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LINE公式アカウント LINEプロモーションスタンプ

累積売上 9 億円とファンの“熱狂”を生み出すフィットネスブランド「VALX」の LINE公式アカウント活用

株式会社レバレッジ

2023.09.15

(左から)
株式会社レバレッジ D2C事業部 マーケティング責任者 森井寿生氏
スタークス株式会社 取締役 大塚真吾氏

フィットネスブランド「VALX(バルクス)」を展開する株式会社レバレッジ(以下、レバレッジ)は、プロテインやサプリメントなどを扱う自社ECの販売促進にLINE公式アカウントを活用してきました。着実に成果をあげて、ブランド立ち上げからの4年間で、LINE経由の累計売上は9億円を突破。その原動力となっているのが、D2Cに特化したLINE公式アカウントの機能拡張サービス「リピートライン」の提供と運用支援を行うスタークス株式会社です。

 

VALXのマーケティング責任者であるレバレッジの森井寿生氏(以下、森井氏)と、リピートラインを提供するスタークス株式会社(以下、スタークス)取締役の大塚真吾氏(以下、大塚氏)のお二人に、EC領域におけるLINE活用のポイントと具体的な成果の上げ方について話を聞きました。

目的
  • LINEを活用することで、筋トレに対する“熱狂度”の高いユーザーをさらに集客したい
  • LINEの販促効果をさらに高めるとともに、自社ECを利用するユーザーに便利な機能を提供したい
施策
  • D2Cに特化したLINE公式アカウントの機能拡張サービス「リピートライン」を導入
  • さまざまな方法でLINE公式アカウントの友だち追加を促すと同時にID連携も促し、LINE上で注文履歴の確認や定期便の解約・変更などの便利機能を提供
  • あいさつメッセージやリッチメニューの出し分けを行い、クリックなどのユーザーアクションを喚起する
  • 「筋トレ大学入学試験」と称したアンケート(クイズ)を友だち追加直後に回答してもらい、結果に応じて割引クーポンをプレゼントする
  • 「第1回VALXプロテイン総選挙」というユーザー参加型セールを企画し、お気に入りのプロテインのほか商品購入を促す
効果
  • 全25問の「筋トレ大学入学試験」の回答完了率は、ユーザーの50%以上
  • 「第1回VALXプロテイン総選挙」の総投票数は74,787票で、うち8割以上がLINE経由の投票。同セールにおけるLINE経由の売上は前月比191%を記録
  • LINE経由の自社ECの累計売上は9億円を突破し、平均ROASは2,000%以上を記録

LINEの販促機能を強化する「リピートライン」

2016年にフィットネス事業に進出したレバレッジは、パーソナルジム検索サイト「DIET CONCIERGE」(ダイエットコンシェルジュ)を公開し、2019年には“トレーナー界のレジェンド”山本義徳氏の監修のもと、フィットネスブランド「VALX」を立ち上げました。現在は、首都圏を中心に全国で7店舗「VALX GYM」を運営するほか、自社ECでサプリメントやプロテイン各種を販売しています。

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「弊社は、“筋肉博士”こと山本義徳さんの知見や影響力を生かして、多くの消費者に直接商品を販売する手法をとってきました。VALXのローンチから3年間で年商65憶円を達成し、今期はさらなる成長を目指しています」(森井氏)

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株式会社レバレッジ D2C事業部 マーケティング責任者 森井寿生氏

その急成長の土台となっているのが、「プロダクトファースト」というマーケティング戦略です。

 

「どんなにプロモーションを頑張っても、結局、商品そのものが良くなければ、定期購入にはつながりません。そのため、SNSやアンケートなどを活用して、徹底的に顧客インサイトを掘り起こし、お客さまに喜ばれる商品開発および改良を続けています」(森井氏)

 

同社では、ブランドの立ち上げ当初からLINE公式アカウントを活用してきました。「クローズドでファンをつなぎ止められるのがLINEの最大の魅力」と森井氏は説明します。

 

「VALXでは各媒体の強みを生かして、マーケティングを行っています。たとえば、X(旧名称Twitter)やSNSは情報拡散に、YouTubeはロイヤリティー化やエンゲージメントの強化に利用。LINEは、幅広いユーザー層とコミュニケーションを取りながら販売へとつなげられるので、最も売上貢献度が高い媒体になっています」(森井氏)

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LINEの販促効果をさらに高めるために同社が導入しているのが、D2Cに特化したLINE公式アカウントの機能拡張サービス「リピートライン」です。リピートラインで自社ECの会員情報とLINEのユーザーIDを連携(※)することにより、購入日やお届け予定日を起点としたステップ配信、購入した商品や回数などのデータを活用したセグメント配信といったCRM施策がLINEでできるようになります。

  • ユーザーの許諾を得た上で連携されます

また、商品をお届けするタイミングや解約など、ECサイトでよくあるお問い合わせにもチャットボットで自動応答が可能に。「操作も簡単で、多くのD2C・リピート通販事業者にご利用いただいている」とスタークスの大塚氏は胸を張ります。

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「購入商品などによるセグメント設定は、タグ付けなどの面倒な作業は不要で、プルダウン形式でできます。実際の運用については当社の担当者がサポートするので、より高度な使い方をしたい、機能をカスタマイズしたいという要望にもお応えできます。VALX森井様とは週1~2回ほど打ち合わせして、二人三脚でLINE経由の売上アップに取り組んでいます」(大塚氏)

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スタークス株式会社 取締役 大塚真吾氏

ユーザーの“熱狂度”をはかる「筋トレ大学入学試験」

VALXではLINE公式アカウント運用のKPIを「友だち数」に設定しています。その理由について森井氏は、「LINE公式アカウントでセール情報やクーポンを配信すると、高い確率で購入につなげられるため、友だち数の増加=売り上げアップと判断している」と明かします。

 

友だち集客の主な経路は、①商品購入後のサンクスページ等での訴求、②SNSやインフルエンサーによる呼びかけ、③LINE広告「友だち追加」の3つです。このうち、最も獲得数が安定しているのが①ということです。

 

「具体的には、自社ECの購入後サンクスページで、割引クーポンをもらえること、そしてID連携をすればLINE上で注文履歴の確認や定期便の解約・変更が可能になることなど、ユーザーメリットを前面に打ち出してLINEの友だち追加を促しています。

 

これらの訴求で“LINEはお得”というイメージをユーザーに強く印象づけることができるので、その後のブロック防止にもつながっていると思います」(森井氏)

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また、ユーザーの友だち追加直後に自動配信する「あいさつメッセージ」にも工夫を凝らしています。

 

「友だち追加の経路によって内容を出し分けています。たとえば、動画でインフルエンサーが『もうすぐセールが始まります』といって友だち追加を促してくれたのに、あいさつメッセージでその情報が載っていないのと不自然ですよね。細かいことですが、ユーザーの期待を裏切らないことで、配信効果をより高められるように努めています」(大塚氏)

 

また、あいさつメッセージのリンクから、「筋トレ大学入学試験」と題して、トレーニングに関するクイズ(アンケート)25問を出題。その結果に応じて、最大2,000円の割引クーポンを配布しています。森井氏曰く、「全25問という決して少ないない項目数だが、回答完了率は受験ユーザーの50%以上に上る」という結果からも、多くのユーザーが本クイズをコンテンツとして楽しんでいるという状況が窺えます。なお、試験が完了したユーザーには、2日後に割引クーポンの使用に関するリマインドメッセージを「ステップ配信」機能を活用して自動送信しているそうです。

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「試験問題の冒頭に、入学願書と称してユーザーの購買状況や“熱狂度”(ファン度)がわかる質問を入れています。その結果を見ると、受験ユーザーには週2~3回ほど継続的に筋トレを行っており、かつ動画投稿サイトで弊社が運営するチャンネル「筋トレ大学」を毎週視聴するような、“熱狂度”が大変高い方が多いということがわかりました。つまり、LTV(Life Time Value、生涯顧客価値)を期待できる、質の良い友だちが獲得できていると考えています」(森井氏)

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「第1回VALXプロテイン総選挙」で前月比191%の売上達成

友だち数を重視するVALXは、先述した3つの友だち追加経路に続く“第4の打ち手”として、2023年4月から6月にかけて、友だち追加を条件にユーザーが無料でダウンロードできるLINEプロモーションスタンプの「ダイレクトスタンプ」を実施しました。

 

同社の商品を監修する山本義徳氏をキャラクター化して、8種類のスタンプを用意。LINE広告「友だち追加」のクリエイティブでも同スタンプについて告知したところ、通常のクーポン訴求のクリエイティブの時よりもCTR約3倍と、大きな配信効果を残しました。

 

「ダイレクトスタンプを実施した結果、ダウンロード数7.5万人と友だち数の増加に大きく貢献してくれました。それまでは、LINE公式アカウントの友だち数よりもSNSのフォロワー数や動画サイトのチャンネル登録者数の方が圧倒的に多かったのですが、そこで取りこぼしていた方々をLINEに誘導できたのではないかと思います。

 

また、スタンプの利用実績を振り返ると、8種類のスタンプのうち『脳筋だね』というトレーニング愛好家が好みそうなワーディングのスタンプが全体の利用率の20%を占めていました。このことから、今回の施策を通じて“熱狂度”の高いユーザーを友だち集客できたと確信しています」(森井氏)

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さらに、今年2月には施策連動型のセール情報配信として、「第1回VALXプロテイン総選挙」を実施。ユーザーがお気に入りのフレーバーに投票するという企画で、総投票数は74,787票、そのうちの8割以上がLINE経由の投票です。

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「LINEは他のプラットフィームと違い、配信メッセージから数タップで気軽に投票ができる設計だったので、最も投票が多かったのだと思います。総選挙と連動してセールも実施して、投票したユーザーと投票しなかったユーザーで告知メッセージの配信内容を分けました。

 

投票したユーザーには、自分が投票したプロテインが何位にランクインしているのか興味を抱かせる内容で、クリックや購入を促しました」(森井氏)

 

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その結果、投票ユーザー向けの配信では、通常のセール情報の配信と比較してCTRは約3倍を記録。さらに、LINE経由の売上は前月比191%とほぼ倍増しました。このようにメッセージを細かな出し分けも、「リピートライン」で実現しています。

 

「各種メッセージだけでなく、トークルームの下に固定表示されるリッチメニューも常に最適なものに変えています。たとえば、友だち追加後の12時間限定で、筋トレ大学入学試験への参加ボタンを設置。その後は、セール情報などの通常のボタンに戻ります。経験上、友だち追加した初日がもっとも商品が購入されやすいということがわかっているので、その機会をロスしないために試験参加の訴求は半日に限定しているわけです」(大塚氏)

 

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次の目標は「プッシュ型」から「プル型」への移行

一連の施策が功を奏し、LINE経由の自社ECの累計売上は9億円を突破しました。平均ROASは、2,000%以上。「ユーザーの気持ちを第一に考え、丁寧なコミュニケーションを続けてきたことが結果につながったと思う」と語る森井氏に続き、スタークスの大塚氏は成功の要因を次のように語ります。

 

「VALX様はLINEや他のSNSを通じ、一貫してファンが期待するコンテンツを届けて関係性を強化してきました。そうした背景があるからこそ、リピートラインによるLINE公式アカウントの機能拡充も十分に生かされたのではないかと思います」

 

筋トレ大学入学試験、脳筋スタンプ、VALXプロテイン総選挙など、トレーニング愛好家の“熱狂度”を高めるコンテンツを提供しながら、LINEを通じて自社ブランディングも進めてきたVALXの森井氏は、今後のLINE公式アカウントの運用について次のように語ります。

 

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「現在は、プッシュ型のコミュニケーションが中心になっているので、ゆくゆくはプル型に移行したいですね。たとえば、LINE上で筋トレの成果や食事メニューを記録できるとか、ボディビルの大会日程を確認できるとか、ユーザーが自らVALXのトーク画面を開きたくなるように、コンテンツやさらなる機能の充実を図っていきたいと思います。多くのユーザーとつながり続けることが、結果的に売上げアップにつながるはずので、これからもユーザーの気持ちに寄り添ったコミュニケーションを続けていきます」(森井氏)


(公開:2023年9月、取材・文/相澤良晃、写真/山﨑美津留)

 

※本記事内の数値や画像、役職などの情報はすべて取材時点のものです
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