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スタンプで生まれたキャラクターが愛されて売上増!?プリマハムのLINE公式アカウント活用事例

プリマハム株式会社

(画像左から)
プリマハム株式会社 加工食品事業本部 営業本部 営業統轄部 企画課 係長 雫石健司氏
プリマハム株式会社 加工食品事業本部 営業本部 営業統轄部長 坂井尚文氏
トランスコスモス株式会社 小川こすも氏
トランスコスモス株式会社 遠藤萌氏

友だち登録したユーザーに向けて、一斉にメッセージを配信したり、タイムラインへ記事を投稿したりすることができる「LINE公式アカウント」。今では数多くの企業がLINE公式アカウントを運用し、ユーザーとのコミュニケーションを行っています。

その中でも、キャラクターを活用したコミュニケーションでユーザーとの距離感を近づけていった結果、売り上げにも好影響が出ているプリマハム株式会社(以下、プリマハム)のLINE公式アカウント活用について担当者に話を伺いました。

目的
  • 若い世代(10~30代)に対する企業認知度を上げたい
施策
  • キャラクターを活用し、キャラクターへの愛着をはぐくむコンテンツを配信
効果
  • 他の販促施策との相乗効果で、「香薫あらびきポークウインナー」の売上増へ

利益ではなく、消費者とのコミュニケーションを追い求めてLINE導入へ

「香薫あらびきポークウインナー」は、2002年に発売され今年で販売16年目となる商品。挽きたてスパイス製法を使用することによって、スパイスの風味をそのまま生かした香り高い風味が特長です。プリマハムの主力商品ではあるものの、売上面では競合他社に大きく差をつけられていたため、7年前より方針転換して独自の販促活動を増やしたとプリマハムの坂井尚文氏(以下、坂井氏)は語ります。

「プリマハムの販促活動は、お客さまに近い点がモットーです。スーパーマーケットに商品を売ったら終わり…ということでは、いつまでたってもプリマハムのファンをつくれないので、お客さまとのコミュニケーションを大切にしています。例えば、吉本興業の人気芸人さんを呼んだ貸切ライブの開催や、スポンサーをしている東京ディズニーランドのショーレストランを貸し切ってお客さまを招待し、それらのイベント会場の入口でスタッフ一同お出迎えをして、お客さまとコミュニケーションを図っています」

坂井尚文氏

そんなプリマハムですが、坂井氏曰く、40~50代の消費者には認知度が高いものの、10~30代においては認知度が低い点を危惧しているそうです。

「10~30代の方に『知っているハム・ソーセージのメーカー名を順番に言って』と質問してもプリマハムの名前が出てこず、非常に危機感を覚えました。そんな中、若い方にもプリマハムを知ってもらうために着目したのがLINEです。お客さまとの距離感が近い販促のタッチポイントという点と、若い世代へのリーチ力という点でLINEが最適なツールだと判断しました。LINEの導入については、社内で『1円も儲かりません』と明言し、商売抜きでプリマハムを知ってもらうための投資として始めました」

ソップリンを最大限活用したコンテンツを配信

2015年5月、食肉業界で初めてとなるLINE公式アカウントの運用を開始しました。若い層の認知度を上げるためにはLINEプロモーションスタンプが最適だと考え、スタンプのためのキャラクターとして「あらびき星人ソップリン(以下、ソップリン)」が誕生しました。

「最初のスタンプを配信した直後の友だち数は約580万人。友だちの数が100万人に達しなければ、すぐに止めることを前提に運用を開始しましたが、杞憂に終わりました。最初は社内でも何をやっているかあまり理解されていませんでしたが、友だち数の増加に伴い、LINEを通してコミュニケーションを取れるお客さまがそんなにいるのはすごいことだと、急に評価が上がりました」

プリマハムLINE公式アカウント

LINEプロモーションスタンプをきっかけに友だちになってくれたユーザーに対して、配信メッセージでもソップリンを大いに活用していると、プリマハムのパートナーであるトランスコスモス株式会社(以下、トランスコスモス)の小川こすも氏(以下、小川氏)は語ります。

「配信頻度は、基本的にタイムラインが月4回、メッセージが月1回で運用しています。配信内容が商品訴求ばかりになってしまうと広告的になってしまい嫌悪感を生むので、ソップリンを最大限活用した、エンタメ要素のある楽しいコンテンツを交えながら配信しています。中でも、オリジナルマンガの配信については、ソップリンのキャラクターや世界観を形成する重要なコンテンツです。ストーリーがあることで、ユーザーは感情移入ができますし、より親しみを持って自分事化して、コンテンツを見てもらえるきっかけになっているのではないかと感じています」

また、キーワード応答メッセージを活用し、まるでソップリンと会話しているかのような、擬似的な双方向のコミュニケーションを生み出しているともいいます。

トーク画面

「人工知能を入れているわけではないのですが、あらかじめキーワード応答メッセージを細かく設定することで、かなり会話に近いコミュニケーションを生み出すことができていると思います。ユーザーからの反応も良く、キーワード応答メッセージのスクリーンショットをTwitterやInstagramに投稿されることもあります。また、過去に配信でトラブルが起きてしまったことがあるのですが、その時にキーワード応答メッセージの設定を『ごめんね』『本当にごめんね』『おかげで目が覚めたです』の三つのみにしたところ、ユーザーから『そんなに謝らなくていいんだよ』 といった優しい反応があり、キャラクターの強みがこういった点にもあることを感じました。今後もユーザーの反応を見ながらキーワード応答メッセージ設定をより精緻にしていくことでソップリンとの会話を楽しんでもらい、SNSでの拡散も狙っていきたいと考えています」

効果を目に見えて実感!ファンの増加にあわせて売上も右肩上がりに

商売抜きの施策として始めたLINE公式アカウントでしたが、2015年と比べると、「香薫あらびきポークウインナー」の販売数量は6割増、SCIパーソナル(消費者リサーチ)ではシェア2位の座を不動のものに。ハム・ソーセージ全体のシェアは4位から3位へと、売り上げも増えているそうです。LINEが売上向上に貢献したことについて、坂井氏は以下のように考えます。

「LINEとあわせて他の販促施策を行った結果ではありますが、キャラクターを使ってLINEで広告活動をしてきたことが功を奏したと考えています。SNSでの投稿を見ると、中には『もう香薫しか買いません』といった投稿をしてくれるユーザーも存在し、着実にファンが増えていることを実感しています」

さらなる「ブランド認知の向上」と「絆の強化」を目指して

今やLINEにとどまらない活躍を見せているソップリン。2018年春には新商品のパッケージに初登場し、ゆるキャラグランプリへの初エントリー、2018年9月から始まるハロウィン販促施策でも店頭に設置する資材へ初登場します。

HalloweenParty

プリマハムでは、今後もLINE公式アカウントにおいて商品訴求のみならず、認知度の向上にも努めると意気込んでいます。

「LINE公式アカウントは企業CMではありませんが、もっといろんな方に知っていただいて、プリマハムと言えばソップリン、さらには『香薫あらびきポークウインナー』を連想できるように、浸透させていきたいと考えています。LINEには今後も活用できる幅が増えるようなサービスを期待しています」(坂井氏)

「今までリーチできていなかった、未来の購買層となる若い層にも、プリマハムをどんどん届けていきたいです」(雫石健司氏)

パートナーのトランスコスモスも、コンテンツを通じてユーザーとのつながりを築いていくと語ります。

「キャラクターへの好意が、ブランドへの好意につながっていくと思うので、配信内容もよりユーザーとの距離を縮めていけるようなコンテンツを作っていきたいです」(小川氏)

「LINEスタンプや日々のコンテンツもそうですが、ソップリンに愛着を持ってもらって、ソップリンがプリマハムや『香薫あらびきポークウインナー』のイメージにつながり、さらにポジティブな印象が広がっていけばと考えます」(遠藤萌氏)

(公開:2018年10月)


※本記事内の数値や画像、役職などの情報はすべて取材時点のものです

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