1対1でやり取りができる!LINEチャットの活用メリットとポイント
LINE公式アカウントの運用において重要なのが、ユーザーにとって「便利」と感じられるコミュニケーション施策です。LINE公式アカウントにはメッセージ配信やクーポン、ショップカードなどのさまざまな機能がありますが、ユーザーと1対1でコミュニケーションを行える機能が「LINEチャット(旧LINE@の1:1トーク)」です。
友だち一人ひとりとLINEのトークで会話ができ、予約受付や問い合わせ対応など、きめ細かな顧客対応が実現できる「LINEチャット」の活用メリットやポイント、実際に活用している企業・店舗の事例について紹介します。
LINE公式アカウントの開設前に知りたい情報をまとめた公式スタートガイドは、以下のリンクからダウンロードできます。
目次
1.LINEチャットとは

「LINEチャット」は、LINE公式アカウントを開設している企業や店舗が、日常的に使っているLINEアプリのトーク機能を通じて、友だちになっているユーザー一人ひとりとコミュニケーションが取れる機能です。LINEチャットを問い合わせや予約受付で活用するメリットを紹介します。
時間や場所を問わず、問い合わせに対応できる
飲食店や美容室、エステサロンなどの店舗では、スタッフの外出時や顧客対応中にかかってきた電話を取り逃してしまうことがあります。
LINEチャットは外出時でも、スマートフォンさえあればアプリ版の管理画面から返信ができます。また、顧客対応中などで即時対応が難しい場合でも、まずは自動応答で返信しておき、手が空いたタイミングで手動返信するなどの対応が可能です。
履歴から予約や問い合わせ内容の確認ができる
LINEチャットは管理画面からいつでも予約や問い合わせ内容が確認できるため、内容を忘れてしまったり、問い合わせ内容の認識が誤っていたりなど、電話などで頻発する人的ミスを防ぐことができるほか、対応にかかる負担が軽減できます。
また、チャットの内容は履歴としてデータが残るため、保存期間内(※)であれば管理画面から閲覧、もしくはデータをダウンロード(Web版管理画面のみ)することができます。未読のメッセージはトーク履歴のダウンロード対象外となってしまうため、ダウンロード前に必ずすべてのメッセージを確認して、「既読」にしてください。
※ユーザーと1対1のチャットで送信されたテキストメッセージ、画像やビデオなどのコンテンツメッセージ、ファイルの保存期間はすべて1年間です。複数人およびグループチャットの場合、画像やビデオなどのコンテンツメッセージの保存期間は2週間、ファイルは1週間となります。
ユーザーが希望するイメージを画像で把握できる
美容室やネイルサロンを訪れるユーザーは、事前に自分が希望するイメージを持っている場合があります。電話による口頭での予約方法では、そうしたイメージを共有することが難しく、ユーザーとスタッフの認識がずれてしまうことがあります。
しかし、LINEチャットはテキストだけでなく画像を送信してイメージを伝えることができるため、ユーザーの要望を的確に読み取ることができます。
2.LINEチャットの活用ポイント
LINEチャットを活用する際のポイントを紹介します。
LINEチャットで予約や問い合わせができることを案内する
LINEチャットを使ってユーザーと会話を始めるには、LINE公式アカウントを友だち追加したユーザーから先にメッセージを送ってもらう必要があります。企業や店舗から先にメッセージを送ることはできないため、LINEチャットで問い合わせや予約を受け付けていることをユーザーに周知することが重要です。
最も効果的ですぐに行えるのは、LINE公式アカウントの「リッチメニュー」や「あいさつメッセージ」を活用した案内方法です。リッチメニューに「LINEで問い合わせ/予約する」というボタンを設置したり、あいさつメッセージに問い合わせや予約を促す文言を記載しましょう。メッセージ配信で定期的に周知することもおすすめです。

あいさつメッセージの文言や立地メニューのボタンで告知する
また、以下の方法で案内することも効果的です。
- 自社のWebサイト上で告知する
- 友だち追加の案内時に告知する
- 来店したユーザーにLINE公式アカウントから問い合わせや予約ができることを伝える
もし、来店したユーザーにその場で次回の予約日時を決めてもらえる時は、スタンプや予約日時をチャットで送信してもらうことで、その後、リマインドの連絡などをチャットから送ることができます。
LINEチャットでユーザーの情報を管理する
LINEチャットには、ユーザーの情報を簡易的に管理する機能があります。
ユーザーの表示名変更
LINEチャットで表示されるユーザーの表示名を変更することができます。LINEはニックネームが自由に設定できるため、ユーザーの氏名が分からない場合もありますが、この機能を使うことで解決できます。
※ユーザー側には設定した表示名は反映されません。
タグの活用
ユーザー個人単位で任意の「タグ」を設定することで、同一タグが付けられたユーザーを一覧からまとめて確認したり、タグ付けしたユーザーだけを対象にメッセージを配信するなどの活用が可能になります。担当者名や初来店年月、性別など、タグの名称は自由に設定でき、1人のユーザーに対して最大10個のタグを紐付けることができます。

タグはチャットメニューの「チャット設定」から作成でき、設定は「連絡先」から行うことができる
ノートの活用
ユーザーとのチャットで得られた情報の記録や他のスタッフへの共有事項などは、ノートに記載しておくことができます。ユーザーの好みや誕生日の情報などを記録してみましょう。
LINEチャットの運用ルールを作成する
企業・店舗のLINE公式アカウントの管理者側はどのユーザーとチャットを行っているかが分かりますが、ユーザー側は対応している人が誰なのかは分かりません。そのため、複数の運用担当者がいる場合、返信内容や対応方法などを統一する必要があります。
以下は一例になりますが、運用担当者全員で細かな運用ルールを決めておきましょう。
- ユーザーからの問い合わせは◯分以内に返事をする
- メッセージは用件のみでなく、必ずあいさつを入れる
- ユーザーの呼称は『◯◯さま』で統一する
3.LINEチャットの便利な機能
問い合わせや予約受付時に活用すると便利なLINEチャットの機能を紹介します。
通話リクエスト(LINEコール)
LINEチャットでは解決できない問い合わせや直接電話で相談したいユーザーには、ユーザーからLINE公式アカウントに電話がかけられる機能「LINEコール」が活用できます。チャットと同様、企業や店舗からは発信できませんが、ユーザーから電話をかけてもらうための「通話リクエスト」をLINEチャットから送ることができます。
通話リクエスト(LINEコール)の設定方法は、下記マニュアルで詳しく紹介しています。
※「必要に応じて通話できるようにしたい場合」の項目をご覧ください。

ステータスバー
「ステータスバー」とは、LINE公式アカウントのトークルーム上部に表示される応答状況表示です。ステータスバーにチャットの対応担当者や応答時間の目安を表示することで、ユーザーがLINEのトークルームを閲覧した際、その時の対応状況を伝えることができます。
ステータスバーの設定方法は、下記マニュアルで詳しく紹介しています。

トークルームの上部にステータスバーを表示し、LINEチャットの応答状況を伝える
ユーザーやメッセージのピン留め/要対応やスパムの設定/チャットの削除
チャットの管理画面上では、ユーザーやメッセージを「ピン留め」して固定表示させることができます。対応中、未返信などのルールを設けて活用し、対応漏れを防ぎましょう。
また、チャットリストでは「要対応」や「スパム」を設定する機能もあるほか、チャットを削除することもできます。もし、嫌がらせや対応に困るようなメッセージを頻繁に送ってくるユーザーがいた場合に利用しましょう。
それぞれの設定方法は、下記マニュアルで詳しく紹介しています。

「ピン留め」するとアイコンの右下にマークが追加され、リストの上部に固定で表示されるようになる。「要対応」「スパム」、チャットの削除はアイコン右のメニューから設定できる。
4.LINEチャットの設定方法
5.企業・店舗の活用事例を紹介
LINEチャットを使って自社の課題を解決し、成長を続ける企業や店舗が実際にどのような取り組みを行ったのか、活用事例を紹介します。
LINEチャットで顧客との双方向コミュニケーションを実現
2020年に創業70周年を迎えた老舗精肉店「長沼精肉店」は、双方向のユーザーコミュニケーションを模索する中でLINE公式アカウントを開設しました。
- 「長沼精肉店に聞きたいこと」というテーマでメッセージを配信したところ、「簡単に作れるひき肉レシピが知りたい」「上手なステーキの焼き方を教えて」など多くの質問がユーザーからLINEチャットで寄せられました。質問や商品への感想にチャットを通じて回答したことで、ユーザーとコミュニケーションを深められたといいます。また、レシピについて質問が多かった『チャーシュー』をECショップで商品化し、好評を博しました。
長沼精肉店の取り組みは、下記で詳しく紹介しています。
きめ細やかなフォローで退塾率が28%減少
千葉県内で3教室を展開する学習塾「ESOH個伸塾」は、2018年にLINE公式アカウントを開設。生徒と保護者それぞれに対してメッセージ配信やLINEチャットを使ってやりとりを行っています。
生徒とのコミュニケーションは、テキストでは伝わりづらい部分を画像で補足したり、生徒からスタンプが送られたりとフランクにやりとりをしています。一方の保護者とは生徒を介さずOne to Oneのコミュニケーションが可能なため、学習の進度や進路のほか、細かな相談にも対応しているといいます。きめ細やかなフォローを重ねた結果、LINE公式アカウントの開設前後の2年間で退塾率は約28%減少しました。
ESOH個伸塾の取り組みは、下記で詳しく紹介しています。
LINEチャットで申し込みから入居まで完結
不動産会社の「お部屋探しのハートサポート」は、申し込みから入居までLINE上で手続きが完結するサービスを提供しています。
ユーザーが希望する部屋の条件ヒアリングや各種書類のデータ送付をLINEチャットで行うほか、賃貸借契約における重要事項説明の「IT重説」も担当者がユーザーとLINEアプリのビデオ通話機能を使って実施。そのため、物件の内覧時を除いて、ユーザーが店舗を訪れることやスタッフと対面することはほぼありません。
また、社内ではやりとりしている内容の共有や、LINE公式アカウントのノート機能を活用してユーザーの検討状況や会話内容をメモしているといいます。これによりスムーズな引き継ぎを実現するほか、数年後、同じユーザーから問い合わせがあった際、以前のやりとりを把握しながら対応できているそうです。こうした取り組みが功を奏し、2020年1〜7月までの間にLINE経由の問い合わせから30〜40件の成約につながりました。
お部屋探しのハートサポートの取り組みは、下記で詳しく紹介しています。
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