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待ち時間が“楽しく”なる? LINEミニアプリの「順番待ち」でユーザーの利便性を向上させた牧場リゾートの取り組み

大江ノ郷自然牧場(有限会社ひよこカンパニー)

養鶏牧場やレストランを運営する大江ノ郷自然牧場は、2018年8月にLINE公式アカウントを開設し、デジタルマーケティングの主力ツールとして活用してきました。2021年3月には順番待ちサービス「matoca」(マトカ)のLINEミニアプリを導入し、ユーザーの利便性の向上に役立てています。同牧場代表の小原利一郎氏(以下、小原氏)、LINEミニアプリの開発を担当した株式会社ブレイブテクノロジー(以下、ブレイブテクノロジー)の土江佑典氏(以下、土江氏)、同サービスの提案・導入を担当したLINEの野村隼平(以下、野村)に、その取り組みや得られた成果、今後の展望について話を聞きました。

目的

利用ハードルが低い「順番待ちサービス」を使って施設利用を促しながら、自社のサービスをより多くのユーザーに広めていきたい

施策

LINE上から順番待ち、呼出通知機能を簡単に利用できる「matoca」のLINEミニアプリを導入

LINEミニアプリの利用開始時に、自社のLINE公式アカウントをスムーズに友だち追加する仕組みを導入

LINE公式アカウントを開設し、おすすめメニューや商品の告知、期間限定のドリンクの無料クーポンを配信

効果

順番待ちの発券時にメニュー予約ができる機能も追加し、店舗オペレーションがスムーズになった

LINEミニアプリの導入後、LINE公式アカウントの友だち数は2倍以上に増加。ブロック率は15%ほどに抑制できた

LINE公式アカウントで期間限定ドリンクの無料クーポンを配信した際は、約80%の開封率を記録。約2週間で1,000件以上の来場利用と約80件のEC購買につながった

小原さんプロフィール

大江ノ郷自然牧場 代表 小原利一郎氏

土江さんプロフィール

株式会社ブレイブテクノロジー 土江佑典氏

野村プロフィール

LINE株式会社 MINI事業戦略チーム 野村隼平

LINE上で順番待ち機能を使える手軽さが、LINEミニアプリ導入の決め手

鳥取県八頭町にある大江ノ郷自然牧場は、1994年にオープンした自然素材の飼料と平飼(ひらが)いにこだわる養鶏施設です。ブランド卵を使ったスイーツの販売も行い、2012年にはパンケーキをはじめとする牧場スイーツ専門店「ココガーデン」を敷地内にオープン。さらに、現在はレストラン3店舗とホテルも運営しており、年間約35万人が訪れるリゾート牧場として地域の観光産業をけん引しています。

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同社は2018年8月にLINE公式アカウントを開設し、イベントや新商品の情報発信などに活用してきました。そして、2021年3月にブレイブテクノロジーが提供する順番待ちサービス「matoca」のLINEミニアプリを導入。その動機について、大江ノ郷自然牧場の小原氏は次のように話します。

 

「これまでは来店したお客さまに整理券を発行し、メールで順番をお知らせする順番待ちシステムを利用していました。しかし、メールアドレスの入力が手間で、お客さまの利便性向上には課題があったように思います。休日ともなると、牧場内にあるココガーデンの入場に2時間ほど待つという状況も珍しくありません。そんな時、LINEミニアプリであれば多くのユーザーのスマホに入っているLINE上から、順番待ち・呼出通知の機能を簡単に利用できます。こうした手軽さも魅力の1つです」(小原氏)

 

matocaのLINEミニアプリを使うと、整理券を発券した後、順番が近づいたらユーザーのLINEに通知が届く仕組みになっています。matocaを提供するブレイブテクノロジーの土江氏は「シンプルなUIが特徴の1つ」と説明します。

 

「一般的な順番待ちサービスは、利用前にメールアドレスを登録したり、専用のアプリケーションをインストールしたりと手間がかかるため、どうしても利用ハードルが高くなります。matocaのLINEミニアプリはスマホにLINEが入っていればすぐに使え、数回のタップで発券可能です。しかも、これひとつで複数店舗の発券や待ち状況の確認も可能です」(土江氏)

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matocaについて詳しくはこちら

大江ノ郷自然牧場では現在、牧場内にある2店舗で「matoca」を導入しています(2021年7月時点)。ユーザーは開店1時間前ほどに来店し、専用端末で整理券を発券後、敷地内を巡ったり、車の中で待機して順番待ちをしたりするケースが多いといいます。

 

「発券時にメニュー予約ができる機能も使い勝手がよく、料理の提供もスムーズになりました。また、順番待ちの時間がカウントダウンされる画面がかわいらしく、特に女性に好評です。順番待ちの間、弊社のECサイトで商品をチェックするお客さまもたくさんいます。LINEミニアプリを利用することで、本来はわずらわしい待ち時間を楽しんでいただけているのではないかと考えています」(小原氏)

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LINE公式アカウントのメッセージ開封率は平均約70%、ブロック率は15 %

ユーザーがLINEミニアプリを利用開始する際に、自社のLINE公式アカウントの友だちにスムーズに追加できるのもLINEミニアプリの特徴の1つです。実際、大江ノ郷自然牧場ではmatocaのLINEミニアプリの導入後にアカウントの友だち数が2倍以上に増加し、1万2千人を突破しました(2021年7月時点、大江ノ郷自然牧場調べ)。

 

「弊社のお客さまは20~40代の女性が多いのですが、その層とLINEの親和性がとても高いと感じています。メッセージは月に1~3回程度、イベントやキャンペーンごとに配信していて、開封率は平均70%ほどです。期間限定ドリンクの無料クーポンを配信した際は約80%を記録し、約2週間で1,000件以上の来場利用と約80件のEC購買につながりました。改めてLINEの持つ影響力に驚いています」(小原氏)

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特筆すべきはターゲットリーチ(ブロックしておらず、メッセージを配信できる友だち)です。matocaのLINEミニアプリの利便性が波及してか、同じLINEの法人向けサービスであるLINE公式アカウントのブロック率はわずか15%にとどまっており、ターゲットリーチは右肩上がりに。これも、メッセージの配信効果を高める要因となっています(実績は大江ノ郷自然牧場調べ)。

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「大江ノ郷自然牧場さんは、レストランのほかにも、パンやスイーツなどの売店、食の大切さを学べる体験教室など幅広いコンテンツをお持ちです。それらをLINE公式アカウントで告知することで、ユーザーは『次はこれを試してみよう』と考えるようになります。

 

来場したお客さまにLINEミニアプリで順番待ちしていただきつつLINE公式アカウントの友だちになったお客さまに対し、来場後にもLINE公式アカウントでコミュニケーションを行うことで、着実にファンやリピーターを増やされていると感じます」(野村)

ネイティブアプリとLINEミニアプリを使い分け、効果的な運用をめざす

新型コロナウイルス (COVID-19)が感染拡大して以降、オフラインとオンラインでの取り組みをいかに融合させて売り上げアップにつなげるかが、多くの事業者にとって課題となっています。大江ノ郷自然牧場も例外ではなく、「今はコロナ禍以前の半分程度しかお客さまが来ないが、オンライン施策を見直す良いきっかけになった」と小原氏は話します。

 

「できたてのパンケーキを食べていただいたり、動物と触れ合っていただいたりなど、オフラインでしか提供できない価値というのも多くあります。しかし、ユーザーが家にいながら、そうした価値をオンラインで体験できる仕組みやサービスを、今後はさらに考えていきたいです。matocaのLINEミニアプリはすでに大きな成果を上げていますから、コロナ禍が終息して客足が戻ってくる際は、さらに力を発揮してくれるのではないかと期待しています」(小原氏)

 

ブレイブテクノロジーの土江氏は、matocaについて「ユーザーにとってより使いやすい機能拡充を目指したい」と語ります。

 

「たとえば、待ち時間を過ごすための近隣カフェのレコメンド機能や、待ち時間を楽しく過ごすためのカジュアルゲームなどの機能も、ニーズがあると考えています。退屈な“待ち時間”を、matocaのLINEミニアプリで有意義に感じられるようなサービスを提供していく予定です」(土江氏)

 

LINEの野村は、大江ノ郷自然牧場が自社ECのさらなる活性化を目指して2021年5月にリリースしたネイティブアプリとの連動についての展望を語ります。

 

「ネイティブアプリでは順番待ち以外のポイントカードやクーポン配布といった機能も備え、今後、LINEミニアプリとの使い分けが進んでいくかと思います。ネイティブアプリをなかなかダウンロードしていただけないライトユーザーのお客さまに対しては、必要な時だけすぐに使えるポイントカードのLINEミニアプリや、期限切れ間近のクーポンをLINEのメッセージでリマインドする通知機能など、順番待ちだけではなく他にも相性の良いLINEミニアプリ活用方法をぜひご提案できればと思います。

 

また、LINEミニアプリの利用を通して、そこで取得したLINEのIDをもとにLINE公式アカウント上でOne to Oneコミュニケーションを行うなどすれば、今後のマーケティングを強化できます。ぜひネイティブアプリと併用しながら、LINEのサービスを事業成長に役立てていただきたいです」(野村)

 

 

(公開:2021年7月/取材・文:相澤良晃)

 

※本記事内の数値や画像、役職などの情報はすべて取材時点のものです