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LINE公式アカウント

質の高い友だち集客とメッセージの自動化を実現してROAS2,000%!バロックジャパンリミテッドのLINE活用

株式会社バロックジャパンリミテッド

2023.07.31

(左から)
株式会社バロックジャパンリミテッド EC事業MAアドバイザリー 柴田幸男氏
同社 営業統括本部 OMO推進部 UI/UXグループ グループ長 久保木理冴氏
株式会社TimeTechnologies 取締役COO 柴田剛氏

「MOUSSY」をはじめ、主に20〜30代女性をターゲットとしたアパレルブランドを展開する株式会社バロックジャパンリミテッド(以下、バロックジャパンリミテッド)は、APIによる “LINE特化型”マーケティングオートメーションツール「Ligla(リグラ)」を導入し、LINE公式アカウントからのセグメント配信を自動化するなどして、高い運用実績を上げています。そのプロジェクトを推進するバロックジャパンリミテッドの柴田幸男氏(以下、柴田氏)、久保木理冴氏(以下、久保木氏)と、Liglaを開発・提供する株式会社TimeTechnologies(以下、TimeTechnologies)の柴田剛氏にLINEを活用した取り組みや得られた成果について話を聞きました。

目的
  • 店舗とECの連携を強化し、シームレスな顧客体験を提供したい
  • 自社アプリの会員とLINE公式アカウントの友だちの“重なり”を増やしたい
  • LINE公式アカウント経由のEC売上を向上したい
施策
  • Liglaを導入し、LINE公式アカウントの運用を強化
  • 友だちではないユーザーがECサイトに訪れる際、Liglaの機能を活用して友だち追加とID連携を促すポップアップを表示。また、ユーザーのID連携の状況に合わせてリッチメニューの出し分けを行う
  • 集客した友だちに対して、手動で行うスポット配信と、Liglaの管理画面から自動で行うシステム配信を実施
効果
  • 以前の2倍以上のスピードでLINE公式アカウントの友だち数が増加しつつも、ブロック率は20%前後と横ばいで推移。また、ID連携率は約42%を記録
  • Liglaでリッチメニューの出し分けを行って以降、1カ月あたりのリッチメニュー経由のEC売上が1000万円に倍増
  • システム配信全体で見ると、ROAS2,000%を超える実績を記録

LINEで店舗とECをつないでOMO促進をめざす

2000年に設立されたバロックジャパンリミテッドは、「MOUSSY」「SLY」「AZUL BY MOUSSY」など19ブランドを展開しています。現在、国内外に約650店舗を構え、2023年3月には旗艦店「The SHEL’TTER TOKYO東急プラザ表参道原宿店」をリニューアルオープンしました。

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同店は外観にあるデジタルサイネージでブランドムービーなどを表示するほか、店内ではECサイトとライブ配信を組み合わせるライブコマースを行うスタジオが併設されるなど、OMO(※)の拠点としての役割を担っています。

  • Online Merges with Offlineの略。ECサイト(オンライン)と店舗(オフライン)を融合させ、顧客体験の向上を目指すマーケティング手法

また、自社アプリ「SHEL'TTER PASS」上では、デジタル会員証、店舗やECサイト「SHEL‘TTER WEBSTORE」で使えるマイル(ポイント)などの各種機能を提供しており、「これらの取り組みを通じて店舗とECの連携強化を行なっている」とバロックジャパンリミテッドの柴田氏は話します。

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「弊社の強みは商品はもちろん、店舗に立つ販売員にあると考えています。なかにはインフルエンサーのような人気スタッフもおり、そのスタッフがLINE STAFF STARTを使って情報発信すると、わざわざ遠方から足を運んでくださるお客様もいるほどです。

 

こうした発信力や集客力を土台としながら、店舗とECサイトそれぞれで保有するデータを統合して活用することで、オンライン・オフラインを問わずシームレスに買い物ができて、その結果、ロイヤリティーが高まるような顧客体験の提供を目指しています」(柴田氏)

インタビュイーの写真

株式会社バロックジャパンリミテッド EC事業MAアドバイザリー 柴田幸男氏

現在、店舗では自社アプリ「SHEL'TTER PASS」の登録を促し、ECサイトでは自社ECのLINE公式アカウントの友だち追加を促しています。OMOを促進するには「自社アプリの会員とLINE公式アカウントの友だちの“重なり”を増やしていくことが重要」と柴田氏は強調します。

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「弊社はSNSやメルマガなど複数のコミュニケーションチャネルを併用していますが、LINEはメールではアプローチできない層に対する販促チャネルとして活用しています。

 

具体的には、ロイヤリティーが比較的高めのアプリ会員に、メールよりも即時性と開封率の高さが期待できるLINEで情報発信することで、ECサイトの利用を効果的に促すことができます」(柴田氏)

友だち追加からID連携まで一気に訴求し、質の高い友だちを集客

バロックジャパンリミテッドでは、現在4種類のLINE公式アカウントを運用しています。

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なかでも、とくに運用に力を入れているのが「自社ECアカウント」で、購入数・売上・ROI・ROASをKPIに設定しています。そのKPIを達成するためにLINE公式アカウントの運用を強化する必要性を感じた同社は、TimeTechnologiesが提供する「Ligla」を2022年12月に導入しました。

 

「Liglaの導入前も別のMAツールを利用してカート落ちやレコメンドなどのメッセージを配信していたのですが、一気通貫でユーザーの態度を変容させるような施策はできていませんでした。しかし、Liglaの導入後はデータを活用したセグメント配信によって、未購入顧客の効果的なナーチャリングが可能になりました。実際にEC売り上げアップにもつながっています」(柴田氏)

 

Liglaの運用をサポートしているTimeTechnologiesの柴田剛氏は、「未購入顧客やライト層にも効果的にメッセージを送り分けたいというニーズが多い」と明かします。

 

「Liglaは会員登録前・ID連携(※)前のユーザーに対してもセグメント配信やパーソナライズ配信が可能なので、未購入者の引き上げが見込めます。また、ナーチャリングのためにどのようなセグメントを用いるかについては、企業様とご相談しながら決めていきます。

 

バロックジャパンリミテッド様の場合、導入時に計28個の施策をご提案させていただき、施策の開始から1カ月ほどで効果が現れました」(TimeTechnologies 柴田氏)

  • LINEのユーザーIDと企業が保有する会員IDの連携。なお、ID連携はユーザーの許諾を得た上で行われます。

インタビュイーの写真

株式会社TimeTechnologies 取締役COO柴田剛氏

さらに、「質の高い友だち集客もLiglaの利用メリットの1つ」とTimeTechnologiesの柴田氏が語るように、バロックジャパンリミテッドでは以下のような施策でECサイトを訪れたユーザーの友だち追加やID連携を効率的に促しています。

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「友だち追加の施策は主に2つです。ひとつは、ECサイト内の会員登録完了ページにボタンを設置して、LINE公式アカウントに誘導しています。

 

もうひとつは、友だち追加していないユーザーがECサイトに訪れた際、ポップアップを表示させるLiglaの機能を使っています。毎月、友だち追加数のうち25%がこのポップアップ経由となっています」(久保木氏)

インタビュイーの写真

株式会社バロックジャパンリミテッド 営業統括本部 OMO推進部 UI/UXグループ グループ長
久保木理冴氏

このサイト内ポップアップは、たとえば「1人あたり5回」というように表示回数を制限することができます。ユーザーがサイトを利用するなかで煩わしさを感じさせないようにしながら友だち追加を促せる点で、特にEC業界と相性が良いといえるでしょう。

 

また、バロックジャパンリミテッドではマイルプレゼントをフックにして、Liglaと別のMAツールから合計3種類のポップアップバナーを出し分けています。

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さらに、Liglaの機能を利用して、ID未連携ユーザーとID連携済みユーザーそれぞれに合わせてリッチメニューを出し分けています。

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「一連の施策で、友だち追加からID連携まで一気に完了してもらえるように工夫しています。LINE公式アカウントの友だち数は以前の2倍以上のスピードで増加しているものの、ブロック率は20%前後と横ばいで推移しています。また、ID連携率は約42%ですが、さらに精度の高いセグメント配信やパーソナライズ配信を目指して、今後も連携率を高める施策を継続します。

 

ちなみに、Liglaでリッチメニューの出し分けを行って以降、1カ月あたりのリッチメニュー経由のEC売上が1000万円に倍増しました。実際の売上効果を目の当たりにして、ユーザーに合わせたコミュニケーションの重要性を実感しています」(久保木氏)

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スポット配信とシステム配信を効果的に使い分け

前述の施策で質の高い友だちを集客した上で、バロックジャパンリミテッドでは次のようなメッセージ配信を実施しています。

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「メッセージの配信方法は、大きく分けて2種類あります。

 

スポット配信はキャンペーンの告知や新作情報など、内容によって適宜、優先順位つけて手動で配信しています。現在は週に10回程度配信しており、セールやクーポン訴求の配信では1回の配信で100万円の売り上げにつながった例もあります。

 

一方、システム配信はユーザーの行動履歴などに応じたレコメンド配信、リマインド配信、カゴ落ち配信を自動で送れるようにLiglaの管理画面で設定しています。一例として、リマインド配信の成果を紹介しますが、他のシステム配信でも高い配信効果を記録してKPI達成に寄与しています」(久保木氏)

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また、配信頻度や予算の都合でどうしてもLINE公式アカウントで配信できなかった情報については、メッセージ通数に加算されないLINE VOOMに投稿して、ユーザー間でのシェアを通じた認知度アップを図っているといいます。

 

「システム配信全体で見るとROAS2,000%を超える実績が出ていますが、弊社のLINE運用は兼任メンバーも含めて3人で行うなど、一言で表現するとすれば『省力化』です。

 

システム配信だけでも、1人のユーザーに1週間で10以上のメッセージが届くケースもありますが、クリエイティブは他のSNSで使用したものをカスタマイズしますし、配信効果の高い“勝ちパターン”が見つかれば、あとはそれに微調整を加えて効果検証を繰り返すのみです。

 

新たなシステム配信を企画する時は、最初にTimeTechnologiesのカスタマーサクセス担当者様と打ち合わせて設定を行い、その後はなるべく自分たちで運用するように意識しています」(久保木氏)

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こうした取り組みにより、バロックジャパンリミテッドは直近1年でLINE公式アカウント経由の売り上げを150%伸長させました。今後の展望について、3氏はそれぞれ次のように語ります。

インタビュイーの写真

「Liglaでは、今年4月に店舗別の管理機能を追加しました。これにより、各店舗での友だち追加数の把握や、店舗イベントや出店しているモール情報に絡めた配信、あいさつメッセージの出し分けなどで、来店促進やECサイトへの誘導が可能となります。また、弊社の親会社である株式会社ブレインパッドはAIや機械学習に強みを持っているので、それらのテクノロジーも使いながら、今後もバロックジャパンリミテッド様をはじめ、お客様企業の販促やナーチャリングの最適化、自動化を支援していきたいと思います」(TimeTechnologies 柴田氏)

 

「アパレル業界では、2回以上買ってくれたお客様が3カ月以内にさらに購入してくれる確率は50%と言われています。しかし、1回だけ購入した方が、2回目を購入する確率は10%程度です。この“2回目の壁”を打ち破るために、期間限定のクーポンやポイントを配信するなど、初回購入の熱が冷めないうちにLINEで積極的にコミュニケーションを取っていきたいと思います。そのためにも、やはりID連携を基にしたデータ活用が大きなカギになりますね」(柴田氏)

 

「ECで購入したアイテムを店舗で受け取ることができるサービスを構想しています。その際、注文完了のお知らせや来店時間の予約などがLINE上でできると、ユーザーの利便性につながるのではないかと考えています。現在のようにユーザーが情報を受け取るだけではなく、ユーザー側からアクションを起こして店舗と積極的につながれるツールとしてLINEを活用していきたいですね」(久保木氏)


(公開:2023年7月、取材・文/相澤良晃、写真/高橋枝里)

 

※本記事内の数値や画像、役職などの情報はすべて取材時点のものです
※本記事内の実績は取材先調べによる数値です

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