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調査 公開日:2022.11.17 更新日:2023.10.03

マーケティングとは?種類や戦略を立てる際のポイントを解説

Yahoo!広告

マーケティングとは、自社商品が売れる仕組みを作る活動全般のことです。おおまかなイメージを持っている方は多いかもしれませんが、マーケティングの改善を図るとなると、あらためて基礎知識を押さえておく必要があります。

 

本記事ではマーケティングの概要、種類、マーケティングの進め方、手法、成功させるポイントなどを解説します。

 

そもそもマーケティングとは?

顧客ニーズを満たすための活動をおこない、結果として利益や成果につなげることを「マーケティング」といいます。市場を調査し、「誰に」「何を」「どうやって」売れるのかを考え、自社商品が売れる仕組みを検討します。

 

より厳密な定義として、以下の日本マーケティング協会の説明をご紹介します。

 

マーケティングとは、企業および他の組織がグローバルな視野に立ち、顧客との相互理解を得ながら、公正な競争を通じて行う市場創造のための総合的活動である

 

ほとんどの場合、マーケティングの最終的な目的は業績の向上です。しかし、マーケティングの対象は企業活動の大部分に及ぶため、顧客理解、集客数増加、ブランド価値の確立、顧客満足度の向上など、さまざまな中間目標が立てられます。

 

間違いやすい販促との違い

販促(販売促進)とは、チラシの配布や割引キャンペーンの実施など、消費者に商品を購入するきっかけを与えるための活動です。つまり、販促はマーケティングの一部です。

 

販促については、下記ページで詳しく紹介しています。ぜひ併せてご覧ください。


> 【事例あり】販促(販売促進)とは?重要性や効果的な販促方法を解説

 

マーケティングの種類

 

マーケティングにはデジタルマーケティング、アウトバウンドマーケティング、リアルマーケティングの3種類があります。ここでは、それぞれの概要と施策例を解説します。

 

デジタルマーケティング

デジタルマーケティングとは、ITツールやICT(情報通信技術)を活用するマーケティング手法です。具体的には、CRM(顧客管理システム)やMA(マーケティングオートメーション)などのITツール、メールマガジンやWeb広告などのオンライン施策を活用します。

 

デジタルマーケティングは以下のように細かく分けられます。

 

Webマーケティング

ディスプレイ広告や検索広告、SEOなどWeb上で展開されるマーケティング手法

 

インバウンドマーケティング

ホームページやSNSアカウントの運用などで情報を提供し、顧客自身に自社を見つけてもらうためのマーケティング手法

 

コンテンツマーケティング

顧客に役立つ記事や情報を発信するなど、コンテンツ経由で集客、販売につなげるマーケティング手法
デジタルマーケティングは、データ活用がしやすくリアルタイムで運用を調整しやすいメリットがあり、急速に重要性が高まっています。

 

アウトバウンドマーケティング

アウトバウンドマーケティングとは、企業から潜在層にアプローチするマーケティングで、「プッシュ型マーケティング」とも言います。代表的な施策は、マス広告、街頭広告、DMなどです。


アウトバウンドマーケティングは不特定多数の人に対する情報発信や販促などに向いています。一方、無駄な広告費用が発生しやすく、成果を測定しにくいのがデメリットです。

 

リアルマーケティング

リアルマーケティングとは、対面で実施されるマーケティングです。実店舗での接客、実演販売、セミナー、街頭アンケートなど、さまざまな施策があります。


リアルマーケティングは顧客の声を直接聞いて反応を確かめられるのがメリットです。一方、アプローチできる顧客数が少ないため、先に紹介したデジタルマーケティングと組み合わせる方法も増えています。


例えば、O2Oマーケティングのように、デジタルマーケティングを活用して実店舗へ顧客の来店を促し、実店舗では接客をおこなうといった方法です。


O2Oマーケティングについては下記で詳細に解説していますので併せてご覧ください。
> O2Oマーケティングとは?オムニチャネルとの違いや効果的な施策を事例とともに解説

 

マーケティング戦略を立てる5つのステップ

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ここではマーケティング戦略を立てる手順を、5つに分けて解説します。

 

➀内部環境の把握と市場調査をおこなう

まずは、内部環境の把握と市場調査を実施します。マーケティングの目的や規模によって内容は異なりますが、一般的には次のように分けられます。

 

内部環境の把握

ヒト・モノ・カネ・情報などの経営資源の現状確認。自社でコントロールできる領域の調査

 

市場調査

消費者の傾向や数、競合他社の状況、国や地域の気候や法律など、自社でコントロールできない領域の調査

 

客観的な事実をバランスよく集めてマーケティングに役立てるためにも、ミクロとマクロの両面をリサーチします。そのため、マーケティングの初期段階で網羅的に実施することが大切です。ここで収集したデータは、あとのプロセスの検討材料になります。

市場調査の種類や流れについては下記の記事で解説していますので併せてご覧ください。


> 【事例あり】市場調査とは?調査方法から具体的な流れを解説

 

➁【誰に?】ターゲットや目的を設定する

マーケティング戦略を立てるとき、誰に訴求するかを決める必要があります。その際に活用したいのが、セグメンテーションとターゲティングです。

 

セグメンテーション

セグメンテーションとは、顧客属性や地理的な条件など、何らかの条件で市場を区分するプロセスです。例えば、顧客を年齢と性別で分類すると、「20代・女性」「30代・男性」のように複数の集団(=セグメント)を作れます。
セグメンテーションを実施するメリットは、マーケティングに活用しやすい形に市場を細分化して整理できる点です。顧客や市場の特徴を把握し、ターゲティングに役立てることが可能です。

 

ターゲティング

ターゲティングとは、複数のセグメントのなかから、アプローチしたいセグメントを選ぶプロセスです。もっとも一般的なのは、自社が扱う商材が支持されると思われるセグメントを選ぶ方法です。ほかに競合他社がアプローチしていない顧客層を狙ったり、ブルーオーシャンの地域を選んだりするなど、さまざまな戦略が考えられます。

 

例えば、Web広告の1つのディスプレイ広告では、ユーザーの年齢、性別、住んでいる地域、利用しているデバイス、興味や関心があるカテゴリなどのように、細かくターゲティングできます。Yahoo!広告 ディスプレイ広告(運用型)では、年齢、性別、地域などの属性に関するターゲティングも可能です。


Yahoo!広告の特徴に関しては、下記で紹介していますので併せてご覧ください。
> Yahoo!広告

 

➂【何を?】自社商品・サービスの提供価値を見つける

自社商品・サービスが提供できる価値を明確にし、優位な立ち位置をみつけられればターゲットに的確にアプローチできるようになります。これは「ポジショニング」と呼ばれるマーケティングのプロセスです。

 

適切なポジショニングは状況によって変わります。例えば競合他社と比べて性能や価格で勝っていれば、正攻法でシェアを争うのが効率的かもしれません。一方、商品自体で差別化を図りにくいなら、競合よりも低い商圏を選んだり、広告戦略を変えたりするなどの工夫が必要です。

 

そのため、「どの商品を売るか」にとどまらず、有形・無形を含めたベネフィット(顧客が得る利益)を定義する必要があります。この際にSWOT分析や3C分析、5フォース分析などのフレームワークを使うと便利です。

 

SWOT分析

SWOT分析とは、内部環境の強み・弱み、外部要因の機会・脅威の4つをかけ合わせて戦略を立てるフレームワークです。

 

・強み(Strength):経営実績や技術力の高さなど
・弱み(Weak):価格が高い、認知度が低いなど
・機会(Opportunity):景気、国の政策、競合他社の撤退など
・脅威(Threat):競合他社の新製品発売、トレンド変化による消費者離れなど

 

4要素をリストアップしたら、2×2=4通りの組み合わせで戦略を検討します。例えば、「強み=ミシュラン1つ星のレストラン」、「脅威=感染症による来客者減」の組み合わせなら、「レトルト食品をオンライン販売する」などの施策を検討できます。

 

3C分析

3C分析はCustomer(市場・顧客)、Competitor(競合)、Company(自社)の3つで自社を取り巻く状況を分析するフレームワークです。

 

・Customer(市場・顧客):市場のポテンシャルや見込み客のボリュームなど
・Competitor(競合):競合他社の動向、シェア、商品など
・Company(自社):自社のシェア、経営資源、営業力、技術力、商品など

 

3つの要因を関連付けて分析することで、客観的に妥当なポジショニングをみつけられます。大きな視点で分析できるため、経営課題を発見したり、事業戦略を立案したりするのに用いられています。外部環境に適合した顧客目線のマーケティング戦略にするためには、「Customer→Competitor→Company」の順番で実施するのがポイントです。

 

5フォース分析

5フォース分析とは、次の5つの脅威を分析するフレームワークです。

 

・新規参入者の脅威:海外企業や異業種企業が参入するなどの脅威
・代替品の脅威:新たな代替品の脅威(書籍→電子書籍など)
・買い手交渉力:消費者の価格や品質に対する交渉力
・売り手交渉力:取引相手や卸業者などの交渉力
・競合の脅威:競合他社の知名度、技術力、シェアなど

 

5フォース分析は自社を取り巻く脅威に注目して分析するため、ディフェンシブなポジショニングを検討しやすいのが特徴です。また、先に紹介したSWOT分析の脅威(Threat)を掘り下げて分析する際にも用いられます。

 

➃【どうやって?】提供する方法を決める

次に検討するのは、マーケティングの実行戦略=マーケティングミックスです。

例えば商品ラインアップの設定や価格設定、販路の確保、プロモーション方法などを具体的に決めていきます。
実行戦略は多岐にわたるうえ、細かな内容もしっかり決めなければなりません。効率的に戦略を立てるために4P分析や4C分析を活用しましょう。

 

4P分析

4P分析では企業視点で次の4つのPを検討します。

 

・Product(製品):顧客が求める商品、競合と差別化できる商品など
・Price(価格):顧客が納得する価格、競合と比較してシェアがとれる価格など
・Place(流通):実店舗、ECショップ、他の小売業などの販路
・Promotion(販売促進):Web広告やマス広告、SNSなど広告方法や広告内容

 

一連の流れに沿って各要素を検討すれば、整合的な戦略を立案できます。

 

4C分析

4C分析は顧客視点で次の4つのCを検討するフレームワークです。

 

・ 顧客価値(Customer Value):顧客が考える自社商品の価値
・コスト(Cost):顧客が支払ってくれそうなコスト(商品購入代+交通費などの諸経費)
・利便性(Convenience):商品購入の利便性
・コミュニケーション(Communication):プロモーションや接客などのコミュニケーション

 

➄施策の実行と検証をおこなう

マーケティング戦略を立案したら、施策を実施して効果検証します。必ずしも成果が出るとは限らないため、効果検証による施策や戦略の見直しが重要です。

例えば、


・ 広告に接触したユーザーは、どの程度(人数・金額)商品を購買したか?
・ 商品を購買したユーザーの数・購買金額は広告接触前後でどう変化したか?
・ 広告接触者は、非接触者と比較して購買リフトがみられるか?

 

など、各プロセスで効果検証します。

 

ヤフーでは広告やマーケティング施策の効果を検証するブランドリフト調査や、コンバージョンリフト調査を実施できます。ヤフーのデータマーケティングソリューションについて詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
> データマーケティングソリューション

 

マーケティング戦略を立てる際のポイント

マーケティング戦略を立てる際には、他社との差別化や顧客データの蓄積など、重要なポイントがあります。各施策と実行するメリットを解説します。

 

競合を把握して明確な差別化を図る

マーケティングでは、自社の競合はどこで、どのような領域で争っているかなどを把握することが重要です。そのうえで、優位性があるポジショニングのための差別化戦略をとります。

 

顧客データを蓄積する

顧客の傾向や特徴を理解したり、ターゲットに合った施策を実施するには、顧客データの蓄積が必要です。アンケート調査やWeb広告へのアクセス履歴、SNS投稿内容の分析など、自社に合った方法でデータを収集して蓄積します。近年では、他社が蓄積したビッグデータを活用する企業も増えています。

 

ターゲット属性や購買行動に応じた施策をおこなう

ターゲット属性や購買行動に応じてマーケティングを変えると、成果につながりやすいアプローチができるようになります。

なかでも、デジタルマーケティングは個人に最適化した施策を実施する「One to Oneマーケティング」が可能です。例えばECショップの購買履歴をもとに、関心がありそうな商品に絞って広告掲載するなど、費用対効果の高い施策を実現できる可能性があります。

 

顧客へのフォロー体制を整える

既存顧客を定着させて収益を伸ばすためには、顧客へのフォロー体制を整えることが重要です。サポートセンターの充実、チャットボットの導入、SNSやオウンドメディアを通じたユーザーとの交流など、自社に合った方法でフォロー体制を整えましょう。

 

マーケティングツールを導入して効率化させる

データ管理ツールの導入により、必要な情報をいつでも参照できるようになります。代表的なツールはCRMとMAです。

・CRM:顧客データを電子的に一元管理できるシステム
・MA:メール送信やアンケートの自動集計など、業務の一部を自動化するツール

また、ヤフーではデータの分析や、データの連携を効率的におこなうためのツールを豊富に提供しています。
> ヤフーのデータソリューション

 

まとめ

マーケティングは自社商品が売れる仕組みを作ることであり、企業の根幹的な活動です。マーケティング手法はデジタルマーケティングの拡大や、データマーケティングソリューションの進化によって変化しています。本記事でも紹介したような、Web広告やビッグデータの活用など、自社に合った新たな方法を取り入れて、マーケティングをアップデートしてはいかがでしょうか。

 

ヤフーではディスプレイ広告や検索広告などのWeb広告や、マーケティング活動の意思決定を支援するデータマーケティングソリューションを提供しており、Yahoo!マーケティングソリューションサイトにサービスの詳細等も載せておりますので、ぜひご覧ください。

 

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※引用「マーケティングの定義|日本マーケティング協会
制作:デジタルアイディンティ株式会社

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