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効率よく友だちを増やしユーザー満足度も向上 バンダイのコミュニケーション戦略

株式会社バンダイ

2023.11.14

株式会社バンダイ メディア部メディア開発チーム 戸松淳氏

玩具やアパレルなどの事業を展開する株式会社バンダイ(以下、バンダイ)は、LINE広告友だち追加LINE公式アカウントの友だち数を増やし、ユーザーの興味に合わせたコミュニケーションを実施。友だち数を増やしつつ、LINE公式アカウントに関するユーザー満足度の向上に取り組みました。一連の施策について、同社の戸松淳氏(以下、戸松氏)に話を聞きました。

目的
  • 新規の友だちを効率よく増やしたい
  • LINE公式アカウントのユーザー満足度を高めたい
施策
  • LINE広告の友だち追加を活用。友だち追加時にアンケートを実施
  • アンケート回答を基に、LINE公式アカウントでユーザーの好みに合わせてメッセージを配信。着せ替え可能なリッチメニューも実装
効果
  • LINE広告の配信で友だち数が約10万人増加。好調時の友だち追加単価は約50円
  • LINE公式アカウントの満足度が上昇

ユーザーから「つまらない」の声を受けてコミュニケーションを改善へ

バンダイは、さまざまな人気キャラクターを軸に、玩具、カプセルトイ、菓子、衣料、日用品、カードなどの事業を展開しています。

 

 バンダイ本社(同社提供)

 

同社は、商品プロモーションやユーザーとのタッチポイント強化を目的に、2016年にLINE公式アカウントを開設しました。LINE公式アカウントを含め、自社メディア、YouTubeなどの企画運営を担当するのが、同社のメディア部メディア開発チームでチーフを務める戸松氏です。

 

「LINE公式アカウント開設後は、LINEプロモーションスタンプを活用した施策で友だちを増やし、友だちに対してはメッセージの一斉配信を行っていました。そのため、ユーザーによっては興味のない商品情報が届いている状態でした」(戸松氏)

 

 株式会社バンダイ メディア部メディア開発チーム 戸松淳氏

 

バンダイが2022年初頭に行ったLINE公式アカウントの満足度を測るNPS調査(※)でも、当時の運用に課題があることが明らかになりました。

 

※NPS調査=顧客ロイヤルティを測る調査。NPSはネットプロモータースコアの略

 

「友だちがどんなことに興味を持っているのか知りたくて始めたNPS調査だったのですが、そこでわかったのは満足度の低下です。中には、『バンダイのLINE 公式アカウントってつまらない』という正直な声もありました。友だちから寄せられた声を真摯に受け止め、改善のための施策を行いました」(戸松氏)

LINE広告の友だち追加にあわせてアンケートを実施

バンダイが実施したのは、新規層の獲得とユーザーに寄り添ったコミュニケーションの2軸です。LINE広告の友だち追加を活用して効率的に友だちを増やし、エンゲージメントを高めるためにユーザーの興味に基づいたコミュニケーションを行いました。

 

LINE広告の友だち追加では、抽選で当たるLINEポイントをインセンティブとして、友だち追加の際にアンケートに回答してもらう仕組みを設計しました。

アンケートでは「性別」「生年月」「居住エリア」「子どもの有無」のほか、「興味のあるカテゴリー・キャラクター」など、LINE公式アカウントでのメッセージ配信に活用するため、ユーザーの興味に関する情報を取得しました。また、既存の友だちについても情報を取得するために、リッチメニューにもアンケートを設置しました。

 

広告配信においては、配信面とシンプルなクリエイティブを意識しました。

LINEアプリ内で最もアクティブユーザーが多い「トークリスト」に狙いを定め、トークリストに配信されるフォーマット「画像(小)」の制作に注力しました。画像(小)は、表示されるクリエイティブが小さいフォーマットのため、要素を減らして極力シンプルな表現で視認性を確保したといいます。

 

「玩具業界のクリエイティブは派手なデザインが多いのですが、LINEはスマホで見るのでシンプルしました。クリエイティブで表現したのは『アンケートへの回答でLINEポイントが当たる』というテキストと会社のロゴくらい。この視認性を確保する工夫が、いい成果(後述)につながりました」(戸松氏)


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アンケートを基にしたセグメント配信でエンゲージメントを改善

LINE広告と並行しながら、LINE公式アカウントではユーザーのエンゲージメントを高めるため、アンケート回答を基にしたセグメント配信を実施。

 

例えば、「○○というキャラクターに興味がある、○○に居住の、男の子のお父さん」など、複数項目のアンケート回答を掛け合わせてセグメントを作成し、配信コンテンツを出し分けたといいます。さらに、配信したメッセージに対するユーザーのクリック率を基に、より関心が高いと考えられるコンテンツを配信するなど、エンゲージメントを高める運用を行なっています。

「特定キャラクターの商品情報に関する配信のクリック率が高ければ、継続してそのキャラクターに関する情報を配信します。アンケート回答とクリック率を掛け合わせたセグメント配信が、バンダイのLINE公式アカウント運用の基本です」(戸松氏)

好みでキャラクターを選べる着せ替えリッチメニュー

エンゲージメントを高めるためのもう1つの取り組みとして、ユーザーが好みで選べる着せ替えリッチメニューを実装しました。

 

LINE公式アカウントのリッチメニューをユーザーの好みのキャラクターに着せ替えできる機能で、現在は5種のキャラクターから選んで設定できます。

「友だちに対するアンケートでも興味があるキャラクターについて聴取していますが、着せ替え機能ができたことで、そのキャラクターに興味を持っていただけるユーザーがより鮮明にわかるようになりました。現在は5つのキャラクターに限定されていますが、今後拡充していくつもりです」(戸松氏)

友だち追加単価「50円」で新規獲得。満足度は7ポイント向上

一連の施策により、LINE広告の友だち追加で友だちを約10万人増やしつつ、LINE公式アカウントの満足度が7ポイント高まったといいます。

同社が友だち追加でKPIとしている友だち追加単価(友だち1人追加するのにかかった費用)も、パフォーマンスが良い月には約50円と、効率的に友だちを増やすことに成功しています。

 

ユーザーの満足度を調べるLINE公式アカウントのNPS調査では、施策の前後比較で満足度が7ポイント上昇したのに加えて、嬉しい反応が得られました。

「業界によっても異なるので、7ポイント上昇という数字を単純に評価するのは難しいところがありますが、我々としてはかなりの手応えです。施策前に寄せられた『内容がつまらない』『興味のない情報ばかりが送られてくる』といったネガティブな意見もほとんどなくなり、代わりに『子どもと一緒に使っている』という嬉しい声も届きました

 

今回の施策によって、LINE広告の友だち追加で新規の友だちを増やしながら、ユーザーのエンゲージメントを高めるという目的は十分に達成できたと思います。今後もLINE広告を使って友だちを増やしつつ、ユーザーに寄り添った情報を届けていきたいです」(戸松氏)

(公開:2023年11月、取材・文/安田博勇、写真/慎芝賢)

 

※ 本記事内の数値や画像、役職などの情報はすべて取材時点のものです
※ 本記事内の実績は取材先調べによる数値です


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