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LINEミニアプリ

デジタル会員証の導入後、売上が120%伸長!LINEミニアプリを使った大衆食堂の「行きつけ」戦略

合同会社Oz(まいどおおきに食堂 奈良広陵食堂)

2023.02.20

和食を中心とした家庭料理を楽しめる「まいどおおきに食堂 奈良広陵食堂」(以下、奈良広陵食堂)は、2021年8月にデジタル会員証機能を持つ「常連コボットfor LINE」のLINEミニアプリを導入しました。ユーザーが来店した時のほか、LINEミニアプリにログインする時にもポイントを貯められるポイントカードの機能を活用してリピーターを獲得し、同食堂はコロナ禍以前の売上120%を達成しました。その取り組み内容や得られた成果について、奈良広陵食堂を運営する合同会社Oz 代表社員 長谷川幸太氏(以下、長谷川氏)と、LINEミニアプリを開発・提供するディップ株式会社(以下、ディップ)の市川 駿氏(以下、市川氏)に話を聞きました。

目的
  • コロナ禍で陥った“クーポン頼り”の販促を打開し、新規と既存両方のユーザー数をアップさせたい
施策
  • 2022年8月にデジタル会員証機能を持つ「常連コボットfor LINE」のLINEミニアプリを導入
  • LINEミニアプリの利用メリットを感じてもらうため、大小さまざまなポイントで交換できるクーポンをLINEミニアプリ上で提供
  • LINE公式アカウントで新メニューのお知らせや平日限定クーポンを配信
効果
  • 2022年10月の売上が、コロナ禍以前の2019年10月より120%伸長
  • LINEミニアプリのユーザーのうち、来店回数が4回以上のユーザーが増加
  • LINEミニアプリの導入後5ヵ月で、LINE公式アカウントの友だち数が1,000人ほど急増
インタビュイーの写真

合同会社Oz 代表社員 長谷川幸太氏

インタビュイーの写真

ディップ株式会社 DX事業本部 商品企画統括部CS・OM部

BS・エリアカスタマーサクセス課 チーフ 市川 駿氏

LINE上でデジタル会員証を即時発行できる「常連コボットfor LINE」

全国に約300店舗を構える「まいどおおきに食堂」は、できたてにこだわった家庭料理をリーズナブルな価格で提供する大衆食堂です。2019年3月から、奈良県内にある「奈良広陵食堂」と「大和春日町食堂」の2店舗を合同会社Ozが運営しています。

 

同社代表社員の長谷川氏は、「運営に携わった直後にLINE公式アカウントを開設して、集客ツールとして活用してきた」と振り返ります。

 

「LINEは人々の生活に浸透しているため、LINE公式アカウントからメッセージを配信するとすぐに開封されやすく、新メニュー情報や割引クーポンなどを効率良く届けることができます。また、LINE公式アカウント上でポイントを貯められる『ショップカード』機能を活用してリピーターを順調に獲得し、1年ほどは安定的に経営ができていました」(長谷川氏)

 

しかし、そんな状況が新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大で一変します。

 

「2020年4月に、県内に最初の緊急事態宣言が出された頃から客足が途絶えました。宣言の解除後もお客さまがなかなか戻らず、売上はコロナ禍以前の4割程度まで減少しました。少しでも来客数を増やしたいという思いから、『おかず半額』など割引率の高いクーポンをLINE公式アカウントで頻繁に配信したのですが、利益率は下がります。しかし、背に腹は変えられず“クーポン頼り”の悪循環に陥っていきました」(長谷川氏)

 

苦しい時期が1年ほど続いたのち、打開策として2022年8月に導入したのがデジタル会員証機能を持つ「常連コボットfor LINE」のLINEミニアプリです。常連コボットfor LINEの開発・提供を行うディップの市川氏は、その特徴や強みについて次のように説明します。

 

「常連コボットfor LINEのLINEミニアプリは、QRコードを読み込むとLINE上でデジタル会員証(ポイントカード)を即時発行ができるため、飲食店様を中心に幅広いお店で導入しやすいサービスです。ユーザーにとって利便性が高いだけでなく、来店時などにアプリを立ち上げるとポイントが溜まり、お店で使えるさまざまなクーポンと交換することができます。リピーターの獲得につながるだけでなく、利用ユーザーを来店回数別に可視化できるため、集客や販促施策の効果検証や分析にも役立てることができます」(市川氏)

図版

常連コボットfor LINEでは、主に以下3つの方法でポイントを貯めることができます。

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「特筆すべきは『デイリーボーナス』です。仮に1ポイントでもデイリーボーナスを設定すれば、ユーザーはポイントを獲得するために常連コボットfor LINEのLINEミニアプリを日常的に起動するようになります。お店の名前を頻繁に目にすることで親近感が持ち、いざ外食をする際に奈良広陵食堂を想起してもらえれば、来店機会も増えるはずです」(市川氏)

LINEミニアプリの利用ユーザーの3~5割程度が月に1回以上来店

常連コボットfor LINEは、ポイント交換して取得できるクーポンの内容を自由に設定可能です。奈良広陵食堂の場合、『100円引きクーポン』(1ポイント)から、『コシヒカリ玄米5㎏引換券』(200ポイント)まで、常時10種類以上のクーポンを用意しています。

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「大切なのは、少ないポイント数で交換可能なクーポンを設定することです。早い段階でユーザーにクーポンを取得、利用できるメリットを感じてもらえると、ポイントを貯めるモチベーションがアップします。より多くのポイントを貯めようと、来店数が増えるのではと考えました」(市川氏)

 

現在、奈良広陵食堂では80ポイントで交換できる「おかず50%オフクーポン券」が一番多く利用されています。同食堂の場合、これはチェックイン(=来店数)で得られるポイント16回分に相当します。

 

「LINEミニアプリ導入直後から、いまもクーポン利用者は増え続けています。運用開始から数ヵ月が経ち、現在はポイント数がもっとも大きい『コシヒカリ玄米5㎏引換券』(200ポイント)と交換するお客さまも出てきました。『コツコツポイントを貯めるのがおもしろい』と、ゲーム感覚で楽しまれている声をよく耳にします」(長谷川氏)

 

このように、常連コボットfor LINEで着実にリピーターが増加した奈良広陵食堂では、2022年10月の売上が、コロナ禍以前の2019年10月と比較して120%に伸長したといいます(奈良広陵食堂調べ)。

 

「現在、約1000人のお客さまにLINEミニアプリを利用いただき、毎月そのうちの3~5割程度が1回以上来店し、チェックインポイントを貯めてくれています。また、ログインポイントを受け取っているユーザーも毎月約500人います。リピーターが着実に増えていて、安定して売上が立つようになりました。LINEミニアプリの導入前、苦肉の策で割引率の高いクーポンをLINE公式アカウントから乱発していたときよりも、収益性は格段に良くなっています」(長谷川氏、数値は奈良広陵食堂調べ)

 

実際に、奈良広陵食堂を利用するLINEミニアプリユーザーのうち、来店回数が4回以上のユーザーが増加傾向にあります。また、10回以上来店しているロイヤリティーの高いユーザーが全体の1割に上ることからも、LINEミニアプリを通じた「行きつけ」化が進んでいると考えられます。

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「お店のファン」がもっと来店したくなる施策づくりを進める

LINEミニアプリの導入から5ヵ月が経過し、今後さらに多くのユーザーにデジタル会員証を発行してもらうため、奈良広陵食堂では「店舗設置のQRコード」「LINE公式アカウントの配信メッセージ」「LINE公式アカウントのリッチメニュー」などから、LINEミニアプリを起動できるように導線を整えています。

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「LINEミニアプリを導入した2022年8月にLINE公式アカウントでメッセージ配信したところ、程なく200人ほどのお客さまが利用登録をしてくれました。その後も3つの経路から順調に利用者登録は増えています。それと同時にLINE公式アカウントの友だち数も増加しています。LINE公式アカウント開設から約3年間で友だち数は3,700人ほどでしたが、常連コボットfor LINEの導入後5ヵ月で一気に1,000人ほど急増しました。以前の約2倍のペースで友だち数が増えているため、新メニューのお知らせや平日限定クーポンを配信するなどして来店につなげています」(長谷川氏)

 

LINE公式アカウントでは毎週月曜と土曜のほか、毎月1日にもメッセージを配信するなどして、来店訴求を行なっています。「お得情報に絞っているためか、配信頻度が多い割にブロック率が低い」と語る長谷川氏は、LINEの法人向けサービスのさらなる活用を模索しています。

 

「元々、店舗のWebサイトを自分で作るなどしてデジタルに親しんできたので、LINEの法人向けサービスについても市川さんにアドバイスをいただきながら、例えばさらにLINE公式アカウントの友だちが増えたら、一斉に配信するメッセージとともに、「オーディエンス」の機能を使ってメッセージへの反応率が良い方に向けて新商品情報を配信するなど、もっと効果的な使い方ができないかと考えています。LINE公式アカウントの友だちは、お店のファンです。その方たちが繰り返し来店したくなるような施策を、LINE公式アカウントとLINEミニアプリを組み合わせてこれからも打っていきたいと思います」(長谷川氏)

 

この言葉を受けて、ディップの市川氏は常連コボットfor LINEの今後の展望について次のように話します。

 

「外食需要はまだまだコロナ禍以前の水準に戻ったとは言えない状況が続いています。そのなかで、お客さまに少しでも店舗に足を運んでもらえるように、ゲーム性のある体験型クーポンを配布するなど、楽しい企画やワクワクするサービスをこれからも考えていきたい。常連コボットfor LINEで飲食店様の賑わい創出をサポートしていけたらと考えています」(市川氏)

 

(公開:2023年2月、取材・文/相澤良晃)

 

※本記事内の数値や画像、役職などの情報はすべて取材時点のものです
※本記事内の実績は取材先調べによる数値です