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リデザイン 2019.01.11

トランスコスモスが考える、LINE法人向けアカウントRedesign(リデザイン)の価値

2018年6月に開催した「LINE CONFERENCE 2018」で、LINEは法人向けアカウントの「Redesign(リデザイン)」を発表した。LINEの広告事業が始まって以来の大きな変化となるこのリデザインを、LINE公式アカウントを活用する企業はどのように見ているのか。

また、LINE公式アカウントを知り尽くした企業は、リデザイン後にどのような世界を見据えているのか。LINEの各種法人向けサービスの販売・開発を行う広告代理店やサービスデベロッパーを認定・表彰するパートナープログラム「LINE Biz-Solutions Partner Program」の「LINE Account Connect」の「Sales Partner」部門において、2018年後期にLINE ビジネスコネクト・LINE カスタマーコネクトでは二期連続となる「Diamond」、LINE公式アカウントでは「Gold」を受賞したトランスコスモス株式会社(以下、トランスコスモス)に伺った。

トランスコスモスが考える、LINE法人向けアカウントRedesign(リデザイン)の価値

(中央)トランスコスモス株式会社  理事 DEC統括 DX本部担当 所 年雄氏
(右) 同社同本部 ソーシャルメディアサービス部 部長 松久 直広氏
(左) 同社同本部 ソーシャルメディアサービス部  ソーシャルメディア2課 課長 柳田 なつ美氏

One-to-Oneコミュニケーションへ高まる期待

トランスコスモスはLINE公式アカウントがリリースされた当初から現在に至るまで、数多くのアカウント運用を手掛けてきました。FacebookやTwitterなどのSNSと比べた場合、同社はLINE公式アカウントの強みを、以下のように捉えていると言います。

「LINEは家族や友人との日常的なコミュニケーションに使われるサービスです。そのため、企業とユーザーが友だちのように会話し、コミュニケーションに感情を乗せることができます。また、企業側が投げかけた情報やプロモーションであっても、アクション率が圧倒的に高い。SNSの法人アカウントやウェブサイトとは異なり、LINEではユーザーが自ら情報を取得するという能動的な行動も起こるようになりました」(所氏)

所 年雄氏

LINE公式アカウントの運用を手掛ける中で、クライアントのニーズからエンドユーザーの行動までさまざまな変化がありました。中でも、LINEにおけるOne to Oneのパーソナルなコミュニケーションへの期待値は、直近1年で大きく加速しています。

「 LINEは今やインフラともいえますが、LINE公式アカウントのサービス開始当初は情報を一方的に配信するメディアという枠を超えるものではありませんでした。そこにLINE ビジネスコネクト*が登場したことで、企業の間にLINEでユーザーとOne to Oneのコミュニケーションをしようという意識が初めて生まれたように思います。そして、LINE ビジネスコネクトを初期に導入した企業の成果が徐々に見え始めてきたこの1年ほどは、LINEを軸としてユーザーコミュニケーションを考え直そうとする企業が増えてきたと感じています」(所氏)

  • LINE ビジネスコネクト: LINE公式アカウントの各種機能を企業向けにAPIで提供することで、一方通行のメッセージ配信だけでなく、ユーザーごとにメッセージを送り分けることを可能にしたサービス。リデザインによって単体サービスとしての LINEビジネスコネクトは終了し、同機能は「LINE Messaging API」として LINE公式アカウントの標準機能となった。

必要なのは、ユーザーと向き合う意識の変革

企業とユーザー間のコミュニケーションにおいてLINEの価値が高まる中、今回のリデザインは導入企業にどのような影響を与えるのでしょうか。当初、この発表を聞いた際の率直な印象を、松久氏は以下のように語ります。

「弊社としてもこれまでやってきたものを、大きく変えなければいけないという危機感を強く持ちました。リデザイン後の料金体系の場合、従来と同様にマスへ向けたアプローチを続けているとCPCが上がってしまうため、個々のユーザーに寄り添ったアプローチが求められます。これまでも仕組みの上では細かなアプローチが可能だったとはいえ、マスに向けたアプローチを行っている企業が大半を占めているのが現状です。LINE公式アカウントと向き合う意識を、クライアントより先に我々が変えていく必要性を感じました」(松久氏)

松久 直広氏

リデザインによる大きな変化の中、トランスコスモスとしてクライアントへ提供していきたい支援について柳田氏はこう語ります。

「リデザインによって、企業側は必然的に個々のユーザーにフィットした情報を提供することが求められます。そのためには、ユーザーをより深く理解する必要があります。簡単なことではありませんが、メッセージの受け手であるユーザーにとっては必ずプラスになることです。ユーザーが本当に欲しいと思うメッセージについて共に考え、一通一通を大切にしながらクライアントをサポートしていきたいです」(柳田氏)

柳田 なつ美氏

リデザインが企業のフルファネルマーケティングを加速

ユーザーに対してより細かなアプローチを実現するためには、それぞれ異なるファネルにおけるユーザーの行動や反応のデータに基づき、適切な接点でアプローチする必要があります。フルファネルでのアプローチが可能なLINEの特徴を最大限に生かすための変化ともいえるリデザインが、企業におけるフルファネルマーケティングを加速させるのではないかと所氏は期待を語ります。

所 年雄氏

「これまではカスタマーサポート部門の領域とされることが多かったCRMについて、マーケティング部門の皆さんが語り始めています。マーケターがCRMまで入り込み、マーケティングデータとコールセンターのデータを結びつけるとき、本当の意味でデータに基づいたユーザー理解が可能になります。一つのプラットフォーム上でフルファネルでのアプローチが可能なLINEが、今回のリデザインでデータ活用の可能性を広げることは、フルファネルマーケティングをさらに加速させるのではないかと思います。

一歩先にLINEを使ったフルファネルマーケティングに取り組んでいる例として、弊社がアカウントの運用を支援している大手通販会社様のLINE公式アカウントがあります。はじめはLINE公式アカウントのみでスタートし、その後、 LINE ビジネスコネクトを導入してセグメント配信を行うようになり、今ではLINE上でチャットでの問い合わせも行っています。リデザイン後は単純なセグメンテーションに限らず、よりパーソナライズされた配信の実現に向けて支援していきたいと思っています。また、これまではなかなかCRMまで踏み込んだ LINE公式アカウントの運用をしていなかった企業に対しても、このようなフルファネルでの LINE活用を提案していきたいですね」(所氏)

コストパフォーマンス最適化への挑戦を続ける

最後に、リデザイン後に向けた意気込みと今後の期待について、松久氏はコストパフォーマンスの最適化に言及します。

「リデザイン以降のLINE公式アカウントの運用に関して、クライアントからいただく相談の中には、コストをかけずにどこまでパフォーマンスを上げられるかを求められるものが多くあります。それを、仕組みでどのように解決すべきかが、現在の我々のミッションです。仕組みづくりという点では、LINE連携に特化した独自プラットフォームである「DEC Connect」の開発者を来春までに倍にし、開発体制を強化していきます。属人化させず、人に頼らず、いかにより効率的な運用を進めていくか、リデザインを踏まえてあらためて挑戦していきたいと思います」(所氏)

所 年雄氏

所氏は、LINEがよりインフラとして活用されることへの期待を語ります。

「LINEは今やインフラの一部です。スマホとLINEの組み合わせによって、インフラとしてあらゆる領域に価値を発揮できる可能性が眠っています。ただ、そこへアプローチするためにも、サービスとしてのLINEがより成長し安定することも求められると思います。今後の変化と拡大に期待しています」(所氏)

(取材・文:小山和之、写真:佐坂和也)