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友だち数3,300万人!LINE公式アカウントでユーザーコミュニケーションを完結させるオルビスの戦略

オルビス株式会社

オルビス株式会社 マーケティング戦略部 新規戦略グループ グループマネジャー 山口 直氏

1987年創業のビューティーブランド「オルビス」は、2013年の開設以来、ユーザーとのコミュニケーションチャネルの一つとしてLINE公式アカウントを活用してきました。


※以前の取材記事はコチラ


現在は友だち数が3,300万人まで増加し、保有しているユーザーデータを基盤として認知や新規顧客の獲得、その後のファン化までの全てをLINE公式アカウントで展開しています。LINEを活用したマーケティング戦略について、オルビス株式会社の山口直氏に話を伺いました。

目的
  • コミュニケーションを分断せず、同一チャネルで認知から新規顧客獲得、ファン化までのマーケティング施策を展開したい
施策
  • LINE公式アカウントを開設し、LINEプロモーションスタンプなどの活用で3,300万人の友だちを獲得
  • LINE公式アカウントからのメッセージ配信設計を整備し、クリエイティブやセグメントを改善しながらPDCAを回した
効果
  • 他SNSでの効果と比較し、LINE公式アカウント経由の新規ユーザー獲得のCPOが30.3%を記録
  • 同上比較で、LINE公式アカウント経由のファン転換率(2回目の購入経験者)が160.5%を記録

友だち数3,300万人という大規模アカウントに成長

オルビスは創業以来「肌が本来持つ力を信じて、引き出すこと」を信念とし、「ここちを美しく。」をブランドメッセージに掲げるビューティーブランドです。スキンケアの象徴シリーズ「オルビスユー」、飲むスキンケア「オルビス ディフェンセラ」、そして肌と同時に心までも「オフモード」に切り替えるクレンジング「オルビス オフクリーム」などを展開しています。

商品のマーケティング戦略においては、顧客リストを生かして直接、ユーザーとコミュニケーションを展開するダイレクトマーケティングが基本。新しいチャネルやメディアについても、積極的に活用していくという方針を貫いています。


「新規性を重視したマーケティング施策を進めてきました。ブランドが誕生した1987年はバブル経済の真っ只中のバブリーな時代で、あらゆるものが華美で豪華で、化粧品の箱さえもキラキラしていました。しかし、当時のオルビスは本当に必要なものを見極め、長く使い続けること、地球環境への配慮を重視していました。そのため、早くから簡易包装で商品を配送するなど、圧倒的なお客さま起点、本質的なコストパフォーマンス追求など、プロダクトだけでなく、サービスやマーケティングも時代を先取りしながら企画・実行してきた歴史があります」


そんな中、紙ベースの広告からデジタルへの移行時期であった2013年、新しいチャネルで新規の戦略を展開したいとLINE公式アカウントの開設を決断しました。


「オルビスはもともと通信販売からスタートしているので、お客さまと直接コミュニケーションを取るダイレクトマーケティングに早くから取り組んできた経緯があります。そのため、LINEという新しいチャネルを活用することにも期待を持っていました」

オルビス株式会社 マーケティング戦略部 新規戦略グループ グループマネジャー 山口 直氏

オルビス株式会社 マーケティング戦略部 新規戦略グループ グループマネジャー 山口 直氏

LINE公式アカウント開設後、友だちを集めるためにLINEプロモーションスタンプを18回にわたって出稿し、2020年7月現在、友だち数は3,300万人、有効友だち数は550万人という大規模なアカウントに成長しました。

効果的なクリエイティブやメッセージの内容とは

現在、オルビスのLINE公式アカウントでは、メッセージ配信やLINEチャットなどで商品を訴求して新規獲得につなげ、ID連携によるファン化を促進するコミュニケーション戦略を展開しています。


「新規の友だちを増やしつつ、その方たちに対して、カルーセル形式のメッセージや商品に合わせたセグメント配信を行っています。また、当社の顧客情報とLINEアカウントを紐付けるID連携も実施しており、オルビスの自社アプリへの誘導、デジタルでの商品カタログ送付など、エンゲージメントを高めるためのさまざまな施策を展開しています」


マス広告やダイレクトメールを利用して認知からファン化まで行う施策と比較し、「LINEというプラットフォームで全てが完結し、かつ効果が数値で把握できる」と山口氏は評価します。


また、複数のメッセージ配信を行う中で、効果的なクリエイティブやメッセージの傾向も見えてきました。特に複数画像を横に並べ、左から右に閲覧するカルーセル形式のメッセージは、当月の他の配信と比較しクリック率が147%を記録。3ステップでのスキンケア方法を紹介した後、最後の画像でお試しセットの購入を訴求していますが、中でも4枚目のクリック数が高く、商品理解をした後に購入するという傾向が見て取れます。

カルーセル形式のメッセージ配信。3枚目までは商品とスキンケア方法を紹介し、最後の画像でお試しセットの購買を訴求している

また、商品ではなくオルビスというブランドを訴求するメッセージでは、一目で内容が把握できるように縦型のクリエイティブを配信しています。


「2020年4月〜5月にかけては新型コロナウイルスの影響を踏まえ、ブランド訴求と自宅で楽しめる独自コンテンツを組み合わせて配信し、当月平均よりも3.2倍のクリック数を記録しました。商品の特徴に合わせ、特定の年代を対象に行ったセグメント配信についても、他メッセージと比較してCPOが21%にとどまるなどの効果が得られています」

ブランド訴求のメッセージ配信。新型コロナウイルスの影響で在宅時間が増加する中、自宅で楽しめるコンテンツを組み合わせて配信

アカウントのフォロワー獲得におけるコストはSNS広告と比べ10分の1程度、CPOは30.3%を記録

SNSやデジタル広告の場合、認知を担うアカウントと、購買を促す広告とで運用が分断されていて、異なる戦略が必要になります。LINE公式アカウントの場合、「1つのプラットフォームとして統合されているため、他のチャネルと比べて効果が高いと分析しています」と山口氏。実際、アカウントのフォロワー獲得におけるコストはSNS広告と比べ10分の1程度、CPOは30.3%という成果が出ているそうです。


「現在は、LINE公式アカウント経由でファン化を促進する施策に注力しています。具体的には、ID連携を促進するため、抽選で550名にオンラインショップの買い物で使えるポイントを付与する『LINE連携スタートキャンペーン』を実施しました。結果、ID連携を完了したユーザー数は11万人まで増加し、現在も1日に1,000人程度の規模で増え続けています。また、ID連携済のお客さまに対してメッセージを配信したところ、一斉配信に比べてCTRは約3倍になりました」

質が高く商品の魅力をしっかりと訴求できるクリエイティブを配信できることでLINE公式アカウント経由におけるF2転換率(2回目の購入経験者)は160.5%を記録。コミュニケーションを分断せず、LINE公式アカウントという同一チャネルで認知から新規顧客獲得、ファン化までの一貫したマーケティング施策が実現しました。


「今後はLINE広告やLINE公式アカウントのデータを相互に活用するクロスターゲティングの活用も視野に入れつつ、ID連携を進めてさらなるデータ活用に着手していくつもりです。また、LPの離脱者に対し、チャット機能を活用してユーザーと対話しながら商品を訴求する施策も企画・展開中で、クッキーの利用制限が懸念されていますが、新しいリターゲティングの形として期待しています」


(公開:2020年9月/取材・文:岩崎史絵、写真:小川孝行)