運用テクニック 2021.10.01

結果発表!note投稿で見えた「みんなのLINE活用」の最前線

LINE社は2021年6月から8月まで、LINEの法人向けサービスを利用いただく皆さまから、その活用方法や得られた成果をnoteで募集する企画「#みんなのLINEビジネス」を開催しました。受賞されたみなさまの取り組みを紹介するとともに、そこから見えてきた「LINE活用の最前線」に迫ります。

目次

・コミュニケーション部門

   ・優秀賞(1) YouTuber韓国語講師・トリリンガルのトミさん

   ・優秀賞(2) てくのハウス株式会社

   ・優秀賞(3) カケハシフードトラック

   ・特別賞(1) C-table株式会社

   ・特別賞(2) リアル謎解きイベント「いなくなったトナカイを探せ!」

  ・プロモーション部門

   ・優秀賞(1) 白瀧酒造株式会社

   ・優秀賞(2) 美容師・工藤ユウキさん

 ・コミュニケーション部門

   ・最優秀賞 スイーツブランド「cotoyu」

  ・プロモーション部門

   ・最優秀賞 高松エクスプレス株式会社

1.「#みんなのLINEビジネス 」のコンテスト概要

LINEの活用コンテスト「#みんなのLINEビジネス」は、「LINE公式アカウント」「LINE広告」などをはじめとするLINEの法人向けサービスを活用して、実際に取り組まれた内容や得られた成果などをnote上で投稿いただきました。

 

投稿内容を、ユーザー間での評価(note投稿につく「スキ」数)や、LINE社で事業企画やマーケティングに携わるメンバーによる審査(有益な内容か、独自の視点があるか、参考にしやすいか、驚きや感動があるかなど)をもとに総合的に評価。「コミュニケーション部門」と「プロモーション部門」の2部門で表彰企業・店舗を決定しました。

 

・コミュニケーション部門

LINE公式アカウントなどLINEの法人向けサービスを活用して、顧客とのコミュニケーションをより良いものにできた事例やそのノウハウ、エピソードを表彰。

 

・プロモーション部門

LINE広告などLINEの法人向けサービスを活用して、商品・サービスの認知や顧客獲得を実践された事例やそのノウハウ、エピソードを表彰。

2.結果発表(優秀賞・特別賞)

コミュニケーション部門

優秀賞(1) YouTuber韓国語講師・トリリンガルのトミさん

オンライン上で韓国語学習サービスを提供するトリリンガルのトミさんは、LINE公式アカウントを「教育アプリ」のように活用しています。

 

従来、YouTubeや自身のWebサイトでさまざまなコンテンツを提供していましたが、学習にあたってユーザーがサイト間を行き来しなければならず、「どこまで学習したかわからなくなる」という課題が浮き彫りになっていました。そこで、LINE公式アカウントの自動応答リッチメニューカードタイプメッセージを活用して、ユーザーはワンクリックで最大45個のコンテンツと90個のリンク先を表示させることができるようになりました。分析機能を用いて確認したところ、毎月数千回以上の自動応答メッセージが発生しているので、「多くのユーザーにコンテンツを閲覧いただけている」とトリリンガルのトミさんは語ります。

 

LINE公式アカウントを開設して約1年半が経った現在も、毎月1000人近くの新規の友だち追加があり、友だち追加1ヵ月後時点でブロック率はわずか10%ほどに留まっているそうです。

コロナ禍で多くの教育系ビジネスでも対面制限が生まれる中、LINEを活用してユーザーにコンテンツを提供する取り組みが読者の反響を呼び、受賞コンテンツの中で最も多い「スキ数」を獲得しました。

優秀賞(2) てくのハウス株式会社

てくのハウス株式会社は、京都府宇治市で家庭の水道、ガス、電気のトラブル解消やリフォーム工事を行う地域密着型の企業です。主な顧客は70歳以上のシニア層ですが、「LINEだけは利用する」というシニアのスマホユーザーが増えているように感じ、LINE公式アカウントを導入しました。

 

LINE公式アカウントの運用については、シニア層でも利用しやすいように次の基本機能を活用しています。リッチメニューにある「現在のお困り事を選択する」ボタンを押すと表示されるカードタイプメッセージをタップするだけで、問い合わせたい内容を絞り込み。不慣れなテキスト入力を行う手間を省ける仕組みです。

 

最近では、1日5件程度の相談がLINEチャットで寄せられ、すぐに依頼につながらなくても「LINEがきっかけでお客さまとの会話が増えた」ということです。

お年寄りファーストなLINE公式アカウントを目指して、各機能を利用するてくのハウス株式会社。LINEならではの距離の近さを生かし、地域の困りごと解決を行う同社の取り組みが優秀賞を受賞しました。

優秀賞(3) カケハシフードトラック

千葉県を拠点に、キッチンカーの仲介事業を行うカケハシフードトラックは、LINE公式アカウントの開設後、「仕事が格段にやりやすくなった」と力説します。

 

具体的には、自社のWebサイトに出店可能な場所を掲載し、それを見たユーザーに出店したい場所と日時をLINEチャットでお送りいただき、日程調整を経て申請許可をするという流れです。通常、キッチンカーの出店申請にはPDFで書類を作成して、それをメールに添付して送信してもらっていました。しかし、クイックにやりとりが行えるLINEでは、メールのように件名やビジネスライクな本文を考える必要がなく、企業・ユーザー双方にメリットがあるということです。

 

また、LINEチャットでやり取りしている相手のプロフィールにある「ノート」機能をメモ代わりに活用して、利用者の情報を残しておくことで顧客管理につなげています。

今回、受賞した企業の中では唯一、B2B領域の事業を行っていたカケハシフードトラック。note投稿内で、利用する機能の活用方法を1つひとつ丁寧に解説されており、その汎用性から優秀賞の受賞となりました。

特別賞(1) C-table株式会社

山梨県都留市を拠点に活動するC-table株式会社は、チャットボット機能を備えたアカウント「まちマーケット」を、地元のまちづくり団体と協同で開発・運営しています。

 

同アカウントは、リッチメニューからカードタイプメッセージとして立ち上げ可能な、「ゴミの日」「お悔やみ」「街のイベント」「街のお店、コロナ商品券対応店舗」「防災無線」など、地域密着情報をお届けするチャットボットを提供しています。人口3万人の街で、3,000人以上が同アカウントを友だち追加しているため、住民のおよそ1/10が利用している計算となります。

 

全ての機能をリッチメニューから利用できるため、同社は“街のデジタル十徳ナイフ”のように、今後もアカウントの機能拡充を目指すということです。

ユニークな情報をリッチメニューにまとめて住民に提供する同社のLINE公式アカウントは、まさに「街のデジタル十徳ナイフ」と言えるもの。明確なコンセプトに基づき開発・運用を続けるLINE活用が、特別賞を受賞しました。

特別賞(2) リアル謎解きゲーム「いなくなったトナカイを探せ!」

九州の某広告会社に勤務するKさんは、北九州にあるショッピングモールで開催された「リアル謎解きゲーム」の中でLINE公式アカウントを活用しました。

 

館内の入り口に、LINE公式アカウントの友だち追加用のQRコードを大きく表示させたポスターを設置。ユーザーがQRコードを読み込んで友だち追加すると、あいさつメッセージで謎解きのストーリーをテキストで送信し、企画の世界観に引き込む動線にしました。さらに、なるべく多くのユーザーにゲームをクリアしてもらうため、 自動応答を活用して謎解きのヒントを提供。この仕組みが功を奏し、ゲームのクリア率もかなり高い結果となりました。

 

通常の謎解きゲームやクイズラリーでは、参加者に解答用紙などを配るのが一般的ですが、このケースでは、それらをLINEで代替したことで印刷費などのコストカットにもつながったそうです。

さまざまな年齢層が楽しめる「謎解きゲーム」で、ユーザーの利便性とイベントにおけるコスト削減も達成した同社のLINE活用。エンターテインメント目的でのLINE活用で、特別賞の受賞となりました。

プロモーション部門

優秀賞(1) 白瀧酒造株式会社

新潟県・越後湯沢の 白瀧酒造株式会社は、2020年6月に開設したLINE公式アカウントを商品プロモーションに活用しました。

 

工数の問題で、LINEコールLINEチャットを活用したユーザーの個別対応が難しかった同社は、ユーザーから送られたメッセージに含まれるキーワードに対して、どのような内容を返信するか管理画面上で設定することができる自動応答を活用。ユーザーから送られてきそうなメッセージや問い合わせがありそうな商品名など、思いつくキーワードと商品説明などを設定しました。

 

その後、新商品の認知度をアップさせるため、商品のキャッチコピーを“合言葉”として送ってもらい、自動応答で返信する応募フォームに必要情報を入力いただくと、日本酒のレシピ画像を送付するキャンペーンを実施。わずか1週間で約2,600人の友だち集客に成功しました。

LINE公式アカウントの基本機能である「自動応答」に商品のキャッチコピーを入力いただくことで商品訴求につなげる方法が斬新かつ参考にしやすく、優秀賞の受賞となりました。

優秀賞(2)美容師・工藤ユウキさん

東京都内で店舗展開する美容室に所属する工藤ユウキさんは、 旧LINE@時代からLINE公式アカウントを活用し、さまざまな情報発信を行っています。

 

note投稿では、個人での運用、店舗での運用、多店舗での運用と、段階別に活用すべきLINE公式アカウントの機能を自身の経験をもとにレクチャー。中でも、LINE公式アカウントを友だち追加いただいたユーザーに「どのようなメリットを提供できるか」という問いかけとともに導入したショップカードを通じて、前年比200%の友だち集客を実現しました。

 

その他、リピート率に直結する「次回予約」を取り付ける際に、LINE公式アカウントについても併せて案内する美容室ならではの店内オペレーションにも言及。工藤さんの所属する美容室は現在、ヘアサロン7店舗、ドライヘッドスパ専門店2店舗でLINE公式アカウントを導入しているそうです。

「個人での運用、店舗での運用、多店舗での運用」という美容師のキャリアアップに合わせたノウハウ紹介の仕方が大変わかりやすく、優秀賞の受賞となりました。

3.結果発表(最優秀賞)

コミュニケーション部門

最優秀賞 スイーツブランド「cotoyu」

cotoyuは長崎県平戸市にある離島発祥で、専業主婦だったオーナーが2016年に創業して以降、現在は全国各地から注文が入る人気スイーツブランドです。「ブランドの魅力を伝え、お客さまにもっとcotoyuのことを好きになってもらいたい」いう思いで、LINE公式アカウントを開設。2021年2月よりnote投稿者がアカウントの運用支援を行っています。

 

ブランドの魅力を伝えるために行っているのが、カードタイプメッセージショップカードなどを活用したスイーツに関するクイズコンテンツです。メッセージ配信で一方的に情報を伝えるより、楽しみながらブランド理解を促す仕組みを考えました。さらに、分析指標もメッセージの開封率ではなく、全3問のクイズに最後まで取り組んだ数値をREAD(読了率)として測定。実施から3ヵ月平均で、クイズ自体のクリック率は39.8%、そこからREADは91.9%となっています。新作スイーツについて触れて購買につなげるなど、クイズに溶け込ませる形で商品訴求も行っています。

 

一方通行になりがちなEC事業を運営する中で、LINEを通じたコミュニケーションにより「お客さまとの距離が縮まった」ということです。

アカウントをAPI化しながらブランドの魅力を的確に伝え、そこから商品訴求につなげる同社の取り組み。LINEを活用してつくりあげた独自のコミュニケーションで、最優秀賞を受賞しました。

プロモーション部門

最優秀賞 高松エクスプレス株式会社

香川県高松市に本社のある高松エクスプレス株式会社は、香川県と各都市を結ぶ高速バス事業を運営しています。2020年春より新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大を受けて減便に踏み切る中、主に定期利用いただくユーザーに向けた施策でLINE公式アカウントを活用しています。

 

バス乗車の際、接触確認アプリ(COCOA)を提示することで、高松エクスプレスのLINE公式アカウント上で発行されるショップカードにポイントを付与。ポイントを一定まで貯めると、割引クーポンがもらえる仕組みです。ショップカードのポイント設定に際して自由度が高く、友だち追加いただいたユーザーの属性分析なども全て無料で行えるLINE公式アカウントを、「小規模の法人や個人事業主にはありがたいサービス」と同社の担当者は評します。

 

同社のLINE公式アカウントを活用した取り組みは新聞や報道番組など多くのメディアで取り上げられ、社の認知度アップにもつながったそうです。

コロナ禍でさまざまな業界が影響を受ける中、感染を未然に防ぎながら人の移動を助ける同社のLINE活用は時代のニーズを満たしていると考え、最優秀賞の受賞となりました。

 

 

本記事で紹介した内容だけでなく、惜しくも受賞を逃したみなさまの取り組みにも、ビジネスの成長につながるヒントが隠れているはず。ぜひ、note上で「#みんなのLINEビジネス」と検索いただき、note投稿をご覧ください。

 

また、今回のコンテストで最優秀賞に選ばれた2社の取り組みは、2021年12月中旬に発売するLINE社のサービス活用公式書籍でも紹介させていただく予定です。そちらもご期待ください。

 

 

LINE for Business公式noteでの結果発表の記事はこちら

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