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ユーザーのニーズに寄り添った通知サービスの拡充で、会員サービス「Vpass」のID連携数を前月比7倍に

三井住友カード株式会社

三井住友カード株式会社(以下、SMCC)は、ユーザーの利便性を向上するため、2019年4月にLINE公式アカウントを開設。2021年5月からクレジットカード会員向けサービス「Vpass」のIDとユーザーのLINEアカウントを連携させることで、LINE上で提供できるサービスを拡充してきました。その一環として、2021年10月にはLINE公式アカウントによる「通知サービス」を開始しています。LINE公式アカウントを活用した同社の取り組みやその成果について話を聞きました。

 

LINEミニアプリを活用した、三井住友カードの取り組みはこちら

目的
  • ユーザーが求める情報を、最適なタイミングで届けられる環境をつくりたい
  • ユーザーの利便性を向上させたい
施策
  • 会員サービス「Vpass」IDとユーザーのLINEアカウント連携を推進
  • 2021年10月からLINE公式アカウントで会員向けの通知が受け取れる「通知サービス」を開始
効果
  • 通知サービスのリリース後に行ったキャンペーン期間のID連携数が前月比7倍に伸長
  • 未ID連携ユーザーを対象にしたキャンペーン情報をメッセージ配信した結果、配信直後の申し込み数が前日比5倍を記録

ユーザーに合わせた情報を届けるため、Vpassとの連携が急務

大手クレジットカード会社のSMCCは、近年の“デジタルファースト”の流れを汲み、キャッシュレス社会の実現に向けてユーザー視点でのサービスを提供してきました。その施策の一つが、同社のクレジットカード会員向けサービス「Vpass」です。VpassとはSMCCのカード会員がWeb上から利用明細や利用可能額の照会、各種申し込みなどの受付・変更ができるサービスで、2014年にネイティブアプリをリリースして多くの会員ユーザーに利用されています。

ただし、アプリに対しては「新しいアプリをダウンロードしたくない」といったユーザーの反応もあり、ユーザーの利便性向上を目的に2019年4月からLINE公式アカウントの運用を開始しました。

 

「LINEは国内の月間アクティブユーザーが約9,200万人(2022年3月末時点)を突破し、ライフプラットフォームとしてユーザーに浸透しています。当社で過去に実施したアンケートでは、企業から情報を取得する手段として、最も回答数の多かったものがLINEでした。ユーザーの利便性をより高めるため、LINE公式アカウントを通じてユーザー一人ひとりが個別に必要な情報を、必要なタイミングで受け取れる環境を整えたいと考えました」(小島氏)

 

個々のユーザーに合わせた情報をLINE公式アカウントから届けるためには、友だちになっているユーザーの属性やクレジットカードの利用状況などを把握する必要があります。そこで、VpassのIDとユーザーのLINEアカウントの連携を推進してきました。

セキュアでリアルタイム性を備えた通知サービスを実現

VpassのIDとLINEアカウントを連携したユーザーに対しては、請求額確定時のお知らせ送付のほか、一部のユーザーには支払い変更期限などを通知するメッセージを配信しています。また、2021年5月からはLINEミニアプリの運用を開始し、LINE上で各種情報の照会や手続きを可能にしました。

 

そして、さらなる利便性の向上のため、2021年10月より提供を開始したのが、不正利用や使いすぎの防止を目的とした「通知サービス」です。

 

「『不正利用が怖い』『使いすぎるのが心配』など、クレジットカードに対する不安の声もあります。こうした不安を軽減し、安心してクレジットカードを利用してもらうため、当社では以前からメールやアプリから通知サービスを提供していました。しかし、近年『LINEでも通知を受け取れるようにしてほしい』といった声を多数いただくようになったため、LINE公式アカウントからも通知を受け取れるような仕組みを構築しました」(奥墨氏)

(写真左から)カードを利用するとリアルタイムで利用金額や店舗が分かる「ご利用通知サービス」。設定した任意の利用金額を超えた場合に通知する「使いすぎ防止サービス」。停止設定後に利用があった場合に通知する「あんしん利用制限サービス」。

ただし、クレジットカードの利用通知には高い安全性が求められるため、開発時にはさまざまな工夫を重ねたそうです。

 

「セキュアかつスムーズに連携し、即時性のある通知をLINE公式アカウントで行うため、セキュアクラウドサービスを介した開発を行いました。結果的に開発に携わる関係者が増え、システム開発を進める上では苦労もありましたが、関係者で情報を密に連携し合い、性能テストを手厚めに実施することで、安心安全、かつリアルタイム性のある通知サービスを実現することができました」(大藤氏)

LINEアカウントの連携数が、キャンペーンの実施によって前月比7倍に伸長

通知サービスの効果は、指標としていたID連携数の変化にも表れているそうです。通知サービスをリリース後、約1カ月にわたってLINEアカウントとの連携を促すキャンペーンを行った結果、キャンペーン期間中のLINEアカウント連携数は前月比で7倍に伸長しました。

 

「VpassとLINEアカウントを連携するとVポイントなどのギフトがもらえる、といったキャンペーンは定期的に行っていますが、通知サービスをリリースした直後は、他の時期と比較してもVpass IDとの連携数が飛躍的に伸びました。この機能の追加を待ち望んでいた人も多かったのだろうと思います。また、LINEは若年層の利用率も高いので、メールなど他のチャネルで非アクティブになっている方にも今回のリリースが響いたのではと思います」(小島氏)

 

通知サービスのリリース後、SNSでユーザーの声を収集し、分析した奥墨氏は次のように語ります。

 

「以前から『LINEで通知を受け取りたい』という声をいただいていましたが、今回新機能としてリリースしたことで、喜びの言葉をたくさんいただきました。期待に応えられただけでなく、ユーザーの求めるチャネルで欲しい情報が受け取れる環境、ユーザー一人ひとりにとって心地よい接点がつくれてきているのかな、と感じています」(奥墨氏)

 

未ID連携ユーザーを対象としたキャンペーンにおいても、LINE公式アカウントでメッセージを配信した直後は、前日比で5倍を記録するほどの申し込みがあったといいます。もともとLINE公式アカウントで配信するメッセージは、メールと比較して20%ほど高い開封率だったことに加え、LINE公式アカウント上で継続的に「友だち」と関係を築いてきたことも成功要因になったといいます。

三井住友カードのLINE公式アカウントから配信されるメッセージ例

「今後もLINE公式アカウントで提供できるサービスを拡充し、ユーザー一人ひとりの利便性を向上していきたいと考えています。例えば、SMSなどのツールでは、当社をかたるフィッシング詐欺などのリスクがあります。今後は『LINE通知メッセージ』の活用も視野に入れ、安心・安全なコミュニケーションを広げていきたいと考えています。また、チャットボットなども活用して、よりユーザーが『知りたいタイミングで、知りたい情報を手に入れられる』、心地よいオンラインコミュニケーションを実現していきたいです」(小島氏)

 


(公開:2022年6月、取材・文/塚田智恵美)

 

※本記事内で紹介した実績は、すべて取材先調べとなります
※本記事内の数値や画像、役職などの情報はすべて取材時点のものです