インタビュー 2018.12.20

一般ユーザーの「リアルな声」とは? LINEリサーチで消費者の実態に近付く

LINEならではの豊富なユーザーに対して調査が可能な「LINEリサーチ」。2016年のサービス開始以降、数多くの利用実績がある同サービスの特徴や独自の強みについて、LINEの各種サービス開発やユーザーリサーチを手掛ける社内リサーチャーであり、LINEリサーチのサービス企画を担当する地福節子と浜田智行に聞きました。

地福 節子

地福 節子(じふく せつこ)
LINE株式会社 インサイトリサーチ室 副室長 / シニアリサーチャー

大手調査会社、大手ポータルサイト運営会社を経て2010年に入社。 2012年に自社サービスのマーケティングリサーチを目的とした調査サービス 「LINEサポーターズ」を立ち上げ、2016年に「LINEリサーチ」として事業化。 現在、LINEリサーチにおける事業責任者として事業企画に従事。

浜田 智行

浜田 智行(はまだ ともゆき)
LINE株式会社 インサイトリサーチ室 / シニアリサーチャー

大手調査会社を経て2016年に入社。自社の様々な事業やサービスの 社内リサーチャーとしてマーケティングリサーチを行なう傍ら、LINEリサーチ における事業企画に従事。

450万人のアンケートモニターを擁するLINEリサーチ

――「LINEリサーチ」とはどんなサービスなのか。その概要を教えてください。

地福 節子

地福 LINEリサーチとは、「LINEアンケート」というLINE公式アカウントと友だちになっているユーザーに対してアンケートを実施するサービスです。現在、LINEアンケートの公式アカウントには1,100万人を超える登録者がいますが、その内、アンケートモニターとしてプロフィール情報を登録しているユーザーは約450万人です。このアンケートモニターに対して、性別や年代、居住地などの属性を組み合わせてアンケートを配信することができます。

アンケートモニターの人数が約450万人と多いことに加え、LINEのメッセージならではのプッシュ力により、さまざまな属性の方からの回答を即座に集めることができます。また、アンケートモニターの半数以上が20代以下の若年層で構成されているため、他社の調査モニターでは不足しがちな回答が収集できることも特徴の一つです。

――LINEリサーチはどのような調査に向いていますか?

浜田 LINEユーザーのような「日常的にスマートフォンを使っている人」を対象とした調査であれば、どのような調査でも有効な結果が得られると思います。また、特定の学年や学部の大学生、美容業界、土木業界、飲食業界といった特定業界の有職者など、これまで対象を細分化したときに十分な回答人数を確保することが難しかった層に対してもアプローチできます。

ご利用いただいた企業の中には、「自由記述のコメントや写真提出で得られる情報が生々しくて面白い」とリピートしてもらえる場合も多いため、ユーザーの生の声に興味がある場合にもおすすめです。

「調査慣れ」していないアンケートモニターが7割

――リサーチャー観点でのLINEリサーチならではの強みは何ですか?

浜田 智行

浜田 既にご説明した特徴に加え、一般的なアンケートモニターに登録したことがない、「調査慣れ」していないモニターが多い点です。登録状況について調査を行ったところ、LINEリサーチのアンケートモニター登録者の約7割は、他社のアンケートモニターに登録していないことがわかりました。

アンケートモニター比較調査結果

LINEリサーチのモニターは他の調査モニターに登録していない人が7割。LINEリサーチでしか意見を聴取されていない人たちが多数存在する。

地福 アンケートモニターの中には、複数のアンケートサービスに登録し、毎日アンケート回答をするような『アンケートヘビー回答者』が一定の割合で存在します。そうしたモニターは、特定の性格特徴を持っていたり、一般的な人たちとは異なる生活習慣をもっていたりする可能性があります。実際、LINEリサーチのアンケートモニターと従来型の他社のアンケートモニターの比較調査を行ったところ、社交性やモノの購買などで結果に差が出ています。どちらが消費者の実態の正解を表しているのかを一概に判断するのは難しいですが、考慮すべきバイアスがあるといえます。

アンケートモニター比較調査結果

従来型モニターはアンケートの回答頻度が高く、毎日のように回答している人が全体の8割を占めるのに対し、LINEリサーチのモニターの割合は1割程度に留まる。

アンケートモニター比較調査結果

年に1回以上連絡を取り合う友だちの数の平均は、LINEリサーチのモニターでは12.3人、従来型モニターでは7.8人。従来型モニターは友だちの数が少ない傾向にある。

アンケートモニター比較調査結果

従来型モニターはLINEリサーチのモニターと比較して、食品・飲料・日用雑貨のカテゴリーにおいて購買に消極的な傾向がある。

浜田 これはリサーチャーとしての個人的な経験から言えることですが、LINEリサーチで得られるアンケート回答の性質は、他のアンケートモニターとは明らかに異なります。仮にこれまでリサーチを行っていた中で、アンケートの回答データと実感がフィットしないと感じたことがある場合、ぜひ一度LINEリサーチを試してみてほしいと思います。

期間限定でLINEのリサーチャーに調査依頼が可能

――LINEリサーチのコースの違いについて教えてください

地福 LINEリサーチで提供しているコースは大きく分けて「サポートコース」と「ライトコース」の2つです。サポートコースでは、パートナー調査会社のリサーチャーに調査設計から集計・分析までを依頼することができるため、綿密な設計が必要な体系立った調査を実施したい場合に活用できます。ライトコースは、アンケートの実施のみをLINEで請け負うものです。質問文と選択肢をお客様自身でご用意いただく必要があり、仕様面での制約もありますが、手軽な料金設定となっているため、コストを抑えてシンプルな調査を実施したい場合などに利用いただければと思います。

また、パートナー調査会社に調査依頼が可能な通常のサポートコースに加え、2019年1月31日までの期間限定で、LINE社内のリサーチャーに調査を依頼できるメニューを用意しています。

サービスの開発や改善においてユーザーの意見や評価を非常に大事にしているLINEでは、ユーザーに対して常に数多くの調査を実施しています。そのようなリサーチを担当するのが私たちのような社内リサーチャーで、調査会社で経験を積んだ者が10名ほど在籍しています。スマホにおけるリサーチや、調査慣れしていない人向けのアンケートづくりに関しての知見には自信がありますので、ぜひこちらもご活用ください。

一般ユーザーの「リアルな声」が聞けるプラットフォームとして

――LINEリサーチを今後、どのようなサービスにしていきたいですか?

地福 節子

地福 LINEリサーチのサービス運用において大切にしているのは、「一般の方のリアルな意見が得られる、日本の未来にとって貴重な調査インフラを保つ」ということです。今後も、モニターとして登録いただいているユーザーを「調査回答者」として育成しないために、調査実施側のエゴを押し付けてアンケート回答時に過度な負担を与えることはせず、エンタメ要素を加えるなどの工夫を取り入れ、LINEリサーチが一般のLINEユーザーに受け入れられるサービスであり続けるための配慮を続けていきます。

こうした考え方自体がこれまでのインターネット調査の常識や慣習とは異なることもあり、他のリサーチサービスと比べると制約や制限も多くなってしまうこともあります。しかし、長期的な視点を持ち、本質を大事にすることで、LINEリサーチをご利用いただく企業に貢献していきたいと思っています。また、スマホやLINEでしかできない調査メニューを増やし、調査の新たな可能性を広げていきたいです。