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「ステップ配信」でCPC6割改善・運用工数1/4にまで削減!LIFULL HOME'Sが気づいたメッセージ配信の最適なタイミングとは

株式会社LIFULL

株式会社LIFULL LIFULL HOME'S事業本部 プロダクトプランニング1部 カスタマーリレーションシップユニット リテンショングループ 平井理代氏(写真左)
株式会社LIFULL LIFULL HOME'S事業本部 プロダクトプランニング1部 カスタマーリレーションシップユニット リテンショングループ 秋月千尋氏(写真右)

株式会社LIFULLが運営する不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME'S(ライフルホームズ)」は、一人ひとりのニーズに合った住み替え提案を目指し、LINE公式アカウントを活用したユーザーとのOne to Oneコミュニケーションを設計してきました。


さらに、LINE公式アカウントのメッセージを自動配信できる「ステップ配信」機能を活用したことで、工数・作業負荷を削減しました。ユーザーとのコミュニケーションに適したメッセージの配信タイミングについても、新たな考察が得られたといいます。


施策の狙いや成果について、LIFULL HOME'Sのマーケティングを担う株式会社LIFULLの平井理代氏(以下、平井氏)と秋月千尋氏(以下、秋月氏)に話を聞きました。

目的
  • LINE公式アカウントを軸に、ユーザーに寄り添うOne to Oneコミュニケーションを実現したい
  • ユーザーの住み替え状況を踏まえ、適切なタイミングで情報を届け、次のアクションを促したい
施策
  • これまで手動で設定していたメッセージ配信の一部を、自動配信機能「ステップ配信」に置き換えて配信
  • メッセージ配信のタイミングを検証するために「ステップ配信」を活用し、ユーザーにとっての適切なタイミングを模索
効果
  • ステップ配信を活用してのCPC(クリック単価)が、手動配信に比べて6割ほど改善
  • 手動配信では週1回(月4回)配信設定するための運用工数がかかっていたが、ステップ配信で工数・作業時間を4分の1に削減
  • ユーザーのクリック率が上がりやすい、メッセージ配信の最適なタイミングが判明

ユーザーサポートの実現にLINE公式アカウントを活用

「スムーズな住まい探しならLIFULL HOME'S」をコンセプトに、ユーザーの住まい探しをサポートする「LIFULL HOME’S」は、すまいに関わるあらゆる情報を網羅した不動産・住宅情報サイトです。

 

LIFULL HOME’Sが目指しているのは、一人ひとりのユーザー体験に寄り添った、満足度の高い住み替えのサポートです。この世界観を実現すべく、同社では二つのポイントに注力しているといいます。

 

「一つは、『物件を探して終わり』ではなく、新生活が始まるまでを住み替えと捉え、情報収集の初期から住み替え完了までをトータルでサポートすること。そしてもう一つは、お客さま一人ひとりの理想の暮らしや住み替えまでのステップに寄り添って伴走するため、One to Oneコミュニケーションを実現することです」(秋月氏)

株式会社LIFULL LIFULL HOME'S事業本部 カスタマーリレーションシップユニット リテンショングループ 秋月千尋氏

LIFULL HOME'SがユーザーとのOne to Oneコミュニケーションと関係構築を目的としたリテンション・マーケティングの手段として、2019年1月から活用しているのがLINE公式アカウントです。

 

「お客さまの状況を考慮せずに一方的なメッセージを送ってしまうと、たとえば、すでに物件の内見を終えて契約間近の方に、新しい物件のお知らせが届いてしまうこともあります。だからこそ、一人ひとりが今どのような状況か、お客さまが得たい情報は何かを考慮したコミュニケーション設計が必要なのです」(秋月氏)

 

LIFULL HOME'Sではユーザーの状況を把握するため、LINE公式アカウントにアンケートを実装したり、リッチメニュー上でユーザーのニーズに合わせた情報を提供するための仕組みを構築してきました。

ユーザーへのアンケートを実施するほか、リッチメニューに設置されたボタンで「住み替えの現在地」を選択すると、状況やニーズに沿った情報を得られる仕組みを構築

月4回のメッセージ配信を「ステップ配信」で自動化し、配信タイミングを検証

LIFULL HOME'Sでは「LINE通知メッセージ(※)」を活用して、ユーザーがLIFULL HOME'Sの賃貸掲載物件へ問い合わせた際の問い合わせ完了メッセージを、LINE公式アカウントから配信しています。問い合わせをしたユーザーはLINE公式アカウントに自然に流入し、その後の状況に沿った情報を得られる仕組みです。

 

その仕組みの一つとして、同社では友だち追加したユーザーに対して、住まい探しのお役立ち記事や住み替えの参考になる情報を、月に4回ほどメッセージで配信してきました。

 

「これまでメッセージを配信する際は一つずつ内容を設定し、社内でダブルチェックをするなどの工数や手間がかかっていました。また、従来のメッセージ配信ではLINE公式アカウントを友だち追加した日によって、メッセージが届くタイミングが異なります。たとえば、あるユーザーには友だち追加をした翌日にメッセージが届いても、別のユーザーにとっては友だち追加をしてから1週間後にあたるなど、ユーザーごとにばらつきが出てしまうことも気になっていました」(平井氏)

 

※「LINE通知メッセージ」はLINE株式会社が提供する、企業からの利便性の高い通知を企業のLINE公式アカウントから受け取ることができる機能です。本機能の利用に同意することで、個別のアカウントを友だち追加することなく、簡単に通知メッセージを受け取ることが可能になります。対象はLINE株式会社がユーザーにとって有用かつ適切であると判断したものに限定され、広告目的のものは配信されません。
※「LINE通知メッセージ」に関して詳しく確認したい場合は、こちらをご参照ください。
※「LINE通知メッセージ」の受信設定を確認・変更したい場合は、こちらをご参照ください。

株式会社LIFULL LIFULL HOME'S事業本部 カスタマーリレーションシップユニット リテンショングループ 平井理代氏

そこで、メッセージを受け取るタイミングの差をなくし、一人ひとりに最適なタイミングを狙ってメッセージを配信すること、さらに運用のコストや負荷の削減を目的に「ステップ配信」を活用しました。

「ステップ配信」のイメージ

「ステップ配信」とは、友だち追加したユーザーに対して、あらかじめ用意しておいた内容・タイミング・期間でメッセージを自動配信できる機能です。配信先の設定や内容を都度設定する必要がないため、運用負荷の削減に期待できます。

 

LIFULL HOME'Sではまず、工数がかかっていた従来のメッセージ配信を「ステップ配信」に置き換えました。さらに、「ステップ配信」の設計の中で配信スケジュールを2つのパターンに分け、「友だち追加したあと、何日後に情報を届けるとクリック率が上がるのか」を検証したといいます。

 

「Aパターンは、友だち追加してから1日後に初回のメッセージを送りました。一方のBパターンは、友だち追加後から7日後に初回メッセージを配信するという検証です。開始条件・配信内容・配信時間帯などはどれも同じ条件とし、どちらが適切なタイミングか探りました」(平井氏)

CPCは6割改善。最適なタイミングでのコミュニケーションの実現へ

検証開始時は「友だち追加した翌日、熱量の高いタイミングの方がクリック率は高くなるのでは」と仮説を抱いていたと平井氏は振り返ります。しかし、結果は異なりました。

 

「友だち追加から1週間後に初回メッセージを送ったBパターンの方が、クリック率が高いという結果が出ました。ブロック率に関しては、さほど差が出ていません。これは意外な結果で、私たちも驚きました。その要因として考えているのは、ユーザーが他社と同時進行で情報収集を行うため、LIFULL HOME'SのLINE公式アカウントを友だち追加した直後は多くの情報がユーザーに届いて見られにくくなっているということです」(平井氏)

「ステップ配信」を活用してユーザーに最適なタイミングで情報を配信

ステップ配信を活用したことによる効果を、平井氏は2点挙げます。

 

一つ目は、運用における費用対効果です。手動でメッセージを配信していた頃よりも運用コストや負担が削減でき、最適なタイミングを狙えることでCPCが6割ほど改善されたといいます。

 

「これまでは配信1回あたりの作業に2時間程度を要し、月に4回メッセージを送ると計8時間ほどの作業量となっていました。それが『ステップ配信』を活用すれば、一度の設定で完結します。設定自体は2時間ほどで行うことができ、工数・作業時間ともに負荷を4分の1程度まで削減することができました」(平井氏)

 

二つ目は、「ステップ配信」による検証で、配信タイミングによるクリック率の傾向が明らかになったことです。今後も「ステップ配信」とメッセージのセグメント配信を組み合わせながら、適切なタイミングと内容を検証し、最適なコミュニケーションを設計していきたいといいます。

 

「LINE公式アカウントの強みは、顧客のニーズや望まれている情報を直接知ることができるという点にあると思います。今後も効果検証を重ねて、より最適な配信タイミングやユーザーに寄り添った内容をお届けしていきたいと思います。自社で取得した情報と、LINEで取得した情報を掛け合わせていければ、よりユーザーファーストな体験を提供できるのではと期待しています」(秋月氏)

(公開:2021年12月/取材・文:塚田智恵美、写真:小田光二)

 

※本記事内の数値や画像、役職などの情報はすべて取材時点のものです