様が店内に入ったことをビーコンでキャッチし、LINE宛にプッシュメッセージを送るというのは、お客様にとっては“強い”メッセージです。一方的な営業メッセージが届くと、お客様の心象を害しかねません。そのため、『その場で使えるクーポンを提供する』という、お客様にとってのメリットをきちんと訴求できるように設計しました」(江田)

LINE株式会社 インストアセールスプロモーション室 室長 江田達哉

一方、渡邉も「LINEチェックインをきっかけに友だちになったユーザーは、実際に来店しているという点で、今後も習慣的に来店していただける可能性が高いユーザーではないかと考える」と述べた上で、今後の展望を次のように述べます。

LINE株式会社 SP事業企画室 渡邉祐貴

「さらに参加者数を伸ばすために取り組みたいことが2つあります。1つは、初めて参加してもらう際のハードルを下げるため、店頭でLINEを開くことで得られるメリットや、ワクワクする体験を想起させるブランディングに取り組むことです。もう1つは、1回参加して終わりではなく、『楽しい』『簡単』『お得』というような体験を提供できるよう、ユーザーごとにキャンペーンや景品コンテンツなどを最適化していくことです。『LINEチェックインは来店するたびにお得な情報が届く』という認識をユーザーが持ってくれれば、アカウントがブロックされることはなく、友だちとなってくれたユーザーとより長期的な関係を築くことができると考えています」(渡邉)

 

ローソンの石橋氏も、今後の展望として2つのポイントを挙げてくれました。

 

「いまは来店いただいたお客様全員に同じメッセージを配信しているのですが、お客様に合わせて出し分けたり、曜日や時間帯別でメッセージを最適化したりすることを考えています。お客様ごとに異なる来店動機に沿った形で、さらなる来店促進に取り組みたいと思います」(石橋氏)

 

江田はさらにその先に、LINEチェックインを広告枠としてメーカーに提供するビジョンがあると語ります。

 

「店頭でLINEを開いて『LINEチェックインをする』ということが習慣化されれば、LINEは店頭における新たな広告面となります。LINEチェックインで来店時に届くメッセージは、いわば、『差し替え不要な店頭POP』です。購買の直前に目に触れる強力な広告面として、メーカー様に提供していくことを見据え、現在ローソン様と準備を進めています」(江田)

福岡市内では「LINEウォレット」の実証実験も実施

さらに、2019年1月には実証実験として、「LINEウォレット」を活用した新たな店頭販促キャンペーンを福岡市内のローソン全店舗で実施しました。ユーザーがLINE公式アカウントや「LINE Beacon」によりローソン店頭で告知されるキャンペーン画面からキャンペーンにエントリーし、エントリー後に対象商品と「LINEウォレット」のマイカードを提示することで、商品の値引きが受けられるというものです。

キャンペーン当選者の多くが来店!LINEでオンラインとオフラインをつなぐローソンの店頭販促

今回の実証実験を踏まえて、今後の可能性について石橋氏はこのように述べます。

 

「今回の実証実験は、店舗クルーのオペレーションの改善や競合との競争激化といった課題に対し、LINEとローソンで展開可能なデジタル施策として実施したものです。検証では数値的な指標を見るより、店舗オペレーションに不具合等がないかを注視しました。福岡市内の約200店舗で実施した結果、何らトラブルなくスムーズに実施できたため、今後の展開に可能性を感じています。

 

従来の小売店舗における販促キャンペーンは、シリアルコードやレシートを活用した応募や、自社アプリのダウンロードを前提としていたため、店舗クルーが説明のための対応に追われることが多々発生していました。一方、LINEで実施する販促キャンペーンは、既に大半のお客様のスマートフォンに入っているLINEアプリで認知獲得からキャンペーン応募、賞品や特典の受け取りまで完結できるため、店舗オペレーションの省力化という点でもメリットが大きいと感じています」(石橋氏)

 

最後に、今後LINEとともに取り組んでいきたいことやLINEに期待することについて、次のように総括してくれました。

 

「LINEのサービスは、コミュニケーション領域はもちろんのこと、『LINE Beacon』や『LINE Pay』など多岐の領域にわたります。たとえば、LINE Beaconで捕捉したお客様へLINE Payで決済することのメリットを訴求することで、統合された購入体験を提供できるようになれば、キャンペーン施策と売上の関係性がさらに可視化され、顧客理解をさらに深めることが可能になります。LINEの多岐に渡るサービス間の連携が今後ますます強化されていくことで、ローソンの店頭においても、より豊かなお客様体験を提供できるようになると期待しています」(石橋氏)

(取材・文:阿部欽一、写真:小川孝行)