運用テクニック 2021.12.08

動画広告とは|種類や効果、メリット・デメリット、配信できるメディアも紹介

動画広告は近年の動画をメインコンテンツとしたメディアやアプリの利用者の増加に伴い、需要が伸びている広告フォーマットです。動画広告には複数の課金形態や種類があるため、初めて実施する場合はそれぞれの違いを理解した上で取り組むことが大切です。動画広告の市場規模やそのメリット・デメリットをはじめ、動画広告を実施する際に注意すべきポイントを詳しく解説します。

目次

動画広告とは

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動画広告とは、広告のうち動画のクリエイティブを用いた広告のことを指します。広義ではテレビCMや屋外広告、電車内に流れる広告なども動画広告の一つですが、狭義での動画広告は主にWeb上で目にする動画広告を指すケースで利用されている広告種類を指すことが多いです。Web広告における動画広告で代表的なものはYouTubeコンテンツの冒頭や合間に流れる15秒〜30秒程度の動画広告が挙げられます。

日本の動画広告の市場規模

動画広告は、日本の広告市場の中でも需要が大きく伸びている広告フォーマットです。2021年3月にCCI/D2C/電通/電通デジタルが共同で発表した「2020年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」では、インターネット広告媒体費の中で動画広告のシェアが2割に達したという調査結果が出ました。さらに、前年比121%の成長率を記録しており、動画広告の市場規模が急速に拡大していることがわかります。

動画広告の課金形態

動画広告には大きく分けて「CPV課金」「CPM課金」「CPC課金」の3つの課金形態があります。それぞれの特徴をおさえましょう。

 

・CPV課金

CPV(Cost Per View)課金は、動画広告の視聴回数によって掲載費用が課金される形式です。動画広告では最も一般的な課金形態で、広告の掲載期間に動画を何回視聴されたかで支払う広告料金が決まります。

 

この際、視聴回数にカウントされるタイミングは3秒時点、5秒時点、完全視聴などがあり、カウント基準は掲載するメディアによって異なります。

 

・CPM課金

CPM(Cost Per Mille)課金は、1,000回あたりのインプレッションにかかる費用の平均を算出し、最終的なインプレッション数に応じて掲載費用が課金される形式です。

 

例えば、1,000回あたりのインプレッションの平均コストが30円、動画広告の掲載期間中のインプレッション数が10,000インプレッションだった場合、最終的な広告掲載費用は「10,000×30円=300,000円」となります。また、インプレッションとは「広告が表示された回数」のことで、一人のユーザーに10回広告が表示された場合は「10インプレッション」というカウント方法です。

 

・CPC課金

CPC(Cost Per Click)課金は、配信した動画広告が1回クリックされるたびに掲載費用が課金される形式です。

 

クリック数が基準になるCPC課金は広告経由でどれだけのユーザーを集客できているかがわかりやすいため、運用型広告全般で主流となっている課金形態です。

動画広告のメリット・デメリット

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動画広告の配信効果を高めるためには、複数の課金形態や種類を理解した上で、施策の目的に応じてうまく使い分けることが大切です。ここでは、動画広告におけるメリットとデメリットを詳しく解説します。

動画広告のメリット

動画広告では、他のWeb広告では活用できない「音」と「動き」を組み合わせてユーザーに情報を届けることができます。そのため、他のテキストタイプの広告やバナー広告に比べてクリエイティブに盛り込める情報量が多く、ストーリー性を持たせやすい点がメリットです。

 

ユーザーの聴覚や視覚に訴えかけ、ストーリーとともに商品・サービスの情報を届けられる動画広告はユーザーの印象に残りやすく、ブランド認知度や購買意欲の向上に効果的です。

動画広告のデメリット

動画広告のデメリットは、クリエイティブの制作にかかるコストが他のWeb広告よりもかかる点です。動画広告はアニメーションや実写の動画を制作・撮影し、動画に音楽やエフェクトを付ける作業に加え、キャプションを挿入するなどの編集作業が必要となります。そのため、制作費や制作時間が他のテキストタイプの広告やバナー広告よりも大きくなります。

 

また、クリエイティブの作り分けも難しいため、これからWeb広告を始める事業主が最初に取り組む広告フォーマットとしては、少々ハードルが高くなるかもしれません。

動画広告の種類

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動画広告には掲載種類が複数あり、それぞれ異なる特徴があります。今回は代表的な3つの種類について特徴を詳しく解説します。

インストリーム広告

インストリーム広告は、視聴動画と同じサイズで表示される動画広告です。「テレビCMのインターネット版」と考えるとイメージしやすいでしょう。インストリーム広告はYouTubeなどの動画メディアで主に使用され、動画広告で主流となっている広告フォーマットです。

 

また、広告が表示されるタイミングは動画始まる前、動画の間、動画が終了した後の3つのタイミングがあり、それぞれでさらに広告の種類が分かれます。

 

・インストリーム広告の種類

動画が始まる前に流れる広告 :プレロール広告

動画の間に流れる広告    :ミッドロール広告

動画が終了した後に流れる広告:ポストロール広告

 

さらに、インストリーム広告ではユーザーが動画広告を任意でスキップできる「スキッパブル型」と、最後まで強制的に視聴させる「ノンスキッパブル型」という2つのタイプがあります。

インバナー広告

インバナー広告は、今までの静止画バナーと同じ広告枠に掲載できる動画広告で、動画メディア以外の媒体でも配信できます。そのため、日常的に動画メディアを利用しないユーザーにも広くアプローチできる点が特徴です。

インリード広告

インリード広告は、メディアが掲載しているコンテンツの間に表示される動画広告です。SNSや投稿やニュースメディアの記事などをスクロールしている際に、コンテンツの間に動画広告が流れます。

 

インリード広告は、視認性の高さが大きな特徴です。現在、ユーザーがスクロールしているタイミングを計測し、広告が50%以上画面に表示されたタイミングで動画が再生開始されるなど、視聴率を向上させるシステムも開発されています。

動画広告が配信できる代表的なメディア

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多くの媒体が動画広告メニューをラインナップしています。その中でも、相性が良いとされている代表的なメディアは以下の通りです。

 

・YouTube

・TikTok

・LINE

・Facebook

・Instagram

・GDN、YDA(アドネットワーク)

 

上記のうち、YouTubeとTikTokは動画を主体としたプラットフォームです。先述した広告の種類では、インストリーム広告が主流です。

 

LINEは2021年9月末時点で、月間利用者数が8,900万人を超えるコミュニケーションアプリです。リーチできるユーザーの規模や年代の幅広さが特徴で、動画フォーマットに対応した配信面を多数有しています。

 

FacebookとInstagramは世界的に多くのユーザーが利用しているプラットフォームで、Facebookではインリード広告、Instagramではストーリーズでの動画広告が主流です。

 

また、上記以外のアプリやWEBサイトへ動画広告を配信する際には、主にアドネットワークであるGoogle ディスプレイ ネットワークやYahoo!広告 ディスプレイ広告(運用型)を利用して配信される手法が一般的です。

LINEでは動画広告の影響力が高まっている

新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大による全国的な外出自粛をきっかけに、自宅で動画コンテンツを楽しむユーザーが増えました。

 

LINEが独自に行った調査によると、外出の自粛期間に入る前後で動画広告のパフォーマンスが「imp(インプレッション)」「CTR(Click  Through  Rate/クリック率)」「10秒再生率」「完全視聴率」の全てが上昇しました。ユーザーのモバイル利用時間が増加したことで、動画広告の視聴態度にも良い変化が生まれた結果と言えるでしょう。

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出典:「LINE Ads Playbook P3

動画広告を作る際のポイント

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動画広告はストーリーやメッセージを十分に練る必要があり、クリエイティブを作成する際の難易度が高くなります。初めて動画広告に取り組む企業向けに作る上で、おさえておきたいポイントを解説します。

動画広告を配信する目的を明確にする

いきなり動画クリエイティブを作成するのではなく、まずは動画広告を配信する目的を明確にしましょう。目的の例としては「ブランドの認知拡大」「購買意欲の向上」「コンバージョンの獲得」などが挙げられます。目的を明確にすることで、動画広告を配信する上で必要な手順がより明確になります。

ターゲットを明確にする

次に目的を達成するためにアプローチすべきターゲットを明確にしましょう。例えば、「コンバージョンの獲得」を目的とした場合は、自社の商品やサービスにすでに興味を持っているユーザーに対してターゲットを絞ると効果的です。そのため、この場合のターゲットは「過去に自社サイトに来訪したユーザー」などが適切でしょう。

 

リターゲティング広告については、こちらのコラムを参考にしてください。

ターゲットに合わせた配信先と動画広告の種類を選ぶ

配信先は設定したターゲットにより多くアプローチできる媒体を選びましょう。例えば、「30代の主婦」をターゲットとした場合は、ターゲットが良くアクセスするメディアを出稿先として選ぶと効果的です。

 

また、動画広告の種類も目的に応じて選びましょう。インストリーム広告では、プレロール広告が認知拡大、ミッドロール広告が完全視聴、ポストロール広告がコンバージョンの獲得に適していると言われています。このように、広告の種類により得られる効果や得意分野が異なります。

動画にストーリー性を持たせる

動画クリエイティブを作成する際は、内容にストーリー性を持たせることでユーザーに伝わりやすくなります。それゆえ、広告に接するユーザーを不快な気持ちにさせないよう、ストーリーの理解を阻害しないような配慮も必要です。

 

特にインストリーム広告では、視聴しているコンテンツの前後や合間に広告が表示されるため、ユーザーが閲覧しているコンテンツのイメージや質を損なわないようなクリエイティブが望ましいです。

動画広告の効果を測定する方法

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動画広告に限らず、広告の配信後は必ず効果計測を行いましょう。効果計測の際は、広告を配信する目的に応じて、検証すべき指標がそれぞれ異なります。以下を参考にして、目的が達成されているか検証しましょう。

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動画広告のまとめ

動画広告はWeb広告の中でも特に市場が拡大している広告フォーマットです。実施する際は、目的やターゲットに応じて適切な配信先を選ぶことが重要です。また、動画広告は他のWeb広告よりもユーザーの印象に残りやすい特性をよく理解し、動画クリエイティブにストーリー性を持たせるように工夫することで、配信効果が高まるでしょう。

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