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LINEで1.45倍のリーチを生む戦略的なメッセージ配信と顧客満足を創る双方向コミュニケーション

株式会社 再春館製薬所

株式会社 再春館製薬所 ドモホルンリンクル事業本部 リピート創造部 上級ウェブ解析士 佐々木大介氏(写真右)
株式会社 再春館製薬所 ドモホルンリンクル事業本部 初回創造部 松下由樹氏(写真左)

株式会社 再春館製薬所(以下、再春館製薬所)では、主力商品である基礎化粧品「ドモホルンリンクル」の認知向上と、顧客からの相談や注文に対応する目的でLINE公式アカウントを活用しています。メールと比べて最大17.9倍というLINEの驚異的なクリック率や、配信メッセージを通じた商品への引上率1.38倍という数値はいかにして達成されたのか。ドモホルンリンクル事業本部リピート創造部の佐々木大介氏(以下、佐々木氏)、初回創造部の松下由樹氏(以下、松下氏)に話を伺いました。

目的

・LINE公式アカウントを活用し、メールだけでは実現できないデジタルでの顧客との「双方向コミュニケーション」を通じてユーザーの認知獲得や行動喚起を促したい

施策

・コンテンツ内容や時間帯などの工夫を凝らした一斉配信や顧客の購買状況に応じたセグメント配信
・自動応答と有人オペレーションを組み合わせた個別カウンセリング
・LINE IDとの連携に関連するフローの簡略化
・オリジナルキャラクター「おもちちゃん」を起用したLINEスタンプへの継続出稿

効果

・メッセージのクリック率はメールと比較して最大17.9倍、商品への引上率は1.38倍、リーチ総数は1.45倍を記録
・有人オペレーターによる手厚い顧客ケアが功を奏し、お肌相談を経た初回注文数が2倍に増加
・LINE ID連携数が大幅にアップし、LINE上で多くの顧客の利便性に寄与
・親しみやすい「おもちちゃん」のスタンプで、友だち数は約1,200万人に

戦略的なメッセージ配信で、リーチからの行動喚起を促す

1976年の発売以来、再春館製薬所の代名詞となっているのが年齢基礎化粧品のドモホルンリンクルです。製販一体で顧客の声に即したビジネスモデルで、電話相談から得られるユーザーの「お肌の悩み」を商品開発にフィードバックし、改良を重ねることで業績を伸ばしてきました。

ドモホルンリンクルの写真

再春館製薬所の主力商品「ドモホルンリンクル」

しかし、2000年代に入るとインターネットの普及によって顧客の購入チャネルが電話からネットに移行し、これまでにはなかったある課題が浮かび上がってきたといいます。

 

「当社が最も重視してきたのが、オペレーターが直接お客様の悩みを聞き、一人ひとりに応じたアドバイスをさしあげる『双方向コミュニケーション』でした。ところが、デジタルシフトによって電話での問い合わせがメールに取って代わられるのに従い、それまで細かなところまで踏み込んでお伺いできたお客様の悩みが聞けなくなってしまったのです」(松下氏)

松下氏の写真

株式会社 再春館製薬所 ドモホルンリンクル事業本部 初回創造部 松下氏

そこで導入されたのが、LINE公式アカウントでした。

 

「まず惹かれたのが、LINEの圧倒的なユーザー数(2019年4月現在、MAUで8,000万人)とリーチ力です。さらに、LINEチャットの機能を使えば弊社が掲げるお客様一人ひとりとの双方向コミュニケーションをデジタルの世界でも実現することができ、LINEが提供する他の機能を利用すればセグメントでの配信もできることに大きな魅力を感じました」(松下氏)

 

2017年2月にはLINE公式アカウントを開設、LINEで友だち追加をしてくれたユーザーであれば同社の会員となっていない人にもリーチできる、メッセージの一斉配信をスタートしました。翌2018年2月にLINE ビジネスコネクト(2019年4月、LINE公式アカウントにサービス統合)を導入した後は、会員かつLINE ID連携を行っている人へのセグメント配信を開始しました。

 

再春館製薬所が行う一斉配信とセグメント配信のうち、一斉配信は主に認知獲得と「無料お試しセット」(ドモホルンリンクルを3日間利用できる試供品)の訴求を目的としています。

 

「一斉配信では友だち追加してくださった皆さまに『30代になって年齢肌の節目になったらドモホルンリンクルをお試ししてみませんか』などのメッセージで無料お試しセットをお勧めしています。配信時間を試行錯誤した結果、最も反応が多いのは女性の方に時間的なゆとりのある休日の夜で、他の時間帯に比べるとクリック率が3倍ほどになることもあります。配信して5分から15分くらいの短期間に無料お試しセットの申し込みが集中するので、手応えを感じています」(佐々木氏)

佐々木氏の写真

ドモホルンリンクル事業本部リピート創造部の佐々木氏

一方、セグメント配信では初回購入から日の浅い人、あるいは何年も購入し続けてくれている人など、主に顧客の購買状況によってメッセージを送り分けています。注文に関するやりとりにすでに慣れているユーザーが多いためか、メッセージを送信したあと1〜2日のスパンで問い合わせや注文が入るケースもあるといいます。

 

「会員様には、まずは『紙物(DM)』、紙物が届くあたりで『メール』、最後に『LINE

』という3段階でのアプローチが有効だと考えています。LINEで短く語れば最後の一押しにもなりますし、お客様の購買行動を喚起しやすいのかもしれません」(佐々木氏)

 

こうした取り組みの結果、メッセージのクリック率はメールに比べて最大で17.9倍、商品への引上率は1.38倍に。また、リーチ総数(ここでは「ユニーククリック数」と定義)もLINE公式アカウントを導入したことでメールのみのときから1.45倍に伸長しました。

メッセージのイメージ画像

商品のご注文を促す一斉配信(左)と、注文履歴のあるユーザーへのセグメント配信(右)

個別カウンセリングで購入単価が平均500円アップ!

同社はLINEを通じた「無料お試しセット」のさらなる申し込み獲得や顧客ケアを目指して、2018年2月より「お客様プリーザー」(有人オペレーター)がLINE上で個別カウンセリングにあたる「LINEでお肌相談」をスタート。サービスを開始して約半年後には、カウンセリングを行った顧客の翌月リピート率がそれまでより3.4%増加、購入単価も平均で500円増加するなど、顧客の購買行動に好影響を与えています。

 

「LINEでの自動応答に加え、チャットに特化したお客様プリーザーが応対にあたることで、短い言葉のラリーの中でピンポイントにお客様の要望をお聞きすることができるようになり、お肌相談を通じた初回注文の数が約2倍に増えました」(佐々木氏)

 

この予想以上の結果に、2019年4月からはLINE専門のお客様プリーザーを7名から14名に増員、サービスの対応時間帯も平日の9~18時だったのを5月からは土日も含めて拡大しました。メールと異なり、多少時間を空けてもチャットが続けられることは、多忙なユーザーにとっても嬉しいLINEならではのメリットです。

チャットのイメージ画像

顧客とお客様プリーザーによるチャット(※画像はイメージ)

こうした一連の成果が得られたことについて「直感的に操作できるLINEがお客様の生活に近い存在だからこそ」と佐々木氏は分析しています。

 

もうひとつ、同社が力を入れているのが自社Web サイトの会員情報とLINEアカウントのID連携です。LINEログインを組み込めば、ID連携を行ったユーザーに対して個別カウンセリング、商品の発送状況の確認、季節ごとやイベントのメッセージ送信といったサービスが提供できます。同社ではID連携数を増やすため、LINEポイントを活用した施策とLINE IDを連携する際のフローの簡略化の2つを行いました。

 

「2018年の6〜7月と9〜10月に行ったLINEポイントを活用した施策では、ID連携していただいたお客様にそれぞれ100ポイントをプレゼントしました。このキャンペーンを2回実施した結果、爆発的にID連携が増えました。その後、連携の動線そのものの見直しを図り、弊社のWebサイトにログインした状態であればワンクリックで連携が可能となるようにフローを簡略化したところ、日によっては連携数が以前の平均数の5倍以上になるなど、大きな成果をあげることができました」(佐々木氏)

ID連携のイメージ画像

社内初のキャラクター「おもちちゃん」で友だち数1200万人を達成

ドモホルンリンクルのLINE公式アカウントの友だち数は、現在約1,200万人。友だち獲得で活躍しているのが、同社初となるキャラクター「おもちちゃん」です。おもちちゃんは約1,000人いる社員から公募した149件のキャラクターのうち社内投票で1位を獲得したキャラクターで、これまでにスポンサードスタンプとして5回出稿されています。

おもちちゃんの原画イラスト

実際の原画イラスト。ドモホルンリンクルでもっちもちのお肌になることをイメージして制作された

「おもちちゃんのスタンプを出稿したところ、予想以上に友だち追加や無料お試しセットのお申し込みがありました。過去の出稿における効果を平均すると、無料お試しセットの請求単価は他の広告の2分の1以下、初回購入までの成約単価も同様に下がりました」(松下氏)

 

現在はLINEスタンプ以外でも活躍中で、ユーザーは問い合わせをするとまずおもちちゃんの自動応対を受け、相談がより詳細になるとお客様プリーザー(有人オペレーター)とのチャットに移行します。ユーザーからすると問い合わせの入り口におもちちゃんがいることで、肌の悩みというナイーブなトピックに関する相談への心理的ハードルを低くしてくれる効果もあるようです。

 

LINE公式アカウントによって双方向コミュニケーションという課題をクリアし、ユーザーの認知獲得や行動喚起につなげてきた再春館製薬所。両氏は、今後の展望や課題について次のように語ります。

 

「私たちの最終的な目標は、双方向コミュニケーションを充実させ、お客様のお肌の悩みを解決することで、お客様に人生をイキイキと過ごしていただくことです。LINE公式アカウントはそのための大切なツールですし、この先も新たなサービスが生まれることを期待しています」(松下氏)

 

「LINE公式アカウントを使えば、商品の認知向上や購買喚起に効果があることは確認できました。今後は、他のプラットフォームの統合も視野に入れて、お客様に届けるメッセージの質や量をコントロールしながら、利便性の高いサービスをさらに充実させていきたいと考えています」(佐々木氏)

 

(取材・文:中野渡淳一、写真:高橋枝里)