セミナーレポート 2019.08.05

パブリッシャーとの成長目指す「LINE Ads Platform for Publishers」

2019年8月、LINEはLINEアプリや関連サービスに加え、4,600以上の外部アプリメディアに広告配信が可能なアドネットワークサービス「LINE Ads Platform for Publishers(以下、LAP for Publishers)」の提供を開始した。

 

新サービスのローンチに先立ち、7月30日に東京・六本木のグランドハイアット東京にて開催されたイベント「LINE Ads Platform for Publishers Launch Party」の模様を紹介する。

パブリッシャーとの成長目指す「LINE Ads Platform for Publishers」

セミナー会場の様子。当日は300名を超えるパブリッシャーが一堂に会した

パブリッシャーとの成長目指す「LINE Ads Platform for Publishers」
パブリッシャーとの成長目指す「LINE Ads Platform for Publishers」

セミナーの後は懇親会を開催

人気アプリが多数参画する「LINE Ads Platform for Publishers」

LINEはこれまでも、コミュニケーションアプリ「LINE」やLINE NEWS、LINEマンガなどのファミリーアプリに広告が配信できる「LINE Ads Platform(以下、LAP)」を展開してきた。それが今回、アドネットワークサービス「LAP for Publishers」のローンチによって、LINEやファミリーアプリだけでなく、参画する4,600以上の外部アプリメディア全てに広告の配信が可能になった。

パブリッシャーとの成長目指す「LINE Ads Platform for Publishers」

LINE関連アプリだけでなく、4600以上のアプリメディアへ広告配信が可能に

特長1:厳正な品質審査を実施

広告配信に際しては、広告主のブランドイメージの毀損がないよう、違法コンテンツを取り締まる公的機関への参照や、社会的に有害とされるコンテンツへの有無など、メディアに対して厳正な品質審査を行う。また、配信先のメディアもLINE社内にて厳正な審査を経ているため、一定の基準を満たした良質なメディアへ広告が配信される。

 

特長2:LAP for Publishersへの配信は自動的に開始

LAP for Publishersの広告配信は、デフォルトで自動配信が設定されている。従来のLAPをすでに利用している場合、2019年8月1日以降は自動配信へ移行。また、3rd partyアプリへの配信に関しては、任意で特定の配信先を除外できる。

 

特長3:入札単価は相対的に低価格

事前に行ったテスト結果では、LAP for PublishersとLAPの比較で、自動入札で入札単価(CPM)が77%低いという結果が得られた。また、40CVを目安とした学習期間を経ることで、機械学習による最適化で広告パフォーマンスを安定的に向上することができる。

 

なお、4週間実施したテスト配信においては、LAPで伸び悩んでいる商材が、LAP for Publishersでimpボリュームがいずれも増大している。生命保険広告については100%、アプリ広告については341%の増加を記録した。

LINEの“ちから”をモバイルアプリに還元するLAP for Publishers

イベント冒頭に登場したLINE株式会社 執行役員 広告ビジネス事業担当の池端由基は、LAP for Publishersを“新しいチャレンジ”だと表現する。

LINE株式会社 執行役員 広告ビジネス事業担当 池端 由基

LINE株式会社 執行役員 広告ビジネス事業担当 池端 由基

「LINEの広告事業の強みは、8,100万MAUを誇る圧倒的なユーザーへのリーチ力、これらのユーザーから得られた膨大なオーディエンスデータにあります。この強みをさらに拡大し、さまざまなアプリへ還元するという新しい“チャレンジ”がLAP for Publishersです」(池端)

 

チャレンジ実現に向けては、2017年にLINEが完全子会社化したファイブ株式会社(以下、ファイブ)が大きな役割を担っている。ファイブは2014年にモバイル動画広告プラットフォームをリリースし、モバイル広告に関する成功ノウハウや知見を蓄積してきた。LINEとファイブは2017年12月、相互の広告プラットフォームの強化を図って資本業務提供を結び、互いのリソースやノウハウを結集してこのたびLAP for Publishersを立ち上げた。

パブリッシャーとの成長目指す「LINE Ads Platform for Publishers」

LINEとファイブの持つ強みを合わせることで、 LAPの強みをパブリッシャー、広告主、ユーザーへ届けることが可能になる

「LAP for Publishersの理念は、ファイブが持つノウハウとLINEが持つ強みを掛け合わせることで、アプリパブリッシャー、広告主、そしてユーザーに新たな価値を提供することです。この理念に賛同し、新たに『AbemaTV』と『TikTok』がLAP for Publishersのパートナーパブリッシャーとして参加しています」(池端)

LAP for Publishersが目指すのはユーザー視点の良質な広告サービス

続いて壇上には、LINE株式会社 LINE Ads Platform for Publishers事業本部 事業本部長 菅野圭介が登場。ファイブの創業者であり、LAP for Publishers開発に大きく貢献した菅野は、LAP for Publishersの開発コンセプト「GROW WITH LINE(LINEと共に、次の成長へ)」を発表した。

LINE株式会社 LINE Ads Platform for Publishers事業本部 事業本部長 菅野 圭介

LINE株式会社 LINE Ads Platform for Publishers事業本部 事業本部長 菅野 圭介

「私たちの日常に根付いたモバイルアプリは、日々の生活を楽しく豊かにするツールです。LINEはそんなパブリッシャーの近くにいて、その成長を支援したいと考えています。このコンセプトを背景に大切にしている理念が『広告の受け手であるユーザーを保護する』ということです。そのため、LAP for Publishersでは従来のLAPで設定している広告ポリシーに基づく厳正な広告審査を経て、本当にユーザーのためになる高品質な広告のみを配信していきます」(菅野)

 

具体的には、良質な広告のパフォーマンスを最大化するため、デザインを微調整して簡単にA/Bテストが実施できる「カスタムレイアウト機能」、機械学習による入札で収益最大化を実現するなど、パブリッシャー向けの機能が充実している。また、広告主にはLINEが持つ大規模データの活用、ユーザーメリットがある広告との出合いを実現することで、パブリッシャー、広告主、ユーザーの三者に高付加価値を提供する狙いだ。

パブリッシャーとの成長目指す「LINE Ads Platform for Publishers」

ユーザー、広告主、パブリッシャーの三者に価値を提供していく

菅野は「近い将来には、ブランド広告の取引に適したPrivate Market Place もリリースしていく予定」と紹介して講演を締めくくった。

パブリッシャーの成長を援護射撃するPublisher Growth Program

LINEが今回、LAP for Publishersで実現するのは、外部アプリメディアへの広告配信だけではない。「GROW WITH LINE」を実現するため、パブリッシャー向けにさらに踏み込んだソリューションを提供していく。

 

続いて登場したLINE株式会社 LINE Ads Platform for Publishers企画・推進室 室長 木原宏樹は、パブリッシャーのGROW(成長)をLINEが支援するためのソリューションについて語った。

LINE株式会社 LINE Ads Platform for Publishers企画・推進室 室長 木原 宏樹

LINE株式会社 LINE Ads Platform for Publishers企画・推進室 室長 木原 宏樹

「一つは『収益化』です。具体的には、LAP for Publishersで単価が高く収益性も見込める良質な広告を配信することを目指します。もう一つが『成長支援』。これは、パブリッシャーが提供するアプリのサービス成長をLINEがサポートしていくというもので、LINEが持つさまざまなソリューションを特別プログラムとしてパブリッシャーに提供し、アプリそのもののグロースを支援していく取り組みです。サービス名は『Publisher Growth Program(PGP)』で、具体的なプログラムは次の3つです」(木原)

パブリッシャーとの成長目指す「LINE Ads Platform for Publishers」

(1)OA(Official Account)Program

LINE公式アカウントをベースとしたマーケティング支援。LINE公式アカウントの友だち増加施策(商品)を優遇提供、これまでのアカウント運用ノウハウを提供する。また、最大の障壁でもある配信コストについては最大無償という特別テーブルで提供し、自社サイト誘導によるDAUやPV、リテンションレートといったKPIの支援を行う。メディアやコミック、ツール、コミュニティーといったジャンルのパブリッシャーに適している。

 

(2)UA(User Acquisition)Program

LINEポイントを使ったCPIメニューを利用したダウンロード促進プログラム。ゲームアプリなど、インストールを促進させたいパブリッシャーに適している。

 

(3)Retention Program

LINEポイントをリワードとした、動画リワード広告商品。広告フォーマットや広告商材はLINEがサポートし、ユーザーにリワードするLINEポイントも安価(最大で無償)で提供する。あらゆるジャンルのアプリに効果が期待できる。

パブリッシャーとの成長目指す「LINE Ads Platform for Publishers」

 

これらのプログラムは、2019年秋から順次リリースを予定している。

国内トップアプリのCEO&CTOが明かすグロース戦略

イベントの後半では、アプリバプリッシャーをゲストに招き、アプリ事業の成長過程、広告事業をスタートした経緯、今後の展望についてのセッションが行われた。

 

最初にレシピ動画アプリ「DELISH KITCHEN」を運営する株式会社エブリー 代表取締役 社長 CEOの吉田大成氏、そしてヘルスケア/フィットネスアプリ「FiNC」を提供する株式会社FiNC Technologies 代表取締役 CTOの南野充則氏が登場した。

(写真左から)LINE株式会社 LINE Ads Platform for Publishers事業本部 事業本部長 菅野 圭介、株式会社エブリー 代表取締役 社長 CEO 吉田 大成氏、株式会社FiNC Technologies代表取締役 CTO 南野 充則氏

(写真左から)LINE株式会社 LINE Ads Platform for Publishers事業本部 事業本部長 菅野 圭介、

株式会社エブリー 代表取締役 社長 CEO 吉田 大成氏、株式会社FiNC Technologies代表取締役 CTO 南野 充則氏

両社の広告戦略やLAP for Publishersに寄せる期待については、下記の記事で詳しく紹介している。

TikTokとAbema TVが語るブランド広告市場における成長戦略

続いて、国内最大級の動画配信アプリ「AbemaTV」を運営する株式会社AbemaTV広告本部 本部長 兼 株式会社サイバーエージェント 取締役の山田陸氏、ショートムービーアプリ「TikTok」を運営するBytedance株式会社 Product Marketing Division 本部長 岩田幸也氏が登場。

(写真左から)LINE株式会社 執行役員 広告ビジネス事業担当 池端 由基、株式会社AbemaTV 広告本部 本部長 兼 株式会社サイバーエージェント 取締役 山田 陸氏、Bytedance株式会社 Product Marketing Division 本部長 岩田 幸也氏

(写真左から)LINE株式会社 執行役員 広告ビジネス事業担当 池端 由基、株式会社AbemaTV 広告本部 本部長 兼

株式会社サイバーエージェント 取締役 山田 陸氏、Bytedance株式会社 Product Marketing Division 本部長 岩田 幸也氏

動画メディアとして多数のユーザーを抱える両アプリの国内シェア状況や、成長戦略ならびに広告事業戦略を踏まえてLAP for Publishersに期待することなど、詳細を伺った両社へのインタビュー記事は後日公開予定。

 

「GROW WITH LINE」をコンセプトにしたLAP for Publishersが提供するサービスや展望を紹介したが、LINEは今後もモバイルユーザーにとって、より便利で有益な情報を提供する広告を実現するため、機能・サービスも共に拡充していく。