セミナーレポート 2019.03.01

【LINE Biz-Solutions Day 2019】Redesignから急加速する広告事業「LINE Biz-Solutions」の今後

広告の概念を変える、Redesign。

企業とユーザーの関係性をRedesign(リデザイン)することで、広告の概念を変える……。LINEの広告事業が今後、どのように進んでいくのか。2019年2月20日、コンセプチュアルでありながらも、キーメッセージ「Redesign」を強く打ち出したオープニングムービーから始まる法人事業者向けカンファレンス「LINE Biz-Solutions Day 2019」を、東京ミッドタウンホール(東京・赤坂)で開催した。

開場前の東京ミッドタウンホール
開場前の東京ミッドタウンホール

サッカー指導者の西野朗(あきら)氏とLINE株式会社の執行役員として広告ビジネスを担当する池端由基が登場したKEYNOTE、LINE株式会社の代表取締役社長CEO・出澤剛が登壇したセッション「これからのLINE事業戦略」を中心に、同カンファレンスの模様を紹介する。

メイン会場となったAホール
メイン会場となったAホール
会場内に設置されたカフェ兼商談ブース風景
会場内にはカフェ兼商談ブースも設置された

リデザインによって生まれ変わる「LINE Biz-Solutions」

KEYNOTEの登壇者プロフィール

最初のプログラムとなったKEYNOTEでは、スピーカーとして登場した池端がリデザインについて「LINEが行いたいリデザインとは、価値のリデザイン。『その当時は最適解である思われたデザインを、今の時代に合わせて最適化していくこと』との意味を含めている」と解説し、この日の特別ゲストを壇上に迎え入れた。

舞台に登場したのはサッカー指導者・西野朗氏。これまで率いてきたチームでの監督経験を踏まえ、ビジネスにも通じる「短期間でチームをまとめあげた秘訣などの組織論」「勝ち続けるための方法論」などについて語った。その後、インタビュアーとして西野氏の回答を引き出していた池端は、あらためて法人向けサービス「LINE Biz-Solutions」の戦略について解説を加えていく。

池端と西野氏の登壇風景

今回のリデザインにより、LINEの法人向けサービスは「LINE Ads Platform」「LINE Sales Promotion」「LINE Account Connect」を3本の柱とした「LINE Biz-Solutions」として大幅に刷新された。アカウント数37万件を超える旧LINE公式アカウントおよび中小企業・店舗向けの「LINE@」は昨年末に統合を発表し、新たなプランでの提供を開始。新プランの提供開始後にあたる2018年12月には、51件もの新規開設があり、現在約600の企業やブランドのアカウントが存在している。

  • LINE@のアカウント統合は2019年4月18日を予定

リデザインによって統合されるLINE公式アカウント
リデザインによって統合されるLINE公式アカウント
現在約600の企業やブランドのアカウントが存在する

サービスの統合・整理だけでなく、LINE公式アカウント(LINE Account Connect)の料金体系も従量課金制へと刷新される。池端が「アカウントの利用価値や利用シーンが新たに創出される」と語るように、導入コストが大きく下がることで企業はブランドごとのアカウント開設が容易になり、ユーザーの趣味趣向に合致したコミュニケーションが可能になる。

企業アカウントだけでなく各ブランドや用途別のアカウント開設が可能になる
企業アカウントに加えて各ブランドや用途別のLINE公式アカウント開設が容易になる

さらに、池端は「LINE Biz-Solutions」における“残り2本の柱”について説明を続ける。


昨年末に自社開発プラットフォームへリニューアルした運用型広告プラットフォーム「LINE Ads Platform」では、LINE内のデータ活用・保有による、新たな掲載面拡大や新規プロダクト開発などが発表された。正式リリース前に限定的に企業への先行提供が進められたダイナミックリターゲティング広告「LINE Dynamic Ads」では、テスト段階ではあるもののCTR(クリック率)約7倍、CVR(コンバージョン率)約4倍の結果が出た。

池端の登壇風景

さらに、年内の本格稼働を見据えて準備に着手する「LINE Sales Promotion」では、店頭販促ソリューションのラインナップを拡充。総応募数6,500万回、参加者UU数780万人を集めた昨年のキャンペーン「クリスマス福袋」など、商品体験のみならずブランド認知・理解促進に効果を生んだ事例を紹介した。

LINE Sales Promotionのラインナップ

リデザインの先にある新たな戦略

単一的なコミュニケーションアプリから、総合マーケティングプラットフォームへ——。LINEが目指す進化について、池端は「認知から体験へ、そして関係構築へと続いていく多様なユーザーニーズを、LINE上ですべて完結できる、そんなフルファネルマーケティングプラットフォームを目指したい」としながら、「2019年のLINE Biz-Solutions」について下記のように言及した。

認知=LINE Ads Platform「広告配信規模の拡大」

LINE利用者数7,900万人に向けた配信面強化のため「スマートチャネルの本格展開」「アドネットワークの展開とセルフサーブの開始」を念頭に置く。なかでも大きな成長トリガーになる「スマートチャネル」では、昨年末から1,000万人のユーザーを対象にコンテンツ配信と合わせたアドのテスト配信を開始。

LINE Ads Platform スマートチャネルの本格展開

体験=LINE Sales Promotion「オフラインへの拡大」

オフラインの販促施策を拡充する。具体的には、店舗へ来店するユーザーに向けたリアルタイムのキャンペーン訴求・情報発信ができる「LINEチェックイン」提供を開始。店舗内の「LINE Beacon」を活用し、来店ユーザーへメッセージ配信することでキャンペーン告知が可能となる。「LINEチェックイン」は年内に全国5万店舗での稼働を目指す。

店舗への来店ユーザーへメッセージ配信することでキャンペーン告知が可能な「LINEチェックイン」
カンファレンス会場内でも「LINEチェックイン」を活用し、LINEグッズが当たるプレゼントキャンペーンが実施された

関係構築=LINE Account Connect「リデザイン本格始動」

リデザイン後のさらなるステップアップとして、LINE Ads Platform・LINE Sales Promotion両領域との連携で利用シーン・利用方法を拡大する。それを後押しするためにも、管理画面における効果検証の項目を見える化し、レポート・チェック項目も充実させながら配信機能の改善などに取り組む。

リデザインによる変更要件

「成長の先にあるのは、究極のOne to Oneマーケティングを実現するビックデータプラットフォームです。我々がこれまでに導き出した最適解を再度疑い、これまでの価値を新たな価値へと変えるチャレンジを続けたい」(池端)

LINE執行役員 池端由基

なお、池端によって説明されたソリューションの詳細については、各々のテーマを設けて開かれた個別セッションにて、企業担当者とLINE担当者からも紹介された。

LINEスマートポータル戦略の未来

カンファレンスの締めくくりとなるセッションには、LINE 代表取締役社長CEOの出澤剛が「これからのLINE事業戦略」をテーマに登壇した。

LINE 代表取締役社長CEO 出澤剛

LINEは現在、スマートポータルの実現を目指し、「LINE Biz-Solutions」として展開しているコア事業の「広告」と、「Fintech」「コマース」「AI」などの戦略事業を推し進めている。前半では、戦略事業におけるこれまでの取り組みを紹介した。

LINEの成長戦略

■「Fintech」……LINE Payを中心とした金融関連サービス 等

 

■「コマース」……LINEショッピング・LINEデリマ・LINEトラベル 等

 

■「AI」……スマートスピーカー「Clova」 等

 

さらに、出澤は池端のKEYNOTEにもあった「2019年の戦略」について触れながら、その先に見据える「LINE Biz-Solutionsの未来」についても解説し、LINEの戦略事業がマーケティングソリューションとシームレスに融合することで、より多様で深い顧客接点を持つプラットフォームに進化すると語った。


たとえば、多くのユーザーの “おサイフ代わり”になった「LINE Pay」が、大きなマーケティングプラットフォームへと進化する。あるいは、LINE Payでの決済情報や「LINE Beacon」、顔認証技術などで検知した来店情報が組み合わさることで、オフライン領域をも含めた最適なユーザーコミュニケーションが構築できる。さらには、チャットボットエンジンの高度化やOCR・画像認識技術の向上により新たなソリューションも生まれる——。


「こうしたことが3年後、あるいは5年後には当たり前の社会になっている。それを日本国内で実現できる企業は、LINEだと自負している」(出澤)


LINEは「人(ユーザー)と『人』『サービス』『企業』の距離を縮める」という意味が込められた「CLOSING THE DISTANCE」をコーポレートミッションに掲げている。今回のカンファレンスで主題となった「Redesign」も、企業とユーザーの距離を縮めるための転換点になるかもしれない。LINEの広告事業は、2019年に大きな変化を遂げる。

この情報は役に立ちましたか?