LINE広告のコンサルタントに聞く!――目的は広告運用ノウハウの蓄積と企業の自走支援
LINE株式会社 広告事業本部 Account Developmentチーム 小林 裕太(左)
LINE株式会社 広告事業本部 Kick Startチーム 小檜山 南(中央)
LINE株式会社 広告事業本部 Kick Startチーム 岩村 槙一郎(右)
LINE広告では、自社で広告運用を行う企業に対して、広告の配信設定やレポートの作成、それに伴う改善点の提案などを行うコンサルタントチームが存在する。企業の「広告運用ノウハウの蓄積と自走支援」を目的とする担当者3名に、具体的なサポート内容や事例などについて話を聞いた。
成果を最大化するための無料コンサルティング
ーーそれぞれの担当領域や役割について教えてください。
岩村:2018年10月、中小企業・店舗の課題解決を担う組織としてマーケットグロース事業部が立ち上がり、企業やそのマーケティングを支援する広告代理店を対象に、LINEを活用したマーケティング施策の提案やサービス訴求を行ってきました。
そんなマーケットグロース事業部の中で、私と小檜山が所属するKick Startチームは、LINE広告のアカウントを作成した企業に対し、広告配信や出稿方法に関する全般的なコンサルティング業務を担当しています。
小檜山:具体的には、出稿したいサービスや商品などの詳細をヒアリングした上で、最適な配信プランの作成から始めます。広告配信をスタートした後は、日々のモニタリング、結果に対するレポーティングを行い、要望に沿って改善の提案を行っています。
小林:Account Developmentチームという組織に所属しています。LINE広告に関して問い合わせがあった企業に、画面共有ツールや電話・メールなどを通じて活用のサポートを行っています。私のチームは主にインバウンド対応、岩村や小檜山のチームはアウトバウンド対応という点で切り分けられていますが、内容に大きな違いはありません。LINE広告を活用して着実に効果を上げていくため、目的別のポイント、陥りがちな失敗に対する改善方法など、問い合わせに対して必要な知識、方法をお伝えしています。
岩村:LINE広告は運用型広告という性質上、複数回PDCAを回し、運用の精度を上げていくことで成果が最大化できます。特に運用型広告への出稿が初めての企業に対して成果を実感してもらえるよう、規定の出稿金額を満たす場合は無料でコンサルティングを行っています。おかげさまでLINE広告のアカウント開設数も半年前に比べ約2倍(2020年7月時点)に増加するなど、多くの企業に活用いただけるようになりました。

LINE株式会社 広告事業本部 Kick Startチーム 岩村 槙一郎
ーーLINE広告の運用について、陥りがちな失敗や課題などがあれば教えて下さい。
小林:大きく3点あると考えています。1点目は、他のSNSやWebメディアの運用方法をそのまま転用しようとしてしまい、「LINEならでは」の特長や機能を活用できていないケースです。2点目は、クリエイティブ改善などのPDCAを回しながら運用の精度を上げていく必要がありますが、その方法が分からないパターン。3点目は、配信対象を絞りすぎて母数が少なくなってしまい、効率よく結果に結びついていないことです。
こうした例の背景に「LINE広告の仕組み、LINE広告でできることがよくわからない」という課題がある場合が多いため、その点について丁寧に説明するようにしています。
小檜山:成果に結びつかない、安定しないという悩みを伺うこともあります。LINEは9,000万人(2021年12月時点)ものユーザーを抱えており、LINE広告では年代や地域・属性に偏りなく幅広い層に広告が配信できますが、だからこそ、「自分たちのターゲットユーザー」に配信するための“チューニング”が必要です。その方法を一緒に探っていければ、安定した結果が出しやすくなると思います。
企業が保有している情報や資産を広告運用に生かすために
ーー結果が出ない企業に対し、具体的にはどのような改善提案を行っていますか?
岩村:結果が出ていない原因を探り、それぞれの状況に対して最適な改善策を提案するように意識しています。例えば「配信対象を絞りすぎてしまい、配信母数が少なくなって結果に結びついていない」場合、「類似配信」機能を使うなどの改善策が考えられます。
類似配信とは、他の媒体で成果に結びついたユーザー情報などを基に、LINE内で類似したユーザーを新たに探して配信する機能です。機能アップデートでメールアドレスや電話番号などもオーディエンスデータとして活用できるようになったことで、初めてLINE広告を活用する企業でも試しやすい機能になりました。企業が保有している優良顧客のデータを活用して類似配信を行うなど、配信方法を工夫することでさらに効果的な配信が実現できます。
小林:また、LINE公式アカウントの友だちのデータをオーディエンスとして、LINE広告で広告を配信することもできます。こうしたLINEの法人向けサービス同士のデータ連携はクロスターゲティング(※)と呼ばれる新機能ですが、日々行われるアップデートに関する情報提供も私たちコンサルタントチームの重要な役割です。

LINE株式会社 広告事業本部 Account Developmentチーム 小林 裕太
岩村:企業が保有している情報や資産をLINE広告の運用に生かしきれていない場合があるので、詳細を聞いた上で私たちの提案を試していただくと、すぐに目に見える結果につながる場合もあります。
(※)2023年春以降、「オーディエンスの公開機能(クロスターゲティング機能)」の提供を終了させていただくこととなりました。弊社では、2021年10月にデータ活用の基盤として「ビジネスマネージャー」をリリースしており、本サービスでもオーディエンス・LINE Tagの共有が可能です。今後オーディエンスデータの活用については、より一層「ビジネスマネージャー」での機能強化を予定しておりますので、是非本サービスのご利用をご検討ください。
ノウハウの蓄積と自社で運用可能になることが目的
ーー実際、コンサルティングによって成果につながった事例について教えてください。
岩村:ある医療系の求人サイトを運営している企業ですが、LINE広告の配信開始当初、効果的な設定やクリエイティブが見定められず、費用対効果が見合わないという課題を抱えていました。まずは配信設定の変更を提案し、結果が現れた段階でクリエイティブの改善にも着手してもらったところ、目に見えて配信結果が改善されました。
また、当初は弊社のデザインチームと連携し、クリエイティブや広告の遷移先となるホームページのUI設計などを改善していましたが、途中から独自に改善やクリエイティブテストを実施してもらえるようになり、出稿する商材も増えていきました。
小檜山:フィットネス系の店舗を展開している企業の場合、他のSNS広告の運用方法やクリエイティブをLINE広告でも流用していて、安定した結果を出せていませんでした。そこで、目的別の配信設定やクリエイティブテストなどの方法について提案したことがあります。結果、テストの結果を次の配信に活用するようになり、安定した成果を残すことができました。
小林:運用型広告を取り扱った経験が少ない広告代理店に対して、LINE広告のオンラインセミナーを実施したことがあります。結果、営業担当の方も自信を持って提案できるようになり、中心商材の一つとしてLINE広告の収益化が実現できたという事例もあります。LINE広告の特長やその伝え方を理解してもらえたからこそ、成果につなげることができたと思います。
ーー最後に、自身が考えるLINE広告やLINEの強み、サポートを必要としている企業へのメッセージをお願いします。
小檜山:LINEには多数のユーザーがいるからこそ、運用初期のチューニングがうまくいけば、長期にわたって効率よく獲得できる媒体だと思います。そのチューニングの精度を上げるためのお手伝いができればと考えています。

LINE株式会社 広告事業本部 Kick Startチーム 小檜山 南
小林:LINE広告で新規のユーザーを獲得した後も、LINE公式アカウントなどを通じてユーザーと継続した接点を持てることがLINEの強みです。LINE広告はあくまで、企業のビジネス活動における目的を達成するためのツールですが、まずは目の前の目的達成のために全面的なバックアップができればと考えています。
岩村:LINEはコミュニケーションを起点としたアプリで、多くの人にとって生活に根付いたツールとなっています。LINE広告でも、そんな媒体の特性を生かしながら効果的な運用方法を一緒に探していけたらと考えています。
売り上げアップ、認知獲得などの指標は重要ですが、その手前にある「LINEを始めたことでWeb広告運用のコツが理解できた」「自分で運用して、成果を出せるようになった」と感じてもらえれば嬉しいです。コンサルティングを通してLINE広告のノウハウを蓄積してもらい、やがて自社だけで運用できるようになってもらうのが私たちの目標です。そのために、遠慮なく疑問をぶつけていただけたらと思います。
(取材/文:塚田智恵美、写真:小川孝行)
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