サービス情報 2019.09.02

オフラインから顧客接点を強化する「LINEチェックイン」とローソンの活用例

2019年2月、LINEは店頭販促ソリューション「LINE Sales Promotion」における、新たなメニューとして「LINEチェックイン」のサービス提供をスタートしました。顧客へのアプローチ、ユーザーとの長期的関係の構築、店舗オペレーションの改善など、さまざまな課題を抱える企業や店舗にとってLINEチェックインはどのような意味を持つのか。

 

本記事では、LINEチェックインの概要のほか、LINE株式会社 SP Sales Planning室の室長 江田達哉(以下、江田)と、In-Store Sales Promotionチーム 渡邉祐貴(以下、渡邉)が語るサービス設計における狙い、株式会社ローソン(以下、ローソン)の活用例を紹介します。

オフラインでリアルタイムなキャンペーン訴求が可能

近年、流通・小売業界ではスマートデバイスの普及に伴うデジタルシフトの影響を受け、店頭におけるPOPやポスターをはじめとした告知媒体が縮小傾向にあり、メーカーから顧客にリーチできる告知手段が減少していることが課題となっています。

 

そうした状況を踏まえ、2019年2月にLINEは主に店舗を持つ流通・小売企業を対象として、実店舗に来店したユーザーに向けたリアルタイムなキャンペーン訴求と情報発信が可能なLINEチェックインをリリースしました。

 

LINEチェックインは店舗内に設置した「LINE Beacon」を活用し、来店したユーザーに企業や店舗のLINE公式アカウントからメッセージを配信して、キャンペーンの告知を行うことができます。ユーザーは店舗に行くだけでキャンペーンに参加することができ、その場でインセンティブや景品を受け取ることが可能です。同時に、ユーザーはLINEのタイムライン上で任意でキャンペーン情報をシェアできるため、ほかのユーザーに向けた認知獲得が期待できます。

LINE活用で目指すのは「来店促進」と「店舗の省力化」

2019年2月、ユーザーの来店時にタイムリーに告知できるデジタル販促を検討していたローソンは、LINEチェックインを導入しました。ローソンは現在、約2,900万人の友だち数を擁するLINE公式アカウントを運営するほか、これまでにもLINE Sales Promotionを活用してきました。店頭販促施策においてLINEを積極的に活用する狙いについて、同社 プロモーション本部 プロモーション部 シニアマネジャー 白井明子氏(以下、白井氏)は以下のように説明します。

 

「LINEは国内における月間利用者数8,100万人(2019年6月時点)という国内最大級のリーチメディアであり、コミュニケーションプラットフォームです。マスへのリーチが可能なことに加えて、友人や家族間でのグループがあるなど、ほかのSNSと比べてよりリアルな人間関係をベースにしており、そのため反応率が高いこともLINEの強みだと感じています。また、LINEを活用した販促施策では、全てがLINEというプラットフォーム上で完結するため、店舗において新たに発生するオペレーションが少ないことも魅力です」(白井氏)

 

ローソンがLINEチェックインを使って実施したキャンペーンは、ユーザーがローソン店内でLINEを開くと*、店内に設置したLINE BeaconによってローソンのLINE公式アカウントからキャンペーン参加に関するメッセージが届き、その場で景品を受け取ることできるというものです。

  • LINEチェックインを利用するには、ユーザーはあらかじめLINE Beaconと、スマホの位置情報及びBluetooth設定をONにする必要があります

「お客さまが来店したタイミングでアプローチできる効果は大きく、第1弾の『ブラックサンダー』がもらえるキャンペーンでは、非常に多くのお客さまに参加いただきました。お客さまにキャンペーンのメリットを感じていただけたことが、20万人という友だち数の増加にも表れたと感じています。また、副次的な効果として、LINE Beaconへの接触を機に、多くのユーザーに弊社LINE公式アカウントのブロックを解除していただいたことで、ブロック率が大幅に改善しました」(白井氏)

 

さらに、LINEチェックインの導入に先立つ2019年1月には、「LINEウォレット*」を活用した新たな店頭販促キャンペーンの実証実験が、福岡市内のローソン全店舗で実施されました。店内に設置したLINE BeaconによってローソンのLINE公式アカウントからキャンペーン参加に関するメッセージが届くと、ユーザーはキャンペーンにエントリーした後、対象商品とLINEウォレット内の「マイカード」をレジで提示することで、商品の値引きが受けられるという仕組みです。

  • LINE内でお金のやりとりや管理を一元化する機能。「LINE Pay」や「LINEポイント」の各種サービスのほか、店舗のポイントカードをLINE上で管理する「マイカード」などで構成される

「従来の小売店舗における販促キャンペーンは、シリアルコードやレシートを活用した応募や、自社アプリのダウンロードを前提としていたため、店舗クルーが説明のための対応に追われるケースが多々発生していました。この実証実験は、店舗クルーのオペレーションの改善や競合との競争激化といった課題に対し、LINEとローソンで展開可能なデジタル施策として実施したものです。

 

LINEで実施する販促キャンペーンは、既に大半のお客さまのスマートフォンに入っているLINE上で、認知獲得からキャンペーン応募、賞品や特典の受け取りまで完結できます。ユーザビリティはもちろん、店舗オペレーションの省力化という点でもメリットが大きいと感じています」(白井氏)

来店をきっかけに、ユーザーと長期的な関係構築を

LINEチェックインのサービス設計を担当したLINEの江田は、「ユーザーに邪魔と感じられないように配慮した」と述べます。

 

「ユーザーが店内に入ったことをLINE Beaconでキャッチし、LINEにプッシュメッセージを送るというのは、受け手にとっては“強い”メッセージです。一方的な営業メッセージが届くと、ユーザーの心象を害しかねません。そのため、『その場で使えるクーポンを提供する』というメリットをきちんと訴求できるように設計しました」(江田)

LINE江田の写真

LINE株式会社 SP Sales Planning室 室長 江田達哉

また、販促領域の事業企画を担当するLINEの渡邉は、「LINEチェックインをきっかけに友だちになったユーザーは、実際に来店しているという点で、今後も習慣的に来店していただける可能性が高いと考える」と述べます。

 

「キャンペーンに1回参加して終わりではなく、『楽しい』『簡単』『お得』といった体験を提供できるよう、ユーザーごとにキャンペーンや景品コンテンツなどを最適化するのが大切です。『LINEチェックインがあると、来店するたびにお得な情報が届く』という認識をユーザーに持っていただければアカウントがブロックされることもなく、友だちとなってくれたユーザーとより長期的な関係を築くことができると考えています」(渡邉)

LINE株式会社 SP Sales Planning室 In-Store Sales Promotionチーム 渡邉祐貴

最後に、江田はLINEチェックインを“広告枠”としてメーカーに提供するビジョンがあると語ります。

 

「店頭でLINEを開いて『LINEチェックインをする』ということが習慣化されれば、LINEは店頭における新たな広告面となります。LINEチェックインで来店時に届くメッセージは、いわば、『差し替え不要な店頭POP』です。購買の直前に目に触れる強力な広告面として、メーカーさまに提供していくことを見据えて準備していますので、ご期待ください」(江田)