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LINEプロモーションスタンプ

人気キャラクターで友だち330万人を獲得!ゼスプリのLINEプロモーションスタンプ活用

ゼスプリ インターナショナル ジャパン株式会社

2019.12.10

ゼスプリ インターナショナル ジャパン株式会社
ブランドマネージャー コンシュマーマーケティング 水谷かやの氏

ゼスプリ インターナショナル ジャパン株式会社は、キウイフルーツの販売を手がけるゼスプリ インターナショナルの日本における販売窓口です。グローバルでも重要な市場と見なされる日本において、同社はオリジナルキャラクター「キウイブラザーズ」を登場させるテレビCMと連動し、LINE公式アカウントおよびLINEプロモーションスタンプを用いたキャンペーンを展開しました。

 

同社ブランドマネージャーの水谷かやの氏(以下、水谷氏)に、ゼスプリキウイフルーツのマーケティングにおいてLINEに期待した役割やその成果について話を伺いました。

目的
  • 商品やゼスプリのブランドイメージについて、消費者(特にターゲットとなる若者層)の認知や理解を獲得したい
施策
  • 消費者参加型キャンペーンを企画し、情報拡散のためにLINE公式アカウントとLINEプロモーションスタンプを活用
  • 消費者の参加を“バイト募集”、オリジナルキャラクター「キウイブラザーズ」を起用したスポンサードスタンプ配布を“福利厚生”と呼ぶユニークな切り口でキャンペーンを展開
効果
  • キウイを買ったり食べたりしたときの感情を表す「アゲリシャス」というキーワードが話題になり、LINEプロモーションスタンプは1カ月で330万ダウンロードを記録
  • キャンペーンの主なターゲットだった20代、30代女性ユーザーに限定すると、スタンプの1カ月の送信数がKPIの2倍となる約1,100万回を記録

LINEが持つ、『リーチメディア以上の価値』に注目

スーパーマーケットの店頭で目にするグリーンやゴールドのゼスプリキウイフルーツの、日本におけるマーケティングを一手に担うのがゼスプリ インターナショナル ジャパン株式会社(以下、ゼスプリ)です。同社は、日本発のキャラクター「キウイブラザーズ」を起用したテレビCM、自社のWEBサイトやSNS上での宣伝活動を2016年から展開しています。同キャラクター誕生の背景について、水谷氏は次のように振り返ります。

 

「キウイブラザーズの登場以前は、主にタレントを起用したマーケティング活動を行っていました。それによって知名度は上がったものの、商品であるゼスプリキウイフルーツのおいしさや栄養、ブランドイメージについて認知してもらえないという課題がありました」

水谷氏の写真

ゼスプリ インターナショナル ジャパン株式会社 ブランドマネージャー 水谷 かやの氏

このように、キウイを食べる習慣が少ない若者層に対してその美味しさや栄養を伝えていくことにも改善の余地を感じていたことから、「ゼスプリキウイフルーツ自体に愛着を持ってもらいたい」という経緯で生まれたのが、「キウイブラザーズ」でした。

キウイブラザーズのスタンプ

ゼスプリの主力商品であるグリーンとゴールド、2種類のゼスプリキウイフルーツをモチーフにした
「キウイブラザーズ」は、400以上ものキャラクターを研究して生まれた

愛嬌たっぷりのキャラクター誕生は、かねてから活用が検討されていたLINEサービスの導入も後押ししました。キャラクターがメディアに露出してからほどなく、「LINEスタンプにしてほしい」という消費者の声が寄せられ、2017年にキウイブラザーズのLINEスタンプを発売しました。

 

「ユーザー規模からも、LINEにはリーチメディアとしての価値を感じていました。しかし、ただ情報を届けるだけでなく、キウイブラザーズのLINEスタンプを通じてゼスプリキウイフルーツが消費者の話題になり、実際に商品を目にしてもらう機会が増えれば、『リーチメディア以上の価値』が生まれると考えたのです。

その後、さらなるLINEの活用を検討する中、法人向けのサービス統合でメニュー内容や料金体系がわかりやすく整理されたこともあって2019年6月にLINE公式アカウント開設し、LINEプロモーションスタンプの出稿に踏み切りました」

330万ダウンロードを記録したLINEプロモーションスタンプが、キャンペーン告知の起爆剤に

2016年からスタートしたキウイブラザーズ起用のキャンペーンでは、その年ごとに「味」や「美味しさ」、「栄養」といったテーマを設定して、テレビCMをはじめとするマーケティング活動を行ってきました。2019年は消費者アンケートを基に、「フルーツを買ったり食べたりするときに、人が『嬉しい気持ち』になるという点に注目した」と水谷氏は語ります。

 

「キウイにはジューシーな独特の甘さや種のつぶつぶ感があって、食べたときに他のフルーツにはない『ユニークな高揚感』が得られます。そこで、2019年はキウイを買ったり食べたりしたときの感情に合わせたマーケティングを展開しようと、“気分をアゲる”と“デリシャスなキウイ”を組み合わせた『アゲリシャス』という言葉をつくりました」

 

この「アゲリシャス」という造語を印象深く伝えるため、ゼスプリはLINE公式アカウントを活用しながら消費者参加型のキャンペーンを実施しました。テレビCMでオリジナルの歌とダンスを披露し、“バイト募集”という名目で消費者に同様のダンス動画やキウイの写真などを投稿してもらい、ミュージックビデオを完成させるという内容です。

キャンペーンの認知度をさらに向上させたのが、先述したバイト募集の際に、“福利厚生”というユニークな切り口で打ち出したLINEプロモーションスタンプでした。キャンペーンがスタートした2019年6月4日以降、ゼスプリのLINE公式アカウントを友だち追加すると無料でLINEスタンプがダウンロードできるように設計。消費者によるダンス動画の投稿を促すとともに、スタンプは1カ月で330万ダウンロード(=友だち獲得数)を記録しました。

スタンプの画像

16種類のLINEプロモーションスタンプは、日常のさまざまなシーンで使える。
(現在、上記スタンプは配信を終了しています)

キャンペーンの主なターゲットだった20代、30代女性ユーザーに限定すると、ダウンロード後のスタンプの送信数は、KPIとして設定していた500万回の2倍となる約1,100万回を記録。トークリストだけでなく、タイムラインの投稿にも「いいね」やスタンプを使った返信が多数寄せられるなど、大きな反響がありました。

 

「スタンプを使った施策については、2017年の施策である程度の手応えを感じていました。今回はLINEプロモーションスタンプを『福利厚生』と位置付けて、消費者全員がもらえるようにしたのが大きな反響を呼んだと分析しています。営業から第二弾はいつ出るのかという声が上がったりと、社内からの反応も上々です」

来シーズンを見据えて、LINEのさらなる活用を検討

キウイは季節商品ということもあって今年のキャンペーンは終了しましたが、水谷氏はLINEのサービスを活用した今後の施策について検討しています。

 

「具体的には、LINE公式アカウントで興味関心セグメントを活用した、メッセージ配信を検討したいです。また、デジタル上でキウイブラザーズを中心とした施策による商品認知から、コンバージョンポイントとなるスーパーマーケットでの購買までを一気通貫で行えるOMO施策なども検討したい。長期的な視点で見ると、キウイは販売量を含めてまだまだ伸び代があると考えていますので、来年もLINEを使った取り組みが展開できればと考えています」

水谷氏の写真

また、水谷氏はキウイをバナナ、リンゴ、みかんのようなメジャーなフルーツにすることも目標としています。

 

「キウイをもっとメジャーにしていくために、長期にわたって商品を購入いただけるよう消費者とコミュニケーションを深めていきたいです。LINEスタンプを介してキウイブラザーズというキャラクターへの愛着をますます持っていただくことが、結果、消費者との長期的な関係構築につながっていくと思います」

 

(公開:2019年12月/取材・文:中野渡淳一、写真:高橋枝里)

 

※本記事内の数値や画像、役職などの情報はすべて取材時点のものです