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運用テクニック 公開日:2023.11.06

【LINE Frontliner野嶋友博氏が語るEC業界向けLINE広告の運用戦略】 第2回「成果を左右するのは、配信面を意識したクリエイティブ」

LINE広告

LINE広告は、月間9,600万人(2023年12月末時点)の日本国内のLINEユーザーに広告が配信できるサービスです。このLINE広告に関して、高い知識レベルと豊富な経験を備えたLINEヤフーの認定講師「LINE Frontliner」であり、企業の事業成長を支援する株式会社オプトの野嶋友博氏に、ECにおけるディスプレイ広告のトレンドとLINE広告の活用法などについて話を聞きます。第2回のテーマは、「配信面を意識したクリエイティブ」です。

単品リピート型のECは新規顧客との接点が何より重要

――前回、「ECの広告戦略は、①単品リピート型のECと②多品目型のECの2つに分けて考える必要がある」と伺いました。具体的にどのような方針で戦略を立てればよいのか教えてください。

 

野嶋:今回は「①単品リピート型のEC」のディスプレイ広告運用の考え方についてお話します。

 

単品リピート型のECにおけるディスプレイ広告の役割は、とてもシンプルです。それは、「新規顧客の増加につなげる」ということです。Web広告のみならず、チラシやDM、インフォマーシャルといったほかの広告においても同様です。単品リピート型のECは、サブスクリプション形式で定期購入を続けてもらうことにより、継続的に売上を得るビジネスモデルのため、新規顧客が増加すると売上も拡大していきます。

 

そこで重要な指標となるのが、CAC(Customer Acquisition Costの略称:顧客単価)とLTV(Life Time Valueの略:顧客生涯価値)です。この2つは、近年、単品リピート型のECが直面しているディスプレイ広告の運用課題とも重なります。

  • CAC(顧客単価)の課題

競合の増加、ターゲティング機能の低下、広告表現規制などによるマーケティング手法の変化により、マーケティングコストが増大している。

  • LTV(顧客生涯価値)の課題

競合の増加によって他社製品に乗り換えられるリスクが高まっている。特に、初回購入から2回目以降の購入につながりづらくなっている。また、「初回半額」などの特典付与で購入した商品をフリーマーケットサイトで大量に転売するなど、当初から定期購入の意思がないユーザーもいることから、D2Cブランドは継続的に利益を生むことに苦戦しがちな環境にある。

CACが高騰すると、定期購入から利益につながるまでの期間が長くなってしまいます。例えば、1カ月で1,000円の利益が出る定期購入商品があったとします。該当商品のCACが5,000円であれば、利益につながるまでに要する期間は5カ月ですが、CACが10,000円だと利益につながるまでの期間は10カ月です。単品リピート型のECにおいては、CACがとても重要な指標になります。

進化を続けるLINE広告の配信面

――こうした課題がある中、LINE広告で成果を出すためのポイントを教えてください。

 

野嶋:LINE広告は、ローンチ当時からディスプレイ広告の主力メディアではあったものの、掲載業種が限られており、審査基準も厳しい傾向がありました。しかし、近年は掲載業種の緩和や審査環境の改善などもあり、従来よりもさらに多様な業種、商品が掲載できるようになりました。LINE広告の運用効果を上げるためのポイントは、実は今も昔も大きく変わっていません。

  • クリエイティブ
  • ターゲティング

 

最も重要な「クリエイティブ」においては、配信面を考慮したクリエイティブ制作が大切です。LINE広告は、年々LINEアプリ内での広告配信面が増加しており、クリエイティブのフォーマットも進化を続けています。昨年は、LINEアプリ内でユーザーに最も利用されている「トークリスト」の最上部に、動きのある(アニメーション)フォーマットの広告が配信できるようになりました。

「トークリスト」のほかにも、「LINE NEWS」や「LINE VOOM」などのさまざまな配信面がある一方で、現段階では、まだ、配信面を指定することができません。加えて、それぞれ配信面でのフォーマットが異なっています。そのため、それぞれの配信面に対応しているフォーマットに合わせてクリエイティブを制作することで、配信面をある程度限定することができます。また、それぞれの配信面の特徴に合わせたクリエイティブを作成することで、広告効果を高めることもできます。

 

例えば、ショート動画プラットフォームの「LINE VOOM」では、一般ユーザーが投稿しているような、あまり作り込み過ぎていない“素人っぽさ”を感じるクリエイティブのほうが、クリック率は高くなる傾向があります。クリエイティブを制作する具体的なコツとしては、「商品よりも、人を登場させること」や「字幕を入れること」なども有効です。

 

LINE広告は、「どのような配信面で、誰がどのような気持ちで見るのか」を意識してクリエイティブをつくることで、まるで成果が変わってきます。それが運用の面白さでもあると思います。

――では、ターゲティングのポイントは?

 

野嶋:「機械学習をしっかり働かせる」ということです。ひと昔前までは、手動でどのユーザーへ配信したいかを細かく設定しなければ、広告効果を上げることができませんでした。しかし、最近では、広告運用の自動化が進んでいることもあり、学習データを程度集めることができれば、機械学習がターゲットを絞り、親和性の高いユーザーへ自動的に広告を配信してくれます。まずは、キーワードや広告表示オプションをテーマごとにまとめた「広告グループ」の1つにおいて、1カ月に40CVを目標に設定し、1日あたり10CV程度を維持することができれば、安定した配信が続けられると思います。初めてLINE広告の運用を始める方は、この「40CV」という数字を目標にしてみたらいかがでしょうか。

 

これまでお話してきた通り、単品リピート型のECは、いかに多くの新規顧客とつながることができるかが企業の収益性に直結します。言い換えると、広告の運用効果を高めれば、収益性の向上につなげることができます。LINE広告は、クリエイティブやターゲティング設定の工夫によって、新規顧客とのつながりを広げられるメディアだと感じています。

 

次回は、「多品目型のEC」の運用のポイントについてお話します。

 

関連タグ:
#LINE広告 #インタビュー

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