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LINEミニアプリ

飲食店の業務効率化に貢献したLINEミニアプリのモバイルオーダーシステム

ワイエスフード株式会社

2022.08.30

ワイエスフード株式会社 執行役員 茅嶋 祐一氏

福岡県香春町に本社を置くワイエスフード株式会社(以下、ワイエスフード)は、九州地方を中心にラーメン店「九州筑豊ラーメン山小屋」をチェーン展開しています。同社は2022年3月にLINE公式アカウントを開設し、LINEミニアプリのモバイルオーダーシステムを導入。その背景と導入効果や活用方法などについて、同社執行役員の茅嶋祐一氏(以下、茅嶋氏)に話を聞きました。

目的
  • 食べ放題サービスの開始タイミングで、業務効率化のためにモバイルオーダーを導入したい
施策
  •  LINE公式アカウントの開設と同時にLINEミニアプリの「funfo」を導入してモバイルオーダーを実装
効果
  • モバイルオーダーの導入により注文を取りに行く必要がなく、業務の効率化に成功
  • オーダーミスや会計ミスが減少し、新人スタッフへの教育時間も短縮

「初期費用無料」が魅力。LINEミニアプリ「funfo」のモバイルオーダーシステム

1970年に創業したワイエスフードは、九州地方を中心にメインブランドの「九州筑豊ラーメン山小屋」をはじめ、「筑豊ラーメンばさらか」「一康流ラーメン」などのラーメン店をチェーン展開しています。グループ全体の店舗数は、約100店舗。うち9割はフランチャイズ(FC)で、直営店は1割程度です。

 

同社では2022年3月に『九州筑豊ラーメン焼肉 山小屋 ミスターマックス宇佐店』(大分県宇佐市)のリニューアルオープンに際し、LINE公式アカウントの開設と同時に、LINEミニアプリによるモバイルオーダーシステムを導入しました。

九州筑豊ラーメン焼肉 山小屋 ミスターマックス宇佐店

「もともと、2001年の店舗オープン以来、ラーメンと一緒に焼肉メニューも取り扱ってきました。今回、店舗の全面リニューアルを機に、新たに若年層やファミリー層をターゲットとした焼肉の食べ放題をスタートしました。その際、業務効率化を目的にモバイルオーダーシステムを導入することにしました」

 

数あるモバイルオーダーシステムの中から、茅嶋氏が目を付けたのはファンフォ株式会社が提供する次世代モバイルオーダーアプリ「funfo(ファンフォ)」です。「funfo」は原則、初期費用・月額費用が無料で、iPadとインターネット環境があればすぐに導入することができます。POSレジ機能も備えていて、メニューや金額を打ち込む手間なく、ユーザーが入力した注文履歴から会計が可能です。

モバイルオーダーシステム「funfo」

また、「funfo」の最大の特長ともいえるのが、LINEとの連携機能です。LINEアプリがダウンロードされていれば、新たに会員登録やアプリインストールをしなくても、ユーザー自身のスマホをモバイルオーダー端末として利用できるようになります。

 

「お客さまは各テーブルに設置されたQRコードをスマホで読み込むだけで、すぐにLINEから注文ができるようになります。複雑なシステムやデバイスを準備する必要もなく、初期費用もかからず導入することができました。他社のタブレット型のモバイルオーダーシステムは、導入にある程度の費用が必要という見積もりだったため、初期のコストを抑えられたのは助かりました」

 

同社にとっては初めてモバイルオーダーシステムを導入するとあって、導入前は「オペレーションが混乱するのではないか」「お客さまに利用してもらえるのか」などの不安もあったそうですが、茅嶋氏は「すべて杞憂に終わった」と振り返ります。

 

「funfoは、親切な設計も魅力の一つです。ホールスタッフは注文を取りに行く必要がなく、モニターに映し出されるオーダーを見て料理を運ぶだけなので、新人のスタッフでもすぐに戦力になりました。また、お客さまも操作は普段から使い慣れたLINEということで拒否反応はなく、8割以上がLINEで注文してくれます。導入から運用まで想像以上にスムーズだったので、正直、拍子抜けという感じでした」

オーダー利用と同時に友だちが増加。LINE公式アカウントでリピーターを育成

これまで、ワイエスフードではデジタルツールによる情報発信を積極的に行っていませんでした。しかし、現在はLINE公式アカウントを活用し、月に2回ほどのペースでメッセージを配信しています。

「九州筑豊ラーメン焼肉山小屋宇佐店」のLINE公式アカウント

「モバイルオーダー用のQRコードを読み込むとLINE公式アカウントの友だち追加が案内される仕組みのため、着実に友だち数が増えています。運用開始から約3カ月で2,100人(2022年6月末時点)を突破しました。地方の飲食店では、なかなかの人数ではないかと自負しています」

 

メッセージ配信の内容は、無料サービスや割引などのユーザーにとってお得な情報が中心です。中でも、通常550円の生ビール(中ジョッキ)を1日限定で190円の特別価格で販売するキャンペーン情報を配信した際には、大きな反響があったといいます。

 

また、モバイルオーダーシステムで追加してくれた友だちは、ブロック率が低いのも特長です。実際に店舗を利用したことのあるユーザーであるため、利用頻度も高く、お店に対して親近感や安心感を抱いているからだと考えられます。実際、『九州筑豊ラーメン焼肉 山小屋宇佐店』のブロック率は、14.7%(2022年7月末時点)だといいます。

 

「配信したメッセージが、ちゃんとお客さまに届いているという実感があります。現在は私が内容やタイミングを考えて配信していますが、今後、LINE公式アカウントを導入する店舗が増えてくれば運用は各店舗のスタッフに任せ、リピーターを獲得するための情報発信ツールとして活用していってほしいと考えています」

オーダーミスや会計ミスが減少。親切なUIも魅力

宇佐店でLINEミニアプリの効果を実感したワイエスフードは2022年5月、『九州筑豊ラーメン山小屋 フジグラン野市店』(高知県野市町)のリニューアルでも、同様にモバイルオーダーシステムを導入しました。

「九州筑豊ラーメン山小屋 フジグラン野市店」リニューアルオープンの告知。オーダー方法についても右下にLINE公式アカウントのQRコードを掲載

「同店はテーブルが10卓以上ある店舗のため、システム導入による業務効率の改善効果が高いと判断しました。実際、導入後はホールスタッフが注文を取りに行く手間を省くことができ、お客さまの回転率も上昇しました。最近ではお客さまもモバイルオーダーによる注文に慣れてきていて、来店から数分で料理を提供できることもあります」

 

モバイルオーダーシステムで注文が完結するため、季節ごとに紙のメニュー表を作成するコストも削減されました。また、業務効率化だけでなく、オーダーミス防止にも効果を発揮しています。

 

「新人スタッフの場合、お客さまの言葉をちゃんと聞き取れなかったり、メニュー名や略称を理解していなかったりなどが原因で、注文を間違えてしまうことが頻繁にあります。しかし、モバイルオーダーシステム導入後、類似のミスは発生しなくなりました。ちょうど、『やまじろう』というラーメンを販売開始したばかりのタイミングだったのですが、複雑なトッピングや要望もお客さま自身がスマホで注文できるため助かりました」

 

さらに、導入後は新人スタッフの教育時間も短縮されました。新人教育で特に重要なのは“レジ打ち”で、金銭のやりとりで間違いがあってはならないため、通常は時間をかけて練習します。しかし、funfoは注文履歴をもとに自動的に支払金額を算出してくれるため、細かな教育は必要なく、店舗全体の会計ミスも減少しています。

 

「LINE公式アカウントやLINEミニアプリの導入判断は、FC店の各オーナーさんに任せていますが、個人的には積極的に導入を検討してほしいと思っています。費用対効果が高いのは間違いないですし、LINE公式アカウントを顧客ロイヤリティー醸成のためのコミュニケーションツールとして活用してもらいたい。本部の営業責任者として、LINEの有効な活用方法を今後も考えていきたいと思います」

 

(公開:2022年8月、取材・文/相澤良晃)

 

※本記事内の数値や画像、役職などの情報はすべて取材時点のものです
※本記事内の実績は取材先調べによる数値です