サービス情報 2019.01.18

サイバーエージェントが考える、LINE公式アカウントRedesign(リデザイン)の価値

株式会社サイバーエージェント インターネット広告事業本部 販促革命センター ダイレクトセールス局 ダイレクトセールスグループ 本部セールスGマネージャー 井原 應成氏

2018年6月に開催した「LINE CONFERENCE 2018」で、LINEは法人向けアカウントの「リデザイン(Redesign)」を発表した。LINEの広告事業が始まって以来の大きな変化となるこのリデザインを、LINE公式アカウントを活用する企業はどのように見ているのか。また、LINE公式アカウントを知り尽くした企業は、リデザイン後にどのような世界を見据えているのか。


LINEの各種法人向けサービスの販売・開発を行う広告代理店やサービスデベロッパーを認定・表彰するパートナープログラム「LINE Biz-Solutions Partner Program」の「LINE Account Connect」の「Sales Partner」部門において、2018年後期にLINE公式アカウントで最高位の「Diamond」、LINE ビジネスコネクト・LINE カスタマーコネクトでは二期連続で「Gold」を受賞した株式会社サイバーエージェント(以下、サイバーエージェント)に話を伺った。

リデザインで広告配信のパーソナライズ化が促進

「LINEは各ユーザーのスマートフォンにインストールされていて、企業アカウントから直接、ユーザーにメッセージを届けることができます。メッセンジャーアプリとしては日本一だと思いますし、他のSNSにはない強みを兼ね備えています。企業がLINEを使うことで、ユーザーとの距離をもっと近づけていくことができると思っています」


サイバーエージェントはLINE公式アカウントがリリースされた当初から現在に至るまで、数多くの LINE公式アカウントの提案・運用に携わってきました。パートナー企業としてLINEへの可能性を間近で感じてきた一方、次第にクライアントからの懸念事項も聞こえるようになったといいます。その課題が、「アカウントのブロック」です。


「公式アカウント開設後、クライアントが挙げる課題で最も多いのがブロック率の高さです。アカウントのブロック率が高い状態とは、ユーザーがアカウントに対してネガティブな感情を一瞬でも抱いた、ということです。企業がユーザーとの関係を構築する上で避けるべき事態だと考えているため、どのように改善しながら LINE公式アカウントを運用していくのか、自分たちの中でも課題を感じていました」

井原 應成氏

そんな中で迎えたリデザインの発表。井原氏は新たな料金体系「従量課金制」が、これまでのメッセージ配信のあり方に大きな変化をもたらすと言います。


「ユーザーに合わせた情報を提供するためにセグメント別に広告を配信しようと思っても、従来の料金体系ではコストがかさみます。その結果、広告の一斉配信という方法を選び、ユーザーが求めていない情報を発信してしまう場合もありました。それが、リデザインによる従量課金制の導入で、コスト効率を求める上でもセグメント別の広告配信を行っていく必要性が生まれました。市区町村・興味・関心別などのみなし属性でのメッセージ配信も可能になるため、『適した情報を適した人に届ける』という本来あるべき形への転換が進んでいくと思っています」

リデザインで販促領域が大きく変わる

サイバーエージェントでは社内で2017年9月にLINEを活用して来店促進を図る専門組織「販促革命センター」を立ち上げるなど、LINEをプラットフォームとした販促プロモーションのデジタル化にも取り組んでいます。井原氏は、販促プロモーションのデジタル化を促進させる過程において、LINE公式アカウントの強みを以下のように語ります。


「折込広告やポスティング広告、DM広告などはLINEに置き換えられると思っています。今の時代、ポストにチラシを入れてもほとんど読まれませんが、LINEを活用すればユーザーごとに最適な情報が届けられる。販促プロモーションが来店につながったかどうかも計測可能で、そこから費用対効果も算出できる。企業は無駄に予算を投下せずに済みますし、ユーザーは自分に不必要な情報を受け取ることがなくなります。LINEを活用した販促プロモーションは企業とユーザー、双方にとって良い影響をもたらしてくれていると感じています」

井原 應成氏

そして、リデザインで最も大きく変化する可能性があるのは販促領域だと主張する井原氏は、リデザインが販促のあり方に与える影響と、こうした変化に対してどのように向き合っていくべきかについて語ります。


「デジタルにおける販促プロモーションを成功させる上で最も重要なのは、データの量です。リデザインによってデータ活用の可能性が大きく広がることは、販促プロモーションのあり方に大きな変化を与えるでしょう。例えば、LINEサンプリングで飲み物が当たって、コンビニへ引き換えにいく。ユーザーは複数回の当選を狙っているかもしれませんが、企業としてはまだ飲んだことのないユーザーに飲んでもらいたい。もし、LINEに蓄積されたデータを活用することができれば、過去に飲んだことがあるかどうか、商品を引き換えたことがあるかどうかがわかるため、従来の販促では成し得なかった精度でのターゲティングも可能になります。リデザインによって、多くのユーザーを抱える LINE上のデータ活用の可能性が広がります。販促プロモーションにおいてもこのチャンスを生かし、より本質的な施策の提案を行っていきたいです。


また、デジタルにおける販促プロモーションのクリエイティブにはまだ成功事例と呼ばれるものが少ないので、クリエイティブについても代表的な成功事例を生み出していきたいですね」

オペレーション、クリエイティブ、テクノロジー全てをワンストップで

井原 應成氏

リデザインに向けて、サイバーエージェントは体制も強化。2018年8月には販促領域に特化したクリエイティブ専門組織「Local Technology Creative Center」を新設するなど、LINEの変化に合わせて社内体制も柔軟に変えていこうとしています。


「リデザインが始まって運用の肝となる部分が見えてくれば、それに対してアジャストして体制を組み、仕組み化していくつもりです」


最後に、リデザイン後に向けた意気込みについて話してくれました。


「LINE公式アカウントの運用においてユーザーごとに合わせたアプローチの重要度が高まることは素晴らしいことですが、一方で、そうした細やかな運用を実現するためには企業が考えるべきことが増えていきます。そんな中で私たちパートナーに求められるのは、オペレーションとクリエイティブとテクノロジーという3つのソリューションを、ワンストップで提供していくことだと考えています。企業が工数を割かずに安心して運用を任せられるオペレーション、豊富な経験に基づいたクリエイティブの提案、 LINEの豊富なデータを活用するためのテクノロジー。これらをワンストップで提供することができる体制と、LINE公式アカウントにLINE Ads Platformや LINE Sales Promotionなどのメニューを組み合わせるなどの幅広い提案力で、リデザイン以降は一層面白い施策が展開できるように企業の LINE活用を支援していきたいです」


(取材・文:新國翔大、写真:小田駿一)