サービス情報 2018.12.18

LINEの法人向けアカウントのRedesign(リデザイン)とは?│サービス内容の変更点まとめ

2018年6月に開催した「LINE CONFERENCE 2018」で、LINEは法人向けLINE公式アカウントの「Redesign(リデザイン)」を発表した。2018年12月に始まるこの取り組みで、LINEはユーザーと企業の関係性をどのように再構築していくのか。

全6回にわたる特集記事の第1弾として、まずはリデザインによるプランや機能面における変更点、および企業とユーザーのコミュニケーションに与える影響などをまとめた。

リデザインの主な変更点5つ

リデザインによるプランや機能面における主な変更点は以下の5つです。

① アカウントの種類の統一
② 0円スタート・従量課金の料金プラン
③ レポート機能の強化
④ 最適なメッセージ配信のための追加機能
⑤ プロダクトを横断したデータ活用

リデザインの主な変更点①:アカウントの種類の統一

LINE公式アカウントの種類には、従来「LINE公式アカウント」「API型公式アカウント」「LINEビジネスコネクトアカウント」「LINEカスタマーコネクトアカウント」「LINE@」の5種類あり、それぞれ料金体系や使える機能が異なりました。今回のリデザインにより、5種類のアカウント間の機能の差はなくなります。今後、順次「LINE公式アカウント」として一本化され、シンプルでわかりやすいプラットフォームとして生まれ変わります。

「LINE公式アカウント」「API型公式アカウント」「LINEビジネスコネクトアカウント」「LINEカスタマーコネクトアカウント」「LINE@」の5種類のアカウントが「LINE公式アカウントに一本化」

リデザインの主な変更点②:0円スタート・従量課金の料金プラン

これまで、LINE公式アカウントを開設・維持するためには月額250万円の固定費が必要でしたが、新しい料金プランは、一律0円からスタートが可能な従量課金制となりました。従量課金制への変更でアカウントの開設コストが小さくなることにより、小規模な施策から始めて効果検証を行い、効果に応じて投資額を増やすというアプローチが取りやすくなります。

固定費を廃止したことでアカウントの維持コストも小さくなるため、複数アカウントの開設と併用が容易になります。これまでは企業単位のアカウントしか持っていなかった企業が、ブランド毎にアカウントを持つなど、目的に応じて複数のアカウントを使い分ける企業が増えていくでしょう。ユーザーにとっては、自分の興味に近い情報を受け取るためのアカウントの選択肢が増えるメリットがあります。

さらに、メッセージの配信費用が従量課金制になることにより、これまでは多くの場合において費用対効果的にLINE公式アカウントの一斉配信機能でブロード配信をしていた企業が、ユーザーへより関連性の高いセグメント配信を優先していくことで、企業が配信する一通一通のメッセージのユーザーにとっての価値が高まっていくことが期待できます。

複数アカウントを開設し、ターゲティングデータを活用してユーザーごとにカスタマイズされた配信を行い、結果から得られたデータを活用してさらなる効率化を図ることも将来的に可能に

リデザインの主な変更点③:レポート機能の強化

ユーザーにとって最適なメッセージ配信を実現するには、PDCAを補助するためのツールが不可欠です。今回のリデザインでは、多くの要望があったレポート機能が強化されます。

2018年12月に提供された新プラットフォームでは、これまで配信単位でしか見ることができなかったメッセージの配信数とクリック数を日単位でも確認することができるようになるほか、ホーム画面のPVしか見ることができなかったタイムラインの指標も、投稿別のインプレッション数とクリック数が確認できます。また、メッセージや友だちの情報を集約して閲覧できるダッシュボード機能も追加されます。

ダッシュボードでは「メッセージ」「友だち」「チャット」の概要の確認が可能

さらに、レポートフォーマットのUI改善や、興味関心情報や友だち獲得経路情報などのレポート項目強化、横断レポート(運用型広告、店舗誘導の販促施策のデータ等)の内容強化など、LINE公式アカウントをより便利に活用できる機能を順次、拡充していく予定です。

リデザインの主な変更点④:最適なメッセージ配信のための追加機能(2019年夏実装予定)

リデザインでは、ユーザーに合わせたメッセージ配信を実現するため、以下のような機能追加も予定しています。

・複数のクリエイティブを入稿して検証を行い、ユーザーセグメントに合わせたメッセージの最適化を実現するA/Bテスト機能
・ユーザーの興味・関心や行動特性に応じた最適化が行えるよう、LINEタグを活用したリターゲティング・メッセージ機能
・LINE公式アカウントの配信内容や友だちへの推奨度に関するユーザーの評価を即座に、そして定期的に確認し、運用改善に役立てることのできるユーザーフィードバック機能

そのほか、ユーザー目線での便利なサービスやリッチなコンテンツを、企業がより手軽に配信することができる機能の拡充を続けていきます。

リデザインの主な変更点⑤:プロダクトを横断したデータ活用(2019年夏以降実装予定)

2019年夏以降には、LINE公式アカウントからのメッセージの配信結果や、販促施策のプラットフォームであるLINEで応募(旧LINEセールスプロモーション)の実施結果を、運用型広告のLINE広告(旧LINE Ads Platform)の配信に活用するなど、LINEの各種プロダクトを横断した配信が可能になります。

例えば、以下のような配信が可能です。

・ LINE公式アカウントと友だちになっているユーザーの内、エンゲージメントの高いユーザーを類似拡張してLINE広告の配信を行うことで、自社のサービスやブランドに関心を持ってもらえる可能性が高い層にリーチする
・LINEで応募のキャンペーン施策で応募に至らなかったユーザーと類似する属性のユーザーを除外してLINE広告の配信を行うことで、無駄を省いて広告の効率性を高める
・ LINE公式アカウントをフォローしているものの、未開封やブロックによりリーチできないユーザーに対してLINE広告の配信を行うことで、再訴求を行う

このように、ユーザーの行動に合わせたコミュニケーションをLINEのプロダクトを横断して行うことで、より高い効果が期待できます。

より使いやすく、ユーザーにとって価値あるプラットフォームへ

以上が、プランや機能面におけるリデザインの主な変更点です。「LINE公式アカウントを通して、企業が顧客にとってより便利なサービスや価値のあるメッセージを届けやすくなるように」というコンセプトがリデザインの根幹にあります。LINEが今回の変革に踏み切った背景や目指す未来については、以下の記事で紹介しています。

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