セミナーレポート 2019.04.02

TBC、ロクシタンがマーケティングにLINEを活用する理由

2月20日、東京ミッドタウンで「LINE Biz-Solutions Day 2019」が開催された。同カンファレンスにて行われたセッション「LINEで実現するフルファネルマーケティング活用」には、エステティック大手TBCグループ株式会社(以下、TBC)、南仏のナチュラルコスメティックブランドであるロクシタンジャポン株式会社(以下、ロクシタン)、株式会社オリエンタルランド(以下、オリエンタルランド)が登壇し、自社のLINE活用事例を語った。

異なるマーケティングファネルの顧客に対し、LINEを活用して効果的なアプローチを展開する各社の取り組みを紹介する。

TBC、ロクシタンがマーケティングにLINEを活用する理由

マーケティングファネルでLINEが果たす役割とは

国内スマートフォンユーザーの約8割が利用するLINEは、いまやコミュニケーションツールとして日常生活に欠かせない存在となった。その結果、「LINEをマーケティングに活用したい」という企業も年々増えている。

しかし、マーケティング活動における目的は、企業によって異なる。たとえば、「認知・興味」から「理解」「検討」、そして「購入」に至るまでのプロセスはもちろん、その後の「ファン化」「継続購買」などエンゲージメントを向上させるまで、各ファネルによって施策内容も見るべき数値も違う。

では、マーケティングファネルのなかで、LINEをどのように活用することができるのか。LINE株式会社 ビジネス開発本部 カスタマーサクセス室 室長 飯塚純也は、LINEの各種ソリューションがマーケティングファネルへどのように対応しているかを説明した。

認知獲得から継続購買まで、各ファネルに合わせて活用できるマーケティングソリューションがLINEにはある

認知獲得から継続購買まで、各ファネルに合わせて活用できるマーケティングソリューションがLINEにはある

「LINEの代表的なソリューションであるスポンサードスタンプや、月間7,900万アクティブユーザーに広告を配信する『LINE Ads Platform』、使い方によって認知から購入、そしてファン化や継続購買まで幅広くカバーできます。購入を後押しするソリューションとしては、商品認知や店頭配布施策を融合した『LINEサンプリング』『LINEポイント』といった『LINE Sales Promotion』があります。LINEのソリューションを組み合わせることで、新規顧客の獲得から購買以降のリピーター育成まで対応することができます』(飯塚)

異なるファネルの顧客に対し、どのようにLINEを活用しているのか。続いて、TBC、ロクシタン、オリエンタルランドの担当者が、それぞれの活用術について語った。

登壇した3社間でLINEを活用して捉える顧客のファネルがそれぞれ異なる

登壇した3社間でLINEを活用して捉える顧客のファネルがそれぞれ異なる

店舗への誘導から本契約までのプロセスをLINEで強化するTBC

エステティック大手のTBCは、同社のビジネスモデルの特性から、認知・興味から購入(体験エステコースの申し込み)までのファネル戦略でLINEを活用している。

2015年にLINEを導入したTBCは、自社システムとLINEをAPIで連携させ、既存顧客の属性に近いLINEユーザーへのターゲティングメッセージの配信を開始。現在はLINE Ads Platformを活用し、認知・興味の促進施策を進めている。

TBCグループ 株式会社 取締役 マーケティングPR戦略部部長 広報室室長 長田 佳敏氏

TBCグループ 株式会社 取締役 マーケティングPR戦略部部長 広報室室長 長田 佳敏氏

「ブランド認知については、まずは広告を通じて当社の商品やサービスを知っていただくことから始まります。そこで検討いただき、体験エステコースを予約してもらう。ここまでが宣伝領域だと認識しています。その後、体験コースを受けていただいたお客様に本契約のパッケージコースをご契約いただき、リピートしてもらうことがゴールとなります。つまり宣伝領域終了後は、店舗の対応が肝となり、スタッフのコミュニケーション力に頼ることになります」(TBCグループ 株式会社 取締役 マーケティングPR戦略部部長 広報室室長 長田佳敏氏)

TBCにおいて LINEが活用されているのはブランド認知と体験申し込みの獲得に渡る「宣伝領域」

TBCにおいて LINEが活用されているのはブランド認知と体験申し込みの獲得に渡る「宣伝領域」

同社のビジネスにおいてLINEが活用されているのは宣伝領域だ。LINE以外にもテレビCMはもちろん、電車内広告やYouTube、InstagramやFacebookなど、さまざまな媒体を通じて施策を展開している。他媒体と比較した際のLINEの魅力について、長田氏は「TBCの店舗数が200店舗あるため、新規顧客獲得のフェーズにおいては相当数をカバーする必要がある」と述べたうえで、LINE Ads Platformの3つのメリットについて以下のように語った。

「LINEの圧倒的なユーザー数とアクティブ率の高さ。そして、日次で配信をコントロールでき、年間を通して安定した獲得が見込めること。これにより、マーケティングの予測精度が上がり、その後のマーケティングプロセスもしっかり事前準備ができます」(長田氏)

エステティックサービスは通常、夏が一番の繁忙期となるが、冬は需要が減少する。とはいえ、全国200以上の支店を常時運営していることもあり、年間を通じて安定した顧客獲得が必要だ。このニーズに応えられるのが、LINE Ads Platformの大きな魅力だという。

LINEをフルファネルで活用して効果を上げているロクシタン

一方、フルファネルでLINEを活用しているのがロクシタンだ。同社がLINEアカウントを開設したのは2013年で、同社マーケティング本部の安倍もと子氏は「現在、マーケティング施策において、LINEは欠かせないツールとなっています」と活用状況を述べる。

実際、同社のLINE公式アカウントの友だち登録者数は年々右肩上がり(2018年末時点で登録者数1,980万人)で、それに伴い売上も上昇している。

ロクシタンジャポン株式会社 マーケティング本部 EC/CS/CSR コミュニケーション・イノベーション シニアマネージャー 安倍 もと子氏

ロクシタンジャポン株式会社 マーケティング本部 EC/CS/CSR コミュニケーション・イノベーション シニアマネージャー 安倍 もと子氏

ロクシタンでは、LINEの友だちに対して4つのコミュニケーション軸を持っている。

ロクシタンでは、LINEの友だちに対して4つのコミュニケーション軸を持っている。

①モバイル会員証をLINE公式アカウント内に実装
集客と購買頻度の向上を目指し、LINE公式アカウント内にモバイル会員証を実装した。このモバイル会員証は、多くの商業施設や店舗で運用されているポイントカードと同じもので、それをLINE公式アカウント内に実装した形だ。

②メッセージ配信
LINE公式アカウントから配信するメッセージと、API連携によるターゲティングメッセージの配信を行い、集客やクロス/アップセルの促進、離脱防止に活用している。

③LINEスタンプの活用
新規顧客を獲得する目的のLINEプロモーションスタンプのほか、たとえば「LINE内のメンバーズカードに個人情報を登録する」といったミッションを設定し、それをクリアすると配布されるスポンサードミッションスタンプも併用しながら顧客情報を収集している。

④ロイヤリティー向上のための情報発信
収集した顧客データやモバイル会員証の情報を活用し、ロイヤリティープログラムの情報配信にLINEを活用している。優良顧客は「Club L'OCCITANIA Reine」という特別仕様のカードとなり、ロイヤルメンバーにしか配信されないキャンペーンなどもLINEで告知している。

「セールスのトラッキングを行い、LINE公式アカウントを開設して以降、LINE経由での売上が伸長していることを確認しています。だからこそ、LINE施策に投資を続け、成果を上げ続けることができています」(安倍氏)

マーケティングファネルのどのフェーズに注力するかがLINE活用のポイント

ビジネスの特性や扱う商材の違いによって、LINEにはさまざまな活用方法がある。TBCにおいてはLINEの圧倒的なリーチ力を活用したコミュニケーションを展開し、店舗での顧客体験に誘導している。また、ロクシタンでは集客した友だちや顧客に対してコミュニケーションを続けることで、顧客のライフタイムバリューとロイヤリティー向上を実現している。

セッションの最後には、両社から「今後はLINE公式アカウントだけでなくLINE Ads Platformも活用も視野に入れて、新規のお客様へもメッセージを届けていきたい」(安倍氏)、「今後、エリア別の配信精度がさらに向上することに期待している」(長田氏)とLINE Ads Platformへの期待が語られ、今後もLINEを活用したマーケティング施策を展開していく構えを見せた。

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